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仲直り

 彼女はいまだにこちらを見ない。意を決して話しかけた。


 

 「あ、来てくれたんだね。」

 

 「……。」


 「……ありがとう。えっと。」



 彼女に近づいた。彼女はこちらに来ないでという顔をしていた。しまったチャットを見られたようだ。でもチャットで遊んだだけでそれ以上のことはしていない。冗談だよと彼女に伝えてみた。


 彼女は少し拒絶気味だった。例え冗談でも女の子にチャットで楽しく話しているのは許せなかったらしい。とにかく誤解を解く必要があった。本当に何もなかったんだ。信じてほしい。


 

 「ちょっと……。」

 「触らないで。」


 「え。いや……。」


 「触らないで。」


 「いやせっかく来たんだし……。」


 「何?」


 「いや……。」



 しどろもどろだった。横に座って様子を伺う。肩に触れてみた。振り払われる。どうしものか。とりあえず取り繕ってみた。どうしたらいいのか。横でじっと見つめてみた。


 

 「近いから。」


 「え……。いや、いいでしょ?」


 「……。」


 「……。」


 「嫌なん?」


 「……。」


 「……。」


 「……。」



 抱きしめてみた。今度は拒否されなかった。とりあえず抱きしめながら話してみる。まずは来てくれたことありがとうと話す。正直に嬉しい気持ちを答えた。そのあとにまたギュッと抱きしめてみた。彼女は相変わらずこちらを見なかったが警戒は解けているようだった。手を握りながら説明してみる。

 

 

 「だから何もしてないよ。」


 「……うん。」


 「これぐらい普通にしてたでしょ?」


 「でも不安になるじゃん。」


 

 彼女にも変化はあった。前よりも神経質になっていたかもしれない。環境が変わることをとても危惧していたようだった。まだ少し不満げな彼女だったがそのまま抱きしめた。いつだって仲直りはお互いを求め合うことだった。それが一番わかりやすいものだったから。


 体を重ねて仲直りっていうのは割とよくあると思う。一つの手段として。言葉とはまた違う愛情表現でもあるから。それが正しいかどうかは別として。尚更私たちはより明確に愛を表現しなくてはならなかったから。それほど障壁が多かった。彼女を抱きしめながらそんなことを思っていた。



 「今日は私の希望全部聞いてもらうからね♪」


 「わ、わかりました。」






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