夏の終わり
何度目かの朝を迎えた。この朝の迎え方に慣れてきていた。朝は気持ちが前向きになる。今日も最後まで楽しもうと思っていた。できることは何でもしたいと思っていた。
いつものように朝食をとり公園に行く。今日は彼女は家で洗濯や掃除をしたかったようで息子君と2人で公園に行くことになった。2人きりで公園に行くのはこれが初めてだった。息子君と手を繋いで歩く。
「一緒に公園いこー。」
「よし、いこうか!」
「うん!」
はたから見たら親子に見えるのかな?父親に見えるのかな?ふとそう思っていた。徒歩5分で着く小さな公園。息子君と一緒に遊具で遊ぶ。ブランコを押したり追いかけっこしたり。ケラケラ笑っていた。息子ができた瞬間だった。一つ階段を昇れた気がした。
1時間ぐらい遊んでいたと思う。また昼食の時間が近づいていた。息子君にスケボーを教えてみた。ただ載せて私が押すだけだけど。転ばないように注意しながら。息子君はとても喜んでくれた。もっと押してとせがんでいる。ケガしないように優しく押した。
「□□君~。」
振り向くと彼女がそこにいた。家事はもう終わったようだ。3人でゆっくり歩く。3にんで手を繋ぐことが多くなっていた。真ん中が彼女だったり息子君だったりしたけれど。手を繋ぐということがこんなにも心を満たしてくれる。手を繋ぐたびに刻まれていった。
「△△、楽しかった?」
「うん!!」
「楽しかったよ。」
「よかった~!」
息子君も話す単語は増えてきていた。3人で会話もそれなりに成り立ってきていて息子君の成長も感じ取れていた。出会った当初はスプーンで食べるのが精いっぱいだったけど、矯正ハシでゆっくりだけどご飯が食べれるようになっていたから。
3人とも成長していたんだと思う。実感はしていた。強くならなければならない。精神面でも経済的にも。時には落ちて弱音を吐きたくなる時もあったけれど。前に進むしかなかったからだ。
お決まりの夕方までショッピングも兼ねて出かけた。息子君はとてもかわいい顔をしていたからよく知らない女の子に可愛いと声を掛けられていた。息子君もまんざらでもないようでニコニコしながら女の子に近づいていく。まったく誰に似たのやら。彼女は苦笑しながらそう呟いていた。夏の終わりだった。




