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重いと想い

 朝食を済ませると身支度をした。今日も車でドライブしながら買い物をして新横浜のラーメン博物館に行くことにした。そこでラーメンを食べて新幹線に乗って新神戸まで戻る。そんな計画を立てた。息子君がいることが前提のデートだ。彼女も息子君も大切にしたかった。


 車の中で音楽を流した。この当時は浜崎あゆみが流行っていてそれを流していた。彼女が好きらしい。見た目も聞いてる音楽も流行りのものが好きなようだった。後で聞いたら私に少しでも合わせたくて頑張っていたらしい。その時はそうなんだって普通に思っていた。

 

 彼女は彼女なりにすごく気配りをしてくれていた。当時の私はそれに気づいてなかった。彼女の気持ちや頑張りにもっと気づいていれば結果は変わっていたかもしれない。今とは違う未来に。余裕がないなんて言い訳にしかならない。それに気づいたのは何年も年を重ねてから。


 人はきっと失敗しないと前に進めない。失敗しないと気づけない。その一つ一つにきっと意味があって色んな思いがある。意味があることの積み重ね。当時の私には到底わからない。わからないことが若さでもあるけれど。そういうすれ違いが大きくなっていくもの。気がついた時にはもう遅いのだ。


 

 「私、買いたいものがあるの。付き合ってね。」

 

 「うん。荷物持ちする。」


 「あはは。しっかり持ってついてきてよ?」


 「は、はい。」



 普段、女性の子連れではなかなか買い出しが大変なものを買った。テーブルだったり、大きなシーツだったり、服も買った。彼女は終始笑顔だった。どれが似合う?なんていろんなものを試着していた。ただただいろんな彼女を楽しんで見ていた。自由な彼女をただ見ていた。


 一通り買い物が終わると、息子君を遊べるところに連れて行った。遊具が沢山ある室内の施設。そこで3人で一緒に入り遊んだ。すごく楽しいようで私にも抱っこをせがんできた。抱きかかえると思った以上に軽かった。小さい子供を抱っこしたのはこの時が初めてだったかもしれない。


 彼女と過ごす未来を選択するということは彼女の息子も一緒の未来を選択するということ。息子君の重さを感じることでそれも感じた。まだ自分のことが精いっぱいで責任感ってものが果たしてあるのかわからないが少し自覚をした瞬間だった。決意をした瞬間でもあった。


 楽しいときはあっという間に過ぎる。こういうのも悪くないな。そう思っていた。他人の子供を愛せるのか。そればっかりはこの時はわからなかったがただ一つ言えるのは息子君の楽しんでる笑顔を見るのは嬉しかった。それだけは事実だった。


 

 「おなかすいてきた~。」

 「ラーメン博物館にいこっか!」


 「あ、わかった。そうだよね。おなかすいた。」

 「色んな屋台があるんだっけ?」


 「私も1回行ったことあるくらいだよ。」

 「昔ながらの屋台みたいな感じで色んなラーメンあるよ!」

 「普段なかなか行けないから楽しみなの。」


 「あ、そうだよね。」

 「女の人一人でとか子連れじゃなかなか行けないよね。」


 「そうそう。女性だけだと入りづらかったりするのよ。」


 「よしなら行こっか。」

 

 「うん。」







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