ネコちゃんのローキック
リストラか。これからどうしよう?再就職するより死ぬ方が楽な気がする。
おや?トコトコとこちらに歩いてくるのは灰色のネコちゃん。可愛いねぇ。
「ん?」
二本脚で立ってファイティングポーズ?なになに?足元まで来た。
「にゃー」
ビシュウッ!
「イタイ!イタイ!イタイタイタタイ!」
ネコちゃんのローキックが私のくるぶしに直撃した。凄く痛い!
「……」
「……」
……
……
……
「にゃー!」
「あーー!イタイイタイイタイイタイ!」
しばしの沈黙の後にもう一発ローキック。とてつもなく痛い!
「にゃー!」
「わぁお!これはイタイイタイタイタタイ!」
今度は何の間もなく蹴ってきた!
これが30分続いた。
・
10年後。私は日本人として初めてのアメリカ合衆国大統領となった。
辛いことも沢山あったがあのネコちゃんのローキックに比べれば大した事ではない。あのネコちゃんには感謝している。今思えばあれはネコちゃんなりの応援だったんだろうな。
『ダイトウリョウ!ニゲテクダサーイ!』
「ん?」
まさか!ホワイトハウスの最強SP達が全員倒れている!?誰がこんなことを……
「あっ!ネコちゃん!」
あの時のネコちゃん!?今宵もファイティングポーズが決まっている。
そうだお礼を言わなくては……
「ネコちゃん。ありがとうと言わせてくれ!」
「……」
ネコちゃんはファイティングポーズを止めて腕をだらりと垂らした。おお私の気持ちが伝わったか?
・
「にゃー!」
「あーー!!イタイイタイイタイイタイ!」
やはりローキックされた。
HAPPY・END。
『イタイイタイイタイイタイ』←ずっと見てると『夜』に見える。スパイファミリーって読んだことないけどおもしろい?
一狩りいこうぜ!