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第52話 敵対者に容赦はしない

 

 イベント2日目が始まった。まだ周囲に他のプレイヤーは居ないからとりあえず見つかり辛い森の中にでも移動しよう。


 1日目はかなりいい結果で終わった。ワイバーンは5匹倒せたし、ソロ討伐は最初の2匹を含めて3回出来た。残りの2回は苦戦している所を見つけて、首切りして地面に落としただけ。まあそれでも30ポイント貰えたからそれなりの貢献だったのだと思う。それと、1人でワイバーンと対峙しているのを見つけて、明らかに殺されそうになっていたから助太刀した感じのやつ。それは90ポイントになったから殆ど私が倒したと言って良いと思う。


 まあ、そんな感じでワイバーンを倒した。2日目にも出るらしいから倒せそうなら倒したい。素材自体はそれなりにあるから絶対に欲しいわけじゃないけど、取れるなら取れるだけ欲しいって感じだ。


 ついでにポイントが1位になっていた。出来れば目立ちたくはないのだけど、上位に入れば賞品が出るしSTP/SKPも貰えるから順位はそこまで落としたくない。私的には4位くらいがベストなんだけど、順位のポイント見ると果たしてそこまで落ちられるかは疑問。少なくとも1位じゃなければいいと言うことにしておこう。



 森に入って敵を倒し続けて6時間。その間、殆どプレイヤーは見ていない。1時間くらい前に3人組が来たので背後から攻撃して倒した。ポイントは3人で250ポイントくらいだったので順位的には低い方だったのかもしれない。実際どうなのかは知らないけど。


 このままモンスターと獣だけ倒していても良いのだけど、そうするとPVPでポイントを沢山獲得したプレイヤーの多くに抜かれる可能性があるから、もう少しはプレイヤーも倒したいところ。


 そう言うことで場所を移動することにした。

 とりあえず移動中に日が昇ってきそうだから森の中を移動して、森が続いているイスタット方面に行ってみよう。



 イスタット方面に移動していると、森の向こうにある平野に凄い人数のプレイヤーが集まっている所を見つけた。確かあそこはワイバーンの初期位置だった場所だけど、またワイバーンが出現したのだろうか?

 確認するために森から出ない範囲で近づいてみる。するとそこにはワイバーンは居なかった。その代わり見たことのある長身ドワーフが多数のプレイヤーに囲まれていた。


 これは態とペナルティを発生させるためにやっている? でも、周りに居る人数とさらに他から来るプレイヤーの数を考えると既に結構な時間戦っているようだ。そうするとペナルティがもう発生していてもおかしくない感じなのだけど、その気配は一切ない。お仕置きモンスターは出て来ている気配はないし、囲んでいるプレイヤーのまとめ役が焦った顔しているから、もしかして意図的にそうさせようとするとペナルティは発生しないのかも?


 ポイント獲得順位の上位を倒せば確かに多くのポイントが獲得できる。

 おそらく囲んで物量攻めで倒すことも意識しているのだと思うけど、この方法は見ていて不快と言うか気に食わないから、私が攻撃できる範囲に居るプレイヤーは倒しておこう。たぶんあのドワーフプレイヤーは問題なく突破できるだろうけど、一応同じ上位陣として助力しておくのもありなはず。


 あれ、でも出来れば私のポイントを越して欲しいから、このまま放置でも問題は無いのでは? 


 ……いや、やり方が気に入らないからやっぱり倒しておこう。それに倒したところでまたあのドワーフの所に行くだろうし、気にする必要は無いかもしれない。

 そういうことで戦っている場所にもう少し近づく。


 倒す順番は私から近くて倒したことが他のプレイヤーに気付かれにくいところから。と言うことで一番後ろの私から1番近い位置に居るまとめ役から、レッツ!天☆誅!

 うむ、首狩りによる一撃は常勝の一撃なり。…ってことで次ね。


 15人くらい倒したところで攻撃できる範囲からプレイヤーが居なくなってしまったので、私は森の中に戻った。何かドワーフのプレイヤーがこっちを見ていた気もするけど、気のせいと言うことにしておこう。



 イベント2日目も3分の2が経過した。残りは8時間くらいで順位はまだ1位のまま。昼からウィンドウ上に順位がリアルタイムで表示されるようになったから、他の人の順位と暫定のポイントがわかるようになった。しかもポイントはプレイヤーの頭上に表示されているし、NAMEのように隠すことが出来ない。消したい。


 2位のドワーフにはまだポイントは越されていないけど、未だにポイントが大きく上がっているし、差も殆ど無くなった。おそらく近い内に超えてくれると思う。


 森の中で敵を倒していると近づいてくる6つの青い点が【感知】の範囲に移った。直ぐに近づいてくる青い点から見えない様に木の影に隠れる。もう攻撃に移っても良いけど、相手に攻撃の意思が無ければそのままスルーしたい。その方が順位を下げる意味では有効だから。


「そこのプレイヤー出てきなさい! 直ぐに出てくれば攻撃はしないわよ!」


 あっちも【感知】持ちか。攻撃しないって言うのは十中八九嘘だと思うけど、相手が見えないとどんな攻撃が来るかわからないし、6人中2人が何か私の後ろに向かおうとしている。なら早めに行動して後ろに回ろうとしている2人に対して対処しないといけないか。


 念のために相手から見えない様にブラッドウェポンを発動させてから、木の影から左側だけ顔を出して相手を確認する。声から女のプレイヤーだとはわかっていたけど、何か派手なプレイヤーだった。


「もっとがっつり出てきなさいよ! 馬鹿にしてんの!?」


 騒いでいる女プレイヤーのポイントは42000くらい。おそらく100位には入っている感じかな。その隣で呆れた顔をしている男のプレイヤーは28000ポイントで、まあ半分よりは上の順位と言ったところかな。それで他のプレイヤーは20000前後か。


 パーティー単位で考えればかなり上位のパーティだと思うけど、何かワンマンパーティーと言うか纏まり感が薄い気がする。イベント限定のパーティーなのかも。

 とりあえず指示通り木の影から出る。


「やっと出て来たわね。うん? フードで顔がわからないわね…って、ポイント高っ!? 嘘でしょ、お宝じゃない!」

「ロレアラ! そう言う言い方はしない!」


 まあ、最初から分かっていたことだけど敵確定。隣に居るプレイヤーが窘めているけど、どうあれ攻撃してくることは確定だと思う。と言うことで攻撃開始。


「いいじゃないの。さあ、そのポイぅぇあ?」


 ブラッドウェポンで首を攻撃してロレアラと呼ばれたプレイヤーをポリゴンに変えた。まさか話の途中で攻撃されるとは思っていなかったのか、それを見た他のプレイヤーは戸惑い焦ったように武器を構えた。


「ちょ!? 嘘でしょ攻撃するの早いって! あっ」

「え? 今の攻撃【血魔術】じゃぽっ!?」


 ロレアラの近くに居たプレイヤー2人も同様に倒す。何か男のプレイヤーが【血魔術】とか言っていたけど、何が言いたかったのだろうか。あ、もしかしてヴァンパイア系のプレイヤーだったのかも? まあ、そうだったとしても敵である以上容赦はしないけど。


「嘘だろ……って、ポイント的に1位じゃねぇかよ!?」

「判断ミスじゃー!?」

「ちょおーい!?」


 最後の2人が変な声を上げながらポリゴンになって行った。獲得ポイントは6人で合計約15000ポイント。

 うっ、無駄にポイントが増えてしまった。ポイント獲得上位を倒すとこれだけ一気にポイントがたまってしまうのか。これからはポイントの多いプレイヤーを見つけたら即逃げしないとまたポイントが増えてしまうかもしれない。


 ウィンドウを開いて2位とのポイント差を確認すると、案の定差が大きくなってしまっていた。2位のポイントは一定の速度で同じくらいの量が増えているから、まだプレイヤーによる物量波状攻撃は続いているようだ。


 もしかしたら1位のままイベントが終わってしまうかもしれない。いや、ギリギリぬいてもらえそう? このまま隠れて大きなポイント取らない様にしていれば可能な範囲? うん、抜いてもらえるように願っておこう。どうなるかわわからないけど。



 イベントも残り15分になった。もうすでに順位は固まった感じだ。私は残念ながらまだ1位の順位に居る。でも、2位との差は1000ポイントを切っているので、おそらく終わる前には抜いてくれそうな感じだ。


 あの女プレイヤーを倒してから増えたポイントは3000ポイントくらい。そう、一切敵を倒さなければとっくに順位は入れ替わっていたのですよ。でもね、目の前にワイバーン出てきたら倒すよね? 何か良さそうな素材を落とす敵が出てきたら倒すよね? まあ、そんな感じでやっていたからこの結果なんだけど。


 あ、そろそろポイント抜かれそうだ。あと700ポイントか。もう少し素材取れるかも。いやいや、こんなことしているから順位が変わらない訳で。

 ぬ、鹿か。角・皮・肉がドロップした。あ! ワイバーン!! 待って、素材置いてけー!!


 そうこうしている内に第1回目のイベントは終了した。

 ついでに最後の最後に出たワイバーンはちゃんと倒しました。素材旨し!


次はイベント後の通常の掲示板回です

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― 新着の感想 ―
まさかのアユが幕末志士とは…成程だからあの不屈の精神だったのか…納得!!
[良い点] 天 ★ 誅
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