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第28話 武器の課題と今更な話

 

 イスタットの宿屋を出てセントリウスの街を目指す。


 移動中、イスタットの土地で木を伐採していく。

 手持ちの木材の数が少なくなってきているので、補充も兼ねて今まで伐採したことのあるものも含めて、手あたり次第手を出していく。

 

 【伐採】も上級スキルに上がっているので、第1エリアに生えている木はサクサク伐採できるようになっている。


「うーん」


 道中、手を出せる範囲の木を伐採しているが宿屋で使われていたようなこげ茶色の木材は手に入っていない。


 あの木材は別の場所に生えている木から手に入るのか、それとも何らかの方法で加工してあったのか。どっちなのだろう。


 今まで手に入れた木材の中にも色の違いはあったし、その違いのような気もするのだけど、エンチャントが存在しているのだからそれを使っている可能性も全然ある。

 宿屋の壁や天井を【鑑定】した時に詳しい説明が出てくれたらよかったのだけど、他の不破壊オブジェクトを調べた時と同じように宿屋の壁とか天井としか表示されなかった。


 それに木材のアイテム説明文って、今のままだとどういった木の木材と軽い説明しか書かれていないのだ。木材の特性とかを調べるには【識別】を使って調べないといけないのだと思う。


 第2エリアに近づいてきても今まで伐採したことのある木材しか取れなかった。

 このまま手あたり次第伐採していくのも時間の無駄だと判断してWIKIを調べてみたのだけど、詳しい情報があまりなかった。一応、どこで何の木が生えていてどんな木材になるかは書いてあったのだけど、特性などは記載されていなかった。


 WIKIの情報の中にはまだ手に入れていない木材はあったけど、こげ茶色の木材が取れる木はなかった。

 となれば、あの木材は何かしらの処理がされていたということだよね。現実でも防腐処理で色がついた木材もあるしそんな感じなのだろう。

 まあ、単純に着色されていただけの可能性もあるし、まだプレイヤーが見つけていない素材の可能性もあるけど。


 とりあえずあの木材はなさそうだし、木材も十分補充できたからこれで木材の伐採は終わりでいいかな。


 

 エリアBOSSのアッシュボアをサクッと倒し、イスタットから第2エリアに移動する。


 最初は苦戦していたアッシュボアも今ではあっさり倒せるようになった。ステータスやスキルもそうだけど、装備している防具や武器の効果もあの時より数段強くなっているのを実感する。


 強くなったなぁ、と思う反面、今まで一番火力を出していたブラッドウェポンと【闇魔法】で出せるダメージが変わらなくなってきているのだよね。

 ロックワイバーンやオーレスワイバーンだとブラッドウェポンはあまり使えないからそこまで影響はなかったし気にならなかったけど、さっき倒したアッシュボアだとそれが明確に表れていた。


 どうして火力差が埋まってきたというと、武器によるものが大きい。

 ブラッドウェポンを扱うにはメイン武器に魔造血液か人工血液を装備していないといけないのだけど、その血液って本来武器ではないから武器としての効果が載せられないのだよね。

 魔法はサブ武器に杖を装備しているからその分、火力が上がっている。


 どちらもINTの高さで火力が決まるスキルだけど、どうやら武器の能力はその武器に紐づけされたスキルしかその補正が乗らないようだ。

 それでブラッドウェポンのもととなる【血魔術】は魔法ではあるのだけど、杖の武器補正が乗らないタイプだった。


 その結果、杖の追加効果であるINTの+値がブラッドウェポンのダメージ計算に乗らないから、杖を強化してもメインの攻撃方法がブラッドウェポンだと意味はないのだよね。

 まあ、他の魔法スキルには影響があるから杖は強化するに越したことはないのだけど。


 今はまだ大丈夫だけど、近いうちに確実に火力不足になるのは目に見えているから、どうにかしたいところだよね。

 人工血液が強化できるならそうしたいのだけど、その方法がわからないからお手上げ状態なのだ。

 

 どこかで調べられたらいいのだけど、どこに情報があるのかわからないし、同じく【血魔術】を使っている人って今のところヴァンパイア系のプレイヤーだけだから、他のスキルに比べてプレイヤーの間でも圧倒的に情報がない。


 こういうところがレアRACEというかレアスキルの欠点だよね。知っていそうな人も思い当たらないし、いっそガルスとかレミレンに聞いてみるのもありかな。あまりしたくはないけど、自力で調べるにも限度はあるし。

 

 ……今更だけど、知り合い少ないね私。

 プレイヤーは意図して関わっていないからそうなんだけど、この世界のNPC(住民)の知り合いもほとんどいない。

 プレイヤーや住民に関わらず、こういう時に情報を聞ける人が少ないっていうのはよくない。


 ギルドにある書庫でも調べることはできるけど、何度か通ってみた感じどうにもあの書庫って基本的なものに毛が生えた程度の情報しかないみたいなのだ。

 専門的な情報になるとやっぱりスキルに合わせた師匠を見つけて、弟子にしてもらうのが一番良いのだと思う。


 防具の加工ついてもガルスに弟子入りしたから知ることができたし、他のスキル、特に錬金の師匠を見つけたいのだよね。どこにいるのか全く分からないけど。

 掲示板を覗いてみても錬金の師匠になってくれる住民は少ないみたいだし、伝手も住民でもまともに関わりがあるのが2人だけだと、絶望的だね。

 

 最初に【錬金】スキルの補助をしてくれたのはレミレンだけど、専門は【鑑定】って言っていたし、ガルスの知り合いに錬金専門で師匠にもなってくれる住民いないかな。アクセサリー職人の知り合いはいるみたいだけど、錬金師の知り合いがいるとは一度も聞いたことがない。

 その話題が出るような会話をしていないからただ出ていないだけかもしれないけど。


 これ、もうちょっと頑張って住民と関わっていった方がいいよねぇ。


 あれこれ避けていたことをしなければならないと思うと気持ちが沈み、ため息が漏れる。


 このゲームをプレイし始めてもう2か月くらい経過していて今更だけども、今まで避けて通ってきたものの弊害がここに来て出てきた感じだよね。自業自得……かぁ。


 

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