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SF 正妻の座争奪戦争   作者: やまじじい
67/70

EP65 クリスマス・イブの死闘 地球人類VS ナイアルラトホテップ 前編 *

挿絵(By みてみん)


 2023年12月23日 午後11時50分


 地球衛星軌道上、地球防御シールドNEW-BENZA隊列の背後に移動するG-ツェッペリン3000とアンドロメダ2000。


 大佐は、緊張の面持ちで、咥えたマニラ産葉巻から紫煙を吐く。

「決戦10分前だな!」


ナイアルラトホテップは、決戦時刻をSHADO本部のある日本時間に合わせている。


「ペテルギウス大災禍と、太陽からのSUVはマリアたちの再計算により12月24日の零時となっているのは偶然の産物では無く、ナイアルラトホテップの企みであった。


 *ふふ、私が戦いの日時を、地球人が喜ぶイブに合わせてやったのだ。イブを迎えた瞬間の喜びの日に、地球人類が滅亡するようにな。


「W芽衣、地球防御シールドNEW-BENZA は準備出来ているな」

「「はい、PSコンバーター装備基が1000基、反射シールド機が1000基、全基スタンバイOKです!」」


「タケシの方も大丈夫だろうな?地球の運命は、救世主のあいつにかかっているからな!」


「はい、マリアがアビゲイルに代わり、共にNEW-BENZAコントロール司令船COMETに搭乗し、NEW-BENZA隊列の最前線で待機中です」


「うむ!」


 SHADO本部司令船G-ツェッペリン3000と、スタイニー少佐のアンドロメダ2000は、NEW-BENZAの後方に陣取った。


 暗黒帝国旗艦、キング・ノジャロゥリも、超強力宇宙線が及ばない位置で、COMET、SHADO艦隊を支援すべく待機していた。


「11時57分!」

ペテルギウス方面の宇宙が、ぼんやりと黄色味を帯びてくる。


「いよいよ始まる!」


「11時59分!」


「59、58、57、56・・

「30秒前でシールドNEW-BENZA U字型照射板OPEN!」


 35、34、33、32、31、

「照射板全2000基起動!!」


「KOE溜め(ケーオーイー)センサー、同期開始!」


大佐の号令と共に、2000基のU字型照射板が唸りを上げた。


グゥイ~ン  パカ  グゥイ~ン  パカ


続いてプラズマ核電池タンクから、ロール型チューブにエネルギーが接続される。


カラカラカラ・・ビリ


「プラズマエネルギー充填120%・・・更に充填 160% 180%

200% オーバードライブ準備完了!!」


同時にPSコンバーターを装備したNEW-BENZA1000基にも、プラズマ核電池パワーが供給される。


カラカラカラカラ・・ビリ


「善の霊子照射ドライブ全基準備完了!!」


「さぁ、地球人類の皆さん、祈りを捧げてください!!」

W芽衣が、SHADO指令室から地球にメッセージを送る。


8、7、6、5、4、3、2・・


 0!!


「来ます!!」


「全BENZAシールド照射開始!! フルパワー!


 シールドNEW-BENZA1000基の前に、ハニカム状の一基あたり100kmもの防御シールドが展開する。


それは、さながら宇宙に咲いたレインボーパラソルの花畑。


 しかし、PSコンバーター付きのNEW-BENZAが、起動しているにも関わらず、善の霊子ビームを照射していない。


「タケシ、マリア、どうした! PS-BENZAが善の霊子ビームを照射していないぞ!」


マリアが叫ぶ。


「大佐、照射はしています! ですが予測した40%の出力しか出ていません!」


なに!

「むぅ、戦闘開始早々に!

   ビーム照射量の初期演算ミスか!」


*ほう、私のマリオネットから逃れられる人間が40%もいたのか。少しばかり意外だな、人間!。


だが40%程度の祈りでは、私には届かぬのだ!


 無駄、無駄、無駄!


 戦闘の模様は地球人類に向け、LIVE中継している。


その時、クルーが叫ぶ。


「大佐! 地球からミサイルが発射されました!」


「ミサイル3! 接近!!」


「どこの馬鹿が! ミサイルはどこに向かっている?」


「発射したのは、独裁軍事国家ブラック・フォーン! ミサイル種別・・・」


「核弾頭ミサイル テポドン!」


「なんだと! 核ミサイルなど、霊子の集合体であるナイアルラトホテップには効かん!

その上、テポドンでは奴まで届かん! 衛星軌道上で爆発するぞ!!


 くっ! 我々の背後の衛星軌道上で爆発すれば、SHADOもBENZAもタケシも道連れになる!」


「何を考えておる! 黒電話書記長!」


* 油断したな! 敵は眼前の私だけでは無いのだよ。マリオネットでこんなマネもできるのだ。


「大佐、G-ツェッペリン3000も、アンドロメダ2000も、この位置からの迎撃は不可能! 回避を!」


「ダメだ!もう間に合わん!」


 ナイアまで届く事のない核ミサイルテポドン3発が、SHADO背後に迫った。

 0.5秒!


「ここまでか!!・・・」


 パァッ パアッッ パァッ

ズドトドォォォ


「好! SHADOの諸君、無事あるか?」

地球からの無線通信が入った。


「好! 」

「あなたは、中国 周遠近主席!!」


「ミサイルを撃墜したのは、中国が地球衛星軌道に展開していた、高熱レーザー装備のキラー衛星だ。好!」


『むむ、相変わらず中国は汚ねぇ!』

口には出せない。


 中国は極秘に、高出力レーザーを装備したキラー衛星を、既に多数配備していたのだ。


しかし、今はそのど汚さに救われた。

「周主席、礼は後だ! 今は戦闘中である! これにて失礼する!」


「好!」


「ふぅ~、助かったなマリア」

「よし、今度はこちらのターンだ!」


 タケシは念を込めて地球に呼びかける。


「母なる地球よ、俺に力を貸してくれ。祈りのパワーが不足している。この想いを全人類へ!」


「芽衣、祈りのパワーが足りない原因は分かるか?」


「地球人が大挙して空港の脱出艇を襲撃しています! その中にはウィルマ教信者も多数いると思われます!」


「なんだと!」


 アセンション波は発射され続けている。それに頑ななウィルマ教信者もかなり存在しており、かろうじてPSコンバーターに40%の善の霊子エネルギーを供給できていた。


「人妻芽衣、アレをやるわよ!」

「ふふ、ぶちかましてやるわ!」



 タケシの祈りの波動は、救世主が持つ独特の波動、"グリップ・ハート"

女性にモテモテになる能力は、スキルのほんの一面である。


メインは文字どおり人の心を掴む能力なのだ。


 そのタケシの祈りを地球が受け入れる。


地球は生きている生命体と言ってもよい。

そして全宇宙に存在する全てのものが生きている。


それを知らないのは、邪神ナイアルラトホテップ。


*「善なる霊子ビームが貧弱な今、ペテルギウス超強力宇宙線とSUVのパワーを上げてやろう。

 

私の霊子ボディを通過する事により、出力が2倍になる。

さぁ、食らえ! 人類滅亡のシャワーを!!


ビー、ビー、警報! 警報!


「大佐大変です! ペテルギウス超強力宇宙線とSUV照射量が2倍にブーストしています! 」


「なに! 」


「こちらマリア! 大佐、シールドBENZAの外板が赤熱しています!

溶解するのは時間の問題です! 何か対策を!」


W芽衣「「大佐、BENZAをオーバードライブした事も原因です。直ちに出力を定格に戻す事を進言します!」」


「それではBENZAが防ぎ切れなかった超強力宇宙線とSUVが、地球に降り注いでしまう!!」


「今BENZAを焼失する事は、地球人類の滅亡を意味します!

時間を稼ぐ事を優先しましょう! 後50分絶える事が出来れば、勝機はあります!」


「むむぅ、やむを得ない! シールド出力ノーマルへ変更!」

「タケシ! 中継BENZAに命令を出せ! オーバードライブ解除、出力100%だ!」


「BENZA BLOCKの効果が50%に落ちた。BENZAを通過した宇宙線とSUVにより、地球人類は大きな被害が出るだろう」


「BENZAよ!、後50分! なんとか耐えてくれ!」


 SHADOクルーは必至に祈った。



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