EP63 決戦14日前! 攻防一体? "デッドOR アライブ作戦" *
2023年12月10日 早朝
SHADO指令室にW芽衣の声がステレオで響いた。
「「大佐、うちら、分かりましてん!」」
「「PSコンバーターの使用法ですねん!」」
マナ・カナか!
「目の前で、同じ顔、同じ声、同じリアクションをされると、裸眼VRかと思ったぞ」
「「そんなぁ、照れるじゃないですかぁ」」
「褒めてねぇから!」
対大佐用おちゃらけモード解除。
ポチっと
キリっ!
「大佐、PSコンバーターですが、霊子やコンバーター内部の構造は依然不明ですけど、用法、用量が判明したのです!」
独身芽衣「あっけない程、簡単な事でしたわ! プラズマエネルギーの射出ルート上に、PSコンバーターを設置するだけで良かったのです!」
人妻芽衣「置くだけでPSコンバーターが、自動で霊子破壊ビームに変換してくれるのです!」
「何っ! 聞くだけヤボな大発見だな! 早速緊急対策会議を招集する。メンバーは、SHADO特殊シールド隔離室に集まれ!」
招集するメンバーには、新たにアイシャ、帝国技術者ゴーヤ・ウマカバイが加わった。
「諸君をこの部屋に招集したのは、対ナイア戦の為だ。奴はどこにでも潜んでいるからな。この特殊シールド隔離室なら情報が洩れることはない」
「そして朗報だ。PSコンバーターの使い方が判明した。よく頑張ってくれた。礼を言う」
「やはり、私の持参した1000個のPSコンバーターは機能するのですね!」
「はい、アイシャさん、あなたの確信は正しかった! PSコンバーターをプラズマエネルギー回路の間に設置するだけで、強力な霊子破壊ビームを変換生成できるんです!」
「ふむふむ、余は理屈は分からんが、これを防御シールドNEW-BENZAのプラズマ核電池タンクに設置すれば、本来のシールドビームではなく、霊子破壊ビームが放射出来るという訳じゃな!」
「御意!」
(おい、ゴーヤ・ウマカバイ、宮仕えは辛いな。それにしても出番が少ない上に、セリフが"御意"ばかりじゃねぇか)
『御意!』
カロヤン大佐がレーザーポインター棒を取り出して、立ち上がった。
「メインパネル、オープン!」
と言いながら、自分でレバーを上げる。
「ここで地球防御シールドNEW-BENZAの説明をしておこう。
まず外板には帝国国王陛下から感謝感激の特別、マジで特別に提供していただいた、超合金アテントがあててある。
(特別を強調しておく)
この特別な超合金アテントをあてると、これが超強力宇宙線とSUVを漏らさず吸収する為、多い日も安心なのだ。
そして、このU字構造体が超強力宇宙線とSUVを、NEW-BENZAのKOE溜めセンサーが感知すると、パカっと開くや否や"ズボボホ・ジャァァァァという音を発して、防御シールド、或いは霊子破壊ビームを照射する。
見よ!後方にあるのが、プラズマ核電池タンクだぁ!」
ドヤァ!!
『ありゃりゃ、土壇場で打開策が出て来たんで、張り切ってるわね大佐』
大佐の"特別"発言で、機嫌のよい陛下が褒めたたえる。
「素晴らしい! 実に素晴らしいぞ! SHADOとウマカバイ! 短時間でよくぞ、そこまで突き詰めたものよ!」
「御意!」
陛下自身が提供したアテント鉱石が役に立って、ご満悦である。
「地球防御シールドNEW-BENZA2000基のうち1000基に、PSコンバーターを取り付け、霊子破壊ビーム砲に転用、
加えてマリアから進言のあった、女神ウィルマ教の祈りの波動である善なる霊子の波動を、富永ナイアに照射する攻防一体作戦を取る!」
「うむ、見事な作戦じゃが、NEW-BENZAが半数になってしまうが、その対応は考えておるのか?」
さすが軍事大国、 陛下の鋭い指摘だ。
「シールド用BENZAの出力を200%でオーバードライブして運用します。但し起動できる時間が30分に短縮してしまいますが」
「うーむ、ペテルギウスからの超強力宇宙線と太陽からのSUVが、30分で収まれば良いが・・それ以上続いたら、地球人類は滅亡する事になるのではないか?」
そこでゴーヤ・ウマカバイがすくっと起立した。
「陛下、予備プラズマ核電池を1000個用意出来れば良いのですが、残念ながら帝国にもSHADOにも、ストックがありません」
(おっ、ウマカバイ、長いセリフもらえたな)
「ふむ、そうであるか! しかし富永ナイア殲滅を疎かには出来ん、かと言って防御シールドの照射時間は削れない・・・どちらを選んでも人類は滅亡するぞ!」
もう我々は、考えられる事は全て考え出尽くした。
アセンション波は世界中に発信中
女神ウィルマ教は、世界に信者が溢れている
地球脱出艇も予定数の建造が終了し、各国大空港で待機中
同じく帝国、惑星連邦からの脱出用観光宇宙船団も空港で待機している
地球防御シールドNEW-BENZA 2000基は、衛星軌道上でBENZAカバーを閉じスタンバイOK
そこにPSコンバーターのダメ押しだ
「もはやこれ以上、打つ手はない!」
議長カロヤン大佐が決を採る。
「シールド起動時間が60分から30分になったが、もう時間がない。この作戦で決定したいが、異論はないか?」
SHADO頭脳集団も帝国も、これ以上の方法は導き出せなかった。
「うむ、無いようなら、対ペテルギウス大災禍、&対ナイアルラトホテップ作戦コードネームを発表する!」
「攻防一体作戦、その名は!」
ドラムロール!!
「"デッドOR アライブ作戦"を決行する!!」
(玉砕戦法かよ!)
SHADOの作戦は決定した。すぐさま1000基のPSコンバーター取り付け作業が始まった。
ここまで来れば、SHADOも帝国もXデー24日を待つのみとなる。
サイは投げられた。
勝つのは地球人類とSHADO暗黒帝国星系連合軍か、それとも破壊と混沌の邪神 ナイアルラトホテップか。
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しかし、W芽衣には不安があった。
「さっきさぁ、カロヤン大佐が私たちの事、裸眼VRか! って言ったわよね」
「考える事は同じ。あの事でしょ?」
「うん、ウィルマがいない現状では、人類の祈りのパワーが不足すると思うのよね」
「そう、そこ。ねぇ芽衣」
「なぁに、人妻芽衣?」
「もうすべき事はした。なら残る時間で私たちW芽衣が出来る事をしましょうよ!」
「そうね、分かったわ、すぐに取り掛かりましょう」




