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SF 正妻の座争奪戦争   作者: やまじじい
60/70

EP58 惨劇! 露天風呂8人殺人事件 *

挿絵(By みてみん)


 2023年11月24日


 ペテルギウス大災禍、太陽のSUVシンクロ放射まで残すところ1か月となった。


SHADO本部、日本と米国、中国での地球脱出艇建造は順調に進んでいる。

2021年5月8日の初陣以来、SHADO本部内で第三の暗殺事件はなかった。

 今日の大佐は、ハバナ産高級葉巻だ。

「ふぅ~、よくここまで無事にこれたものだ。また何らかの事態に巻き込まれるのではないかと恐れていたが、ありがたい事だ」


 地球防御シールドNEW BENZAは、アインシュタイン博士とニコラ・テスラ博士の踏ん張りにより、プラズマ核電池の容量アップで連続出力時間が60分に拡大した。


 その上、当初建造予定の1000基を、初陣時の反省と経験から2000基に変更、シールドカバー範囲も1基あたり200kmと完璧な仕上がりをみせた。


 暗黒帝国星系から提供を受けて完成した、超合金アテントが既に外販に装着され、2000基が地球衛星軌道上に配備展開してXデーに備えている。


無論、この時点でCOMETの改造も終わっており、NEW BENZAコントロール司令船COMET改が完成している。


「NEW BENZAとCOMET改があれば、これだけでも地球人類救済の一つが達成している。順調じゃないか!」


大佐もSHADOクルーも、Xデーが後1か月に迫っているとは言え、表情は明るい。


「大佐ぁ、私の女神ウィルマ教も布教活動は終了しています。世界中で私に祈りを捧げる思念をひしひしと感じる毎日で、私モヤモヤしているんですぅ」

 (生理か?)


「ソフィアの方も、テスラ・タワーからのアセンション波を世界中に送信しています。これでXデーによる人々の恐怖は、和らいでいるはずです」


 確かに地球人類滅亡のカウント・ダウンが始まっているというのに、世界は略奪やテロといったパニックが起きていなかった。


「うむ、女神ウィルマ教が、ペテルギウス大災禍に冷静に対応するように布教して来たからな、それにアセンション波の相乗効果と合わせて、人類の大パニックは避けられる事だろう」


ピン・ポン・パン・ポーン

「よぉ大佐、聞いているかい? 惑星連邦代議員たちの地球救済観光船団108隻が来たぜ、指示を頼む」


「儂の暗黒帝国からも、3,000人が乗れる恒星間観光宇宙船10隻が到着する。指示を頼むのじゃ」


「中国独自建造の素手等1000好は、予定通り50隻建造できたそうだ。その50隻は中国本土で活用してもらう計画だ。SHADOから指示はしない」


 SHADO本部が建造した脱出宇宙船50隻と、惑星連邦からの観光船団108隻、暗黒帝国からの観光船団10隻を、地球各国の主要都市にある国際空港に配備していく計画だ。


 大佐は以前計算した人数を確認する。

SHADOが建造するアンドロメダ300が、定員2000名で50隻


中国が建造する素手等1000好が、定員1000名で50隻


そして、暗黒帝国星系から3000人規模の観光宇宙船が10隻


惑星連邦代議員からの、1,000人が乗れる大観光宇宙船団から108隻


 合計288,000人・・・。


 俺たちの心配は、国際空港に係留している脱出宇宙船に、パニックになった地球人が我先に押し寄せる事だった。その予防処置はしてはいるのだが、やはり不安だ。


「基本的に誰が搭乗するのかは、その国の政府に判断を任せてある。SHADOが出来る事ではないからな」


 俺は、この選択は当初から論議されて来たのは知っている。SHADOの出した結論は分かるが、責任を各国に押し付けた丸投げとも思えた。



******

メーベ「ねえみんな、プロジェクトが一段落したから、久しぶりにSHADO大浴場にある女子専用露天風呂に行かない?」


彼女たちは風呂好きだ。その上、正妻候補者たちが揃って風呂に入る事はなかった。


「行きましょう、これまで色々あったけど、まだ休戦状態だしね」


露天風呂に出かけたのは、ステラ、メーベ、ホル・マリン、ウィルマ・ラミネート、北川ソフィア、パンツ王女、アビゲイル、シュミーズの8人。


SHADO温泉女風呂と書かれた暖簾を、キャイキャイと楽しそうにくぐって行く姿を俺は偶然目撃していた。

 女って湯舟でどんな話、してるんだろうな。


などと覗きたい野心を理性で必死に押さえつけて、自室に戻った。

元気だった息子が落ち着いた頃、俺は部屋のドアを開けた。


「あれ? 何でお前たち、一緒に露天風呂へ行かなかったの?」


俺の部屋で、マリアと天乃芽衣が難問を出し合って、頭脳合戦をしていた。


「ふ~ん、こんな低レベルの問題、小学生でも解けるじゃない」

「それがIQ250の限界なのよ。その解答は一つじゃないわ」


なんだ? とても理解出来ない数式が飛び交っている。俺これでも会社では天才プログラマーと言われてたんだが・・・自信なくなった。


 俺は、二人のクイズ合戦をベッドに寝転んで見ていた。

「ふぁ~、俺もう寝るわ。お前たちを見ていたら頭痛がしてきた」


眠りに落ちようとしていた俺の目に


 ピン!


 またマリアの目が、大きく見開かれたのを見た!

俺はこれには見覚えがあった。あの太陽からのSUVの予兆を察知した時と同じだ。


「ご主人様! 大変です! 露天風呂に行った彼女たち8人が、全員・・・亡くなり・・・ました」


 俺とマリア、天乃芽衣が保健室に急行した。


保健室では8人の遺体を前に、ピーマン医師が検視をしている。


「露天風呂の湯に即効性の毒が仕込んでありました。皮膚から吸収されて、即座に窒息死させる猛毒です」


 なんてこった! 油断し過ぎていた。俺はその場で大声を上げながら泣き崩れた。

 「くっ、ス、ステラァ、メーベェェ、ホォル、ウィルマァァ、ソフィアンンン、パンツ王女ぅぅぅ、アビィィィ、シュミーズぅぅ・・・」


マリアと芽衣もこの悲惨な光景を前に、肩を抱き合って号泣していた。


 ピーマン医師も涙を吹き払いながら、

「例の暗殺犯が手段を選ばず、毒による大量殺人に切り替えたと思います」


「マリア、お前が無事で良かった! すぐに彼女たちの魂を確保してくれ! 早く!」


「8人同時は厄介なのよ! 」

「マリア、私も手を貸すから! そのソウルバキューム装置ね、私が4人を受け持つから、慎重にいきましょう!」


「ありがとう芽衣 ! 助かる」


二人の共同作業で無事8人の魂が、銀色に輝くカプセルに納められた。

俺はそのカプセルを、霊安室のリサ、ミューの隣に並べた。


「これで10人・・・。畜生!!」


大佐も保健室にやって来た。

「なんという事だ! 大切なメンバーが8人同時とは!」


 Xデーに向けて貴重な戦力を失ってしまったのだ。


「大佐、来月のペテルギウス大災禍、マリアが亡きアビゲイルに代わってCOMETに搭乗します!。SHADOクルーは全員無事、指令室は天乃芽衣とAIマリアが共同で支援できるから!」


「そうですよ大佐、私のIQ250、存分に役立てて見せますから。それに関野芽衣をSHADO本部に連れてきますから、戦力不足をカバーできます!」


「兎に角、暗黒帝国星系国王に、パンツ王女の訃報を知らせねばなるまい。国王が激怒するのは目に見えている・・・どうしたものか」


 まだ望みが絶たれた訳ではない。只、絶望的な敗北感が俺の戦意を消し去った。


項垂れる俺にマリアと芽衣のビンタが炸裂した。

 パン パン!

「そうしてれば8人が生き返ると思っているの?!」

「地球人類滅亡を防げるキーマンは、あなただけなのよ!」


情けないが、俺は黙って二人のビンタを受け入れる。

「二人とも、もうその位にしてやれ。今のタケシは抜け殻だ」


「でも大佐ぁ・・・」

 ヒック、ヒック


『この事態に冷静になれと言うのは無理だろう。今は少し時間が必要だ』

 それから大佐とピーマン医師が席を外す。


 別室に移動した大佐とピーマン医師が、顔を見合わせて頷き合った。


**********


2023年11月27日


 SHADO監視レーダーに艦影!

クルーが叫ぶ。

「マリア、機体照合!」

「はい直ちに」


「暗黒帝国星系国王旗艦" キング・ノジャロゥリ"です!」


「ついに来たか! 暗黒帝国国王、ノーブル・〇ミエールⅣ世!」


*また餌がきたね。

*どの道始末するつもりだったからな、丁度よい。

*地球人類を消し去ってから、惑星連邦と国王を失った暗黒帝国星系を潰すのは簡単だからな。

* ケケ、これで魂は何個食えるんだ?

*意地汚いわよ~。


*でもさぁ、決戦前に主要キャラ殺しちゃってさぁ、大丈夫なの?

*地球人類側の防衛システムは完成している。問題はない。

*残った戦力で、救世主がどう足掻くのか、楽しませてもらおうじゃないか。




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