EP43 燃える闘魂 地球救済最優先! 休戦協定締結 *
正妻候補者たちを描いてみました。
パンツ王女、ミュー、マリアはいません。
アビゲイルがいますが、ストーリーに絡んでくる予定です。
アビゲイル 関野芽衣 ディープ・グラス ステラ メーベ ホル・マリン ソフィア
2021年3月3日 午前9時 桃の節句
昨日パンツ王女と、ディープ・グラスが突然部屋に押しかけ、あれからずっと俺の部屋に居座っている。
お陰で俺は全く眠れなかった。へたに眠ると二人に襲われるからだ。
世間の非モテ男性諸氏には、両手に花の垂涎の状況なのだが、輸血で体力を消耗している上に、睡眠不足が重なり俺はダウン寸前なのだ。
その頃、朝食時間になっても社員食堂に二人が来ない理由を、他の正妻候補者たちの女レーダーがいち早く察知、案の定、二人が抜け駆けしてご主人様の部屋にいるのを目撃した。
「ぐぬぬ、なんという破廉恥な事を、正妻候補者の暗黙のルールを破って、ご主人様の部屋で一晩! あんたたち、まさか、あんな事とかそんな事してないわよね!」
ステラは完全復活し、強気な語気も戻っている。
『元気になって良かったよ、ステラ』
「いえ、それはとんでも無い誤解、六回ですわ、ねぇパンツ王女様、私たちは輸血でお疲れになっているご主人様の介抱をしていただけですのに」
しなしなと俺の息子に手を伸ばそうとするディープ・グラス。
「うむ、ディープ・グラスの言うとおりじゃ、決してヌカロクなどしておらんからな」
おっと、王女たちの本音が見えてしまった。
「「「やっぱり!!! あなたたちって!!! それが目的で!!!六回も」」」
否、一発もしてないから。
怒り心頭の候補者たちが騒ぎ出していると、スルスルとミュー、その後ろにミス銀河のクローン・ボディに転移したマリアが入ってきた。
皆の視線が、マリアに集まる。
「お初にお目に掛かります。ご主人様、私はこの度、ミス銀河に転移しました元AI マリアでございます。うふっ、私のダ・ン・ナ様♡
瞬間、俺の部屋に絶対零度の風が吹く。ヒョォォォォォ
俺は指折り数える。
ステラ、メーベ、ソフィア、関野芽衣、ホル・マリン、パンツ王女、ディープ・グラス、ミュー、そして今度はマリアが! 一人増殖して9人!!
「ぎゃーぁぁぁ!」
本当に限界の最低の最低の朝だった。余りのショックで俺は貧血を起こし、ベッドに倒れ込んでそのまま身動きできなくなった。
「くっ! こんな糞マリアなんぞの事より、ご主人様を保健室に運ぶのじゃ! 急ぐのじゃ!」
珍しく王女が指図しているが誰も文句は言わない。
えっほ、えっほと担がれ、俺は保健室へと運ばれていく。
しかしマリアは勘違いしているようだ。
「むふふふ、やはりこのミス銀河の魅力に気を失われたのね。もうマリアが勝利したも同然! 有象無象の候補者など、最初っからラバーズ・キラーを盛るまでもなかったのよ」
勝ち誇っていると、実況富永審判員がマイクを持って現れた。
「マリア選手がレースに参加する事になりましたね。マリア選手、今のお気持ちは?」
「むふっ、今のご主人様を見てなかったの? マリアの完全勝利! 私はご主人様の愛を勝ちとったのよ! 」
状況を理解していないマリアに、忠告の意味を含めて
「正妻のザ・ゲームの優勝者が正式な妻の最有力候補となります。その点もお忘れなく」
意味深なレポートが終わり、富永審判員が消える。
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運び込まれた保健室には、カロヤン大佐外アインシュタイン博士たち、小型司令船" COMET担当アビゲイルまでもが集まって来た。
「具合は?」
短く聞く大佐にピーマン医師が容体を説明する。
「今は昏睡状態です。不足している血液を輸血すれば、2、3日で回復すると思います」
「うむ、分かった。後はよろしく頼む」と大佐が部屋を退出しようとした時、俺はうわごとを喋った。
「み、みんな・・ 地球を救ってくれ・・・それが・・大事だ。お前たちが頼りな・・・頼む・・・力を・・貸して・・・」
俺は最後の言葉を残して深い眠りについた。
「「「「「びぇ~ん、ご、ご主人様ぁぁぁ、お気を確かに」」」」」
「これこれ、今のはうわごとだ」
ピーマン医師が窘めるが、彼女たちは泣き止まない。
「聞いたかお前たち。タケシは、自分の事よりも任務遂行を常に考えておる! 恋愛ゲームは悪くはない。しかし、何を今すべきか、そこをよ~く考えて欲しい」
大佐はそう言い残して部屋から立ち去った。
「くっ、その通りじゃ、儂はこれから暗黒帝国星系に戻る! そして最良の結果を出してくる。皆の者、勝負は地球人類救済の後じゃ! それまでは休戦じゃ、異論はないな!」
パンツ王女、お前の一言はポイント高いぞ。そして見直したよ。皆の闘志に火をつけた。
燃える闘魂 アンモニアエノキ状態にしてくれて、ありがとう。
「連邦アセンション推奨団体 技術者 ホル・マリンも行きます! 惑星連邦の代議員に直接掛け合い、できる最善の方法を勝ち取って来ます!!」
と懐からデジカメを取り出し、昏睡状態の俺を連写している。
「地球の窮地です。ご主人様をブロマイドやポスターにして、売って、売って売り歩くのです」ちなみに直筆さいんは、私が捏造しますが・・・
「私ウィルマも行きます! この体がボロボロになるまで、ウィルマ教布教活動に専念します!」
「タケシがいない間は、俺が代わろう」
代行を宣言したのは富永審判員だった。みんなやる気だ。
「う~~ん! アセンション計画も後わずかで軌道に乗ります。ソフィアも今まで以上にふんばりますから!」
そうリキまなくていいぞ、ソフィア。美人が実まで出したら俺は萎えるから。
すると、話を黙って聞いていたアビゲイルがある提案をする。
「タケシさんが、今回のようにいつ体調を崩すか分かりません。それで現在の小型司令船COMETを設計変更し、単座から複座に変更したいと具申します」
(複座とは戦闘機は前後にパイロットが乗る設計だが、アビゲイルが考えているのはベンチ式だ。つまりラブチェアー。彼女はそんな仕様変更だとは教えるつもりはない)
しかし、疑問が残る。アビゲイルは地球人。その彼女がなぜベンチ式にこだわっているのか・・・秘密がありそうだ。
「それは、万一の場合に備えて副操縦士を乗せるという事?」
ピーマン医師もその意見には賛成のようだ。
せっかくの地球救済計画が、タケシの体調不良で地球を救えなかった、では後悔してもし切れない。
「そうね、その方がベストね。みんな文句ないわね」
ステラが代表して念を押す。
「それで、肝心のその副操縦士は誰が?」
「はい、私、アビゲイルが責任を持って遂行します!」
アビゲイルは地球人だ。TOKIMEKI遺伝子は持っていない。それを承知の彼女たちからは、特に反論は出ない。
「ま、地球人のアビゲイルなら問題は無いでしょ。他の人なら絶対に許さないんだけど」
『ステラの意見に皆がうんうんと頷いている。そんなに副操縦士がしたかったのか?お前たちは』
ステラをはじめ、候補者たちは気がつかない。アビゲイルの作業着に隠れて見えない左腕に貼られたガーゼに。
そしてパンツ王女が故郷暗黒帝国星系に旅立ち、ホル・マリンも俺の生写真を持って惑星連邦に向かった。
そこへマリアがゾンビのようにカタン、コトンと足を引きずるように現れた。
「血、血が欲しEEE」
「なに??! マリアが吸血鬼になったの?それともクローン・ボディへの転移が失敗したの?」
マリアの目が死んでいる。やはり吸血ゾンビ化している!
「違うのよ、私だけご主人様の輸血、してもらってないの!」
「この状態のご主人様から輸血だなんて、あんたマリア最低ね!!」
彼女たち怒りは尤もだ。せっかく地球救済の意思が固まってきたのに、マリアのせいでぶち壊しだよ。これはマイナス10ポイント決定だ。心の閻魔帳に記録しておこう。
諦め切れないマリアが保健室の前を幽霊のように徘徊して離れない。
「血ぃ、血ぃ、血が欲しEEEEEEE」
「みんな、これは危険だわ。今日から交代で保健室をガードするわよ!」
「OK ステラ賛成よ」
ご主人様を守る為なら、なんでもする彼女たち。うーん、俺って全く魅力はないのだ。モテているのは全てTOKIMEKI遺伝子のせい。
昏睡状態の俺だが、声だけは伝わっている。
「交代だなんて言わないで、残ったステラ、メーベ、ソフィア、関野芽衣、ウィルマの5人で見張りましょ」
ああ、ミューはマリアの手下みたいなものだからな、除外されてんだ。
この後3日間、俺は眠り続けたが、その間5人は看病をしながら、それぞれの任務を精力的に取り組んでくれた。感謝する。
ミューは焦った。吸血ゾンビマリアにくっついていては、ポイントを稼げない。そこで脱マリアを誓い、自分独自で出来る事をやろうと決意する。
「私の得意とするのは諜報破壊活動。これをフルに活用すれば・・・」
ムラムラと闘志が沸いてきた。
ミューも燃える闘魂、アンモニアエノキと化した。
恐るべし愛の力。女の執念は岩をも砕く! その調子で地球を救ってくれ。
俺は眠りながら、ミューの健闘を祈るのだった。
読んでいただいてる読者様、ありがとうございます。
回らない頭を酒の力で回して書いています。
イラストは表現力のなさを、絵で補なっているつもりです。また、イラストもうまくなりたいので、毎日描くようにしています。
読者様には邪魔でうっとおしいかもしれませんが、ご容赦ください。
ご意見、ご感想をお待ちしています。




