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SF 正妻の座争奪戦争   作者: やまじじい
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EP42 AIマリアの誤算 愛の奇跡アンチ・ラバーズ・キラー出現!

「アンチ・ラバーズ・キラー! これはまずい事になったわ。こうなれば、ミス銀河のこの美貌とナイスバイン・バインでご主人様を落とす! この作戦でいくわ! マリア、あなたは出来る子よ。必ずご主人様の愛を勝ち取るの!」


 2020年2月21日


 正妻候補者たちへの輸血は、ミューを除いて終了した。

人間は血液の半分を失うと失血死するというが、俺の体重から計算すると、総血液量は5リットルある。1リットルなら問題なさそうだ。


 しかしステラに輸血したせいで、大変な目にあったものだ。

その後の彼女たちを見ると、なんと肌がツヤツヤして、色気オーラが増している。俺の血でホルモンの流れが活性化したのだろうか。


 つくづく女とは不思議な生き物だと思う。

よく結婚前の女性とか、恋する女性はとても艶っぽくなる。結婚してしまえばそれは続かず消滅する、女性特有のホルモンの成せる現象だ。


 あれから40年とは、よく言ったものだ。あの美しくも妖艶な輝きは、♂を惑わす♀の一時的なスキルなんだと思う。

昔から男はそれに騙され続け、いつも自ら進んで火に飛び込む哀れな虫なんだなと。

 女の顔、美しさは請求書だという。しかし俺の解釈は少し違うな。

「女の美しさは虫取り網」

我ながら迷言だと思ってきた。


 独身とは、案外幸せな事なのかも知れない。

「喧嘩もしなくていいし、金は自分のために使える・・ずっと独身貴族、それもいいか」と思ってこの歳になった。


 しかし、地球の危機を迎えている時に、最近の俺は結婚願望がある。救世主として任務の重さを感じているせいなのか、独身の寂しさ故なのか、妙な事になったものだ。


 それに、以前落ち込でいたホル・マリンに適当に言った自分の言葉。

「女の美しさとは顔じゃない。内面の美しさにあると思う」と言ったあのキザなセリフが、段々と理解できるようになった。


 人を好きになるのも、地球を救うのも、動機は同じではないのか?

大切にしたい人と出会う、逆に大切なものを失いたく無い・・・これが愛という感情なのか。


 あの事件以来、俺はステラの事が気になるようになった。彼女の純粋さに惹かれたのかも知れない。

純粋すぎて、とんでもない行動をするところが可愛いのだ。

ひょっとしたら、俺の正妻はXXXかな? まだわからない。


**********

2020年3月2日 


 前日に、ミューの外出禁止令が解け、AIマリアは早速クローンボディへの転移を手伝わせた。

 ミス銀河のクローンボディへの転移は、AIマリアが開発した"コア孔明"の出来が素晴らしく、見事転移に成功したのだった。


 転移が成功し、喜びを分かち合いながら、ミューと二人がまったりとしている時、クローンマリアにとって、なんでも無い会話のつもりでミューにあの話をした。


「ミュー、あなたが外出禁止令中に、面白い事があったのよ。実はねコレコレシカジカで」

と、輸血の話をしてしまったのだ。


 それを聞いたミューの顔色が急変したのは想定外。

ミューは保健室に飛び込み、ピーマン医師に輸血を懇願したのだった。


「ご主人様、ひどいです! 私だけハチにしてこのような暴挙、許せません! ミューにはご褒美として200cc頂戴いたしますから!」

ピーマン医師も俺も、ミューの怒りを鎮める事は出来なかった。


「これで1200cc、まだ失血死までは余裕があるが、厳しいよな」

愚痴を言っても始まらない。だが、あの時ステラの為に輸血して助けたいと思ったのは、偽りのない俺の気持ちだったのだから。


 一方、クローンボディに転移したマリアだが、ラバーズ・キラーをミューと共謀して、正妻候補者たちに一服盛る計画のため、まだAIマリアとして惚け続けるつもりだ。

 クローンボディで正体を現すのは、事が終わって全ての候補者がボケババアになってからなのだ。


『残るはステラ、メーベ、ソフィア、関野芽衣、ホル、ふふふ、そしてミューを始末すれば、ご主人様の愛は、マリア一人のもの、くくく』


 そんな捕らぬ狸の皮算用が、意外な所から破れた。

俺の血液だ。

 俺の血を輸血したパンツ王女とディープ・グラスに異変が現れた。


 自販機コーナーの特設ガールズ・トーク席の二人に、突然稲妻が落ちた。

ビリビリと痙攣するように、二人がもんどり打った。


「はぁー、はぁー、儂は、儂はいったいどうしたと言うのじゃ。ずっとご主人様の事を忘れて、今まで何を呆けていたのじゃ!!」


「あふ~ん、あふ~ん、私、ご主人様にフンスカしたぁい~! 私の生きるエネルギー源は、あのかほり! 私、今までどうやって生きていたのかしら」


「こうしてはおれん、ディープ・グラス、突撃じゃ! ご主人様の部屋へ!!」

「当然ですわ! 私、今までのこの想いをぶつけて、抜かずの6発を頂くつもりですから!!」


「ヌカロクとはなんと小癪な! お前とはこれからは、敵じゃ! よいな!」

「望む所ですわ!」


 ズドドドと土煙を上げて二人が駆ける。愛するご主人様の部屋へと。


 ディープ・グラスに抜かずの6発もくれたなら、血を抜かれてふらふらしている今のタケシは間違いなく死ねるだろう。


 その様子をモニターしていたマリアが驚く。

「ど、どう言う事なの! ラバーズ・キラーが効いていない!?」


 ピーマン医師が候補者たちのの血を採血していた事を思い出し、急いで保健室から血液サンプルを盗んで、分析した。


 SHADO高性能分析装置にかけると、ご主人様の顔をした細胞が、ニヤニヤしながらラバーズ・キラーワクチンを追い回して吸収していた。

吸収というより、一発やっているように見える。

更にやり終えるとTOKIMEKI遺伝子が修復されていく。そのスピードの速さは圧倒的だ。


 「なんと面妖な! まずい! これは、アンチ・ラバーズ・キラー細胞!! ご主人様の血には愛を植え付ける力がある! くっ、これでは私とご主人様が結ばれる夢が、夢がぁぁぁ!!」


 計画が破綻する未来を予見したのか、頭を抱えて床を転がるクローンボディ・マリアだった。


「むぅ、計画は見直しね。こうなったら、このミス銀河のクローン・ボディでご主人様をメロメロに篭絡するしかないわ! ディープ・グラスなんて目じゃない! 私こそ最高のいい女! これは宇宙の定めなの!」


 なかなかの決意だが、それも捕らぬ狸の皮算用かもしれない。人生とはハプニングの連続なのだから。俺がそうであるように。


 こうして、マリアが開発したラバーズ・キラーは、完全に血液から消滅した。

お盆やら暑さで更新が遅れました。

なかなか更新できませんが、よろしくお付き合いのほどをお願いします。

朝確認したら、貴重な一票のブックマークを頂きました。本当にありがとうございました。とても励みになります。

 今日はいつもより気分よくキーボードが叩けます。

また、ご意見、ご感想をお待ちしています。

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