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SF 正妻の座争奪戦争   作者: やまじじい
42/70

EP41 SHADO保健室で起きた恐怖の輸血騒動

2020年2月19日(金) 午前6時

SHADO本部内保健室


「ステラは、甲板上で発見されてから丸一日眠っている」

俺はステラが保健室に運び込まれてから、夜中であろうが早朝でも、保健室に足を運び、ステラの手を握ってやるのだった。


「ピーマン医師、ステラの具合は?」


 朝の6時といえば、まだSHADOクルーの姿は疎ら。

夜明けのコーヒーを準備していたのはピーマン医師。


「早いですね、関野さん。でも、そんなに心配しなくても大丈夫ですから。バニースーツを徹夜で作った睡眠不足と、急激な血圧上昇で大量出血し、貧血を起こしただけです。不足した血液は輸血していますから」


 ピーマン医師が失われた血を輸血するため、血液型を調べると俺と同じO型だった。O型は誰にでも輸血できる。


 ステラが保健室に運び込まれた時、俺は迷わず自分の血を輸血してくれと、ピーマン医師に懇願したのだった。


「責任は俺にあるからな、今俺に出来ることはこれくらいだ。ステラ早く目を開けてくれ」

 治癒魔法では怪我や病気は治せても、失われた血液の補充はできない。


 すると面会時間では無いのに、他の正妻候補者が、わらわらと保健室に入って来た。

「ステラは大丈夫なの?ご主人様」


 目敏く俺がステラの手を握っているのを見て、メーベの顔に縦線が入る。

 むぐぅ!!

 他の候補者も同様に縦線が入ったが、今日ばかりは怒りの矛先を収めてくれた。


 ベッドの周りが賑やかになったせいか、ステラの目がゆっくりと開いた。

「ここは・・・」

 蜂蜜色の瞳が潤んで視線がさ迷っている。


「・・・ステラ、おはよう・・・」

目の腫れがすっかり収まり、いつもの美しいステラに戻っていた。

ドキっとしながらも、寝顔も美しいなと俺は思う。


しばらくボーっとしていたステラだが、敬愛するご主人様に手を握られ、瞳を覗き込まれている事に呼吸を忘れた。


顔が近い!! キッス射程圏内、あと1秒。


「はうっ ご、ご主人様ぁぁ!」

また鼻血でも出されると困るので、頭をよしよしして、落ち着かせてやる。

「どう どう どう」

 人間も馬も同じ扱いでいいのか俺。


 はひーはひー

過呼吸を起こされては大変だ、更によし、どう、よし、どうどう。

 逆効果だろ、それ。ピーマン医師が呟く。


 くっー、くぁー、いやぁー、やめてー、そんなぁー、なんとぉぉ!。

叫びと絶叫が周りの正妻候補者から上がった。


「「「もうダメ!、もう辛抱たまりません! これ以上は生理的に許せません!!ステラあなた、本当は起きてたんじゃないの?! 狸寝入りしていれば、ご主人様にあんな事やこんな羨ましい事をしてもらえると思って。この策士!!」」」


キィィィっ!!

メーベも他の候補者たちも、これ以上の超羨ましい暴挙が許せない。


 ラバーズ・キラーでボケババァになっている、パンツ王女とディープ・グラスも同席していたが、どう反応したらいいのか困っているようだ。

勿論AIマリアは24時間、何時でもモニターしている。


「のうディープ・グラス、儂もムラムラはするのじゃが、何かに抑え込まれている感じがしてのう」


「私もです。こう届きそうで届かない、目の前に美味しいストロベリーケーキがあるのに食べられないというか。何ですのこれ」


 もうすぐこのムラムラがウイルスのように拡大していく事は、俺とAIマリア、ミューだけが知っている。


「落ち着けみんな!、ステラは大金星を挙げてくれたんだぞ」


それを聞いたステラが、まだはっきりしない頭で記憶を辿る。

「私、何かしたの?」


「ステラ、大手柄だよ。あの周主席をお前が手懐けた上に、中国独自の脱出艇建造までさせる事に成功したんだ! でかしたぞステラ!」


 またまた、頭をわしゃわしゃしてやる。

 (それ以上やるな、ステラがスライムに成りかけているぞ。俺の心が警告アラームを出す)


 真相は、周主席が勝手にステラに惚れただけなのだが、ここは黙っておくが吉。


「それにな、富永審判長がお前の今回の貢献に、10ポイントくれたんだ。これで正妻のザ・ゲームは、ステラ、お前がトップだよ!」


「「「げぇぇぇぇ!!!」」」外野がハモって卒倒しそうだ。


 ステラの頭の中で断片的だったピースが繋がる。


「ご主人様があれから私の手を握って介抱してくれた。それだけでもお腹一杯なのに、私の体の中にご主人様のLOVE血液が流れているなんて! くぅ~~ それに10ポイントゲットで、正妻のザ・ゲームがトップ独走! そしてわしゃわしゃ2連発! 私って超イケてるぅぅぅ」


 確かにステラだけ、丸儲けという気はするな。


「「何が2連発よ!! 私が2連発されたいのに!!」」

「わ、私は3連発がいいわ!!」

「なんと小癪な! 私は4連発を所望します!」


『そんなに何発も・・・俺をミイラにする気か! この嫁候補者め!』


 この後俺は別件でミイラになりそうになった。


******

「ぐっ 知りませんでした! オヨヨヨヨ」

暫定トップのクローン関野芽衣がその場で泣き崩れる。


「ご主人様から手厚い看護と輸血、それに10ポイントに更に怒涛の抜かずの2漣発!!」

 芽衣、意味が違うからな、そこんとこ。


「貢献度は棚ボタ偶然でしょ!、鼻血でステラが飛んでいってから、私たち3人で接待してたのよ、もう大変だったんだから! 私たちもポイント獲得の権利を主張しますわ!」


「ステラだけご主人様の高貴なLOVE血液注入、断じて見過ごせません! ここは公平に全員に輸血してもらいますから !皆さん 反対意見はありませんね!」

パンツ王女とディープ・グラスは、流れに逆らうことが出来ずに同意。


 このままでは収拾がつかないからとピーマン医師の助言があり、正妻候補者全員に、少量の輸血をすることになった。

ステラは400ccだったが、ピーマン医師も俺の健康を考えて100ccと言ってくれた。

『一人400ccなど、俺がミイラになって死んでしまうわ!!』


ここに隔離政策中のミューがいないだけ、100cc分俺は助かった。

 ステラに400cc

メーベ、ソフィア、ホル、パンツ王女、ディープ・グラス、芽衣にそれぞれ100cc で600cc 計1リットルだ。


「ピーマン医師、合計1リットルだよ、俺貧血で死なない?」

「ちょびっと不安な面もあるが、気楽にいこうぜ勇者!」


「何でそこだけ言い方が変わるんだよ! さては自信がないんだろ!」

 口笛を吹きながら顔を逸らすピーマン。


 そこに、またまた突然出現した富永審判長が、彼女たちの言い分を認め、3人に1ポイントずつ与えることにした。

 『富永さん、あんたいつもどこにいるの?』

 俺の素朴な疑問だ。


 保健室はなんとか落ち着きを取り戻し、通常の日常が始まる。

ピーマン医師はこの機会を利用し、彼女たちの血液を採血することにした。

今回を教訓に、今後突然の事態に備えるためだ。



 正妻候補者たちに輸血した俺の血、救世主であり勇者の血が特別だと分かるのは、また後の話。


******



2021年2月15日(月)

 

 アンドロメダ300の設計図が電送され、建造資材が一週間後に各造船所に輸送された。

2021年2月23日(火)

 各造船所で、地球人類希望の船アンドロメダ300の建造が始まる。

 女神ウィルマ教信者は、それを"ノアの箱舟"と呼び、やがて世界中の人々からも、そう呼ばれ定着した。

2021年2月17日(水)

 サミット開催、ステラが中国を篭絡して作戦大成功。


2021年3月1日(月)

AIマリア用コア"孔明" 完成。


2021年3月2日(火)

マリアがコア"孔明"により人化に成功。


以後、ミューと共謀し候補者たちにラバーズ・キラーを一服盛る行動を開始する。

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