EP32 初版 正妻候補者たちの閻魔帳
2021年1月7日(木)
今年初の偽女神で地球を救え作戦を終えて、本部に帰った関野武。
降臨先では、ニューイヤーに女神様が降臨したとあって、それはそれは人々の喜びと興奮がスペシャルMAXだった。
その国の一流紙から、怪しげな手製ガリ版刷り新聞にまで掲載され、号外が増刷してもし切れないほどの人気だった。
ヘッドラインは、"女神様に選ばれた我が祖国"と、自分の国が一番愛されていると主張する紙面づくりだ。
次第に女神様降臨の聖地争いまで発展し、世界はてんやわんやの大騒動。
まぁ、女神ウィルマ教が世界中に広がり、成果を上げている。実に喜ばしいことだ。
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「はぁ、今日もウィルマは絶好調だったな、仕事が終わると帰還途中のUFOの中で、べったりと俺に吸い付いて離れないのは、参るよな」
SHADOのウィルマファンが聞いたら、間違いなく関野は闇討ちに合う発言だ。
「しかし、俺の意志とは無関係に正妻候補者が増えていくってどうよ。しかも、富永が勝手に考案した"人生すごろく 正妻のザ・ゲーム"のゴール商品が、俺と3発4日の新婚旅行ときたもんだ。俺だって好きな人と行きたいのに」
ふと、あれ? 俺は誰が好きなんだろうと疑問に思う。
「みんなそれぞれ個性があるな、どれ、ちょっと採点してみるか暇だし」
軽い気持ちでメモ帳を取り出し、候補者たちを採点してみる。これが後に血の雨と嵐を呼ぶことになろうとは、今の関野には分からなかった。
エントリーナンバー1番 長い付き合いのマゴロクはと、
容姿は小さくてかわいい。猫だが。俺はマゴロクに毎日癒されていた。仕事から帰って、風呂あがりにビールを飲みながら、マゴロクをモフっている時が最高に幸せだったよな。ドアを開けるとチョコンと座って俺を待っている、あの可愛らしさといったら、間違いなく100点だ。
だが、猫だ。猫故の100点だ。
元はミューという人間だったというが、人間だったらどんな点数になったんだろうな。
ということで、ミューの採点は
測定不能だ。
エントリーナンバー2番 3年の付き合いがある、但し会社でだ。北川ソフィア。
うーむ、謎の悩殺スキル持ちで、俺は男子社員からいつも目の敵にされていた。ソフィアとは純粋に仕事仲間と認識していたんだが、俺が死んで課長との会話の中で、何故かムカついたんだよな。
俺はソフィアを好き? 愛? いったいどういう感情だったんだろう。少なくとも友人以上の感情はあったと思う。それにソフィアは性格が穏やかで、他人に迷惑をかけることも無し。チーム内でもうまくやれた。
外見は秋葉系スーパーアイドルでスタイルも良し。ポイントは高いな。
特に欠点もない。
気になる採点は、総合評価95点だ。いきなり高得点だな。
エントリーナンバー3番 UCAステラ
ステラかぁ 初めて会った時は美人でグラマー、段々と超ミニスカになって目のやり場には困らなかった。
俺に良くしてくれたのは理解しているが、いたるところで過激な言動が目立つ。本性があれだと評価ポイントが低くなるけど、基本悪い女性じゃない。一途な女なんだろうな。まだ確定ではないが、
採点は75点だ。
エントリーナンバー4番 UCAメーベ
メーベちゃんは良識がある。いつもステラに虐められているのを見かけたな。
初めてメーベに会ったのは、俺がUFOに拉致された時だった。腹が減って課長に飯を要求した時、あの焼きそばを運んで来てくれた。
あの時は、確かにびっくりして目を奪われた。美人だしスタイルがいいし、ミニスカ・ブーツだったし、メーベちゃんにときめいたのを覚えている。
その後も性格に変化はなく、正直なところ良い女性だ。
採点は85点。
エントリーナンバー5番 ホル・マリン
彼女は健気だよ。自分を良く知っている。他の候補者と自分を比較して、劣等感を持っているんだよな。俺はそんなホルがかわいいと思って、つい本音で話した。人間は、見かけじゃない、中身だって。それからホルはがんばっていた。好感度は高い。
採点は80点だ。
エントリーナンバー6番 暗黒帝国星系 パンツ王女
いつも周りをかき回す我が侭なやつ。見ている分には面白いが、地球を滅ぼそうとした凶悪なやつだ。それにミューを猫に変えた外道。
見た目はまあまあだが、根性が腐っている。
採点は15点だ。
エントリーナンバー7番 ディープ・グラス ウィルマ
最近彼女と出かけると疲れるんだよな、やたらベタベタされてさぁ。
そりゃ見かけは女神だよ。誰だって騙されるわな、あの美貌なら。しかし現実を知るとへこむわー。眼鏡を取り上げても、フンスカフンスカと匂いを追って俺に抱きついてくるんだよ、UFOの中では逃げ切れんわ。え?贅沢だってか、基本性格は普通だと思うよ。しかし良く言うでしょ、美人は3日で飽きるって。そう、そんな感じなんだよな、ウィルマって。
仕事はうまくやってくれるので、評価し難いんだが、ここは
採点は75点だ。
エントリーナンバー8番 クローン関野芽衣
IQ250で本体は弟 蓮の嫁さん。どう採点したらいいか悩むんだよね。
芽衣さんとは親族な訳じゃん、そんな付き合いをして来た人だよ、それがTOKIMEKI遺伝子の影響でアレ状態。悩むわー。
良妻賢母で超美人、グラビアアイドルなんか、お呼びで無い芽衣さんは、本来なら高ポイントなんだが。
採点は80点にしておこう。
これで全員の採点が終わったな。えーと
1位 95点 北川ソフィア
2位 85点 UCAメーベちゃん
3位 80点 ホル・マリン
80点 クローン関野芽衣
4位 75点 UCA ステラ
ディープ・グラス ウィルマ
5位 15点 暗黒帝国星系 パンツ王女
6位 測定不能 ミュー
大体こんな結果か、パンツは妥当な採点だな。しかしミューが人化したら、採点が変動してくる。それはそれで楽しみだなっと。
気楽な気持ちでメモ帳をテーブルに置く。
こんなものを書かなければ良かったと、後日物凄くに後悔することになる俺だった。
案の定、俺の部屋の入室許可証(顔パス)を持つミューが、このメモ帳を偶然見てしまい、砂上の楼閣同盟のパンツに見せてしまったのだ。
なんて事を仕出かしたんだミュー!
これを見たパンツ王女は三日三晩泣き崩れ、飲める酒に走り、ある決断をしたという。それはミューにも教えなかった。
出番のなかった001関野君の話です。
恋の話は難しいです。なにしろ遠い昔の事で、私もあれから40年世代です。




