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SF 正妻の座争奪戦争   作者: やまじじい
29/70

EP29 嵐を呼ぶ人生すごろく 正妻のザ・ゲーム②

2021年1月4日現在

新年最初の正妻の座を争う、すごろくゲームが開催された。

本格的に、すごろく同様サイコロの目で戦うのだ。

1位 16P ミュー

2位  6P 関野芽衣

3位  3p 北川ソフィア

4位  2p ステラ 

     メーベ 

     暗黒帝国王女パンツ  ディープ・グラス

5位 振り出し 0p ホル・マリン


「現在8名のポジションは、モニターをご覧下さい。ポイント一位を独走するのは、猫のミュー選手、続いて昨日6ポイントを叩き出したルーキー、関野芽衣選手が続いているぅ。後はほぼ団子状態だぁ」


「今日も実況は、私富永審判員が解説してまいります」


SHADO本部内では、娯楽が少ないため、この正妻のザ・ゲームが過熱し、クルーたちがお目当ての選手に大金を投じてレースに注目していた。

ちなみに、SHADO本部内では、惑星連邦通貨単位、ガバチョと日本円が使用できる。1円=1G(ガバチョ)と分かりやすい。


勿論、胴元はお馴染みの課長ではない、カロヤン大佐だ。


 ポジション争いの順位とは別に、人気投票を見ると

1位 ディープ・グラス

2位 北川ソフィア

3位 ホル・マリン

4位 関野芽衣

5位 メーベ

6位 ステラ

7位 ミュー

8位 パンツ


という結果になった。選手の性格が割と評価された順位ではなかろうか。

まあディープ・グラスは、見た目だけで人気を獲得して得をしているが。


 しかし、この結果に激怒する選手が二人。

ご存知、既に正妻候補から脱落候補に数えられているステラとパンツだ。


「ちよっと、これどういう事? この美人でスタイルがグンバツの私が6位、下位組とは、このモニター壊れているんじゃないの!審判!」


「儂も同意じゃ、暗黒帝国星系の美女と誉れ高い儂が、ドベとは解せん! しかも猫のミュー以下とは、儂を愚弄するにもほどがある! おいゴーヤ・ウマカバイ、エンド・オブ・プラネットを持てい! こんな惑星など吹っ飛ばしてくれるわ!」

「御意!」


「何が御意ですか! そんなもの持ち出した時点で、審判権限でパンツ選手は失格となります!」

失格の言葉に慌てて取り消すパンツ。

 「失格しては、元も子もない。今日はサイコロに勝負をかけるのじゃ!」


「では、これよりサイコロ勝負を始めます。勝負は1回のみ、1から6の目で運命が回転します。尚、サイコロは最下位のホル選手から投じられます」


 各選手が緊張している。ゲーム独特の熱気と興奮が緊張感を高めるのだ。

「それではホル選手、サイコロを投げて。試合開始!」


 開始の合図で、自分の身長の半分もある巨大サイコロを抱えるホル。

『私の未来はここから始まる。あの時ご主人様は、私にもチャンスがあると言ってくれた。そして、美人よりも心の中身だと言って私を勇気づけてくれた。

「今日私はこのサイコロに命を懸ける!」


 「おーっとホル選手、サイコロを担いで大きく振りかぶったぁ! 足が天を突くように高く上がるぅぅ!まるで中リーグボール2号の投球フォームだぁぁ!」


 ブォォォン

風を切る音がしたかと思うと、サイコロと一緒になってホルが転がっていった。コロコロコロ。

 「サイコロの目は3だぁ!」

富永審判が3マス目に貼られた紙をめくる。

「おーっと早くもラックを掴みました! 6マス進め! ホル選手開始早々の快挙です!」

 ホルが笑顔でピョンピョンと跳ねていく。

「関野芽衣選手の6マスを笑顔で通り抜け、9マスに足を運ぶ。9マスは無印でイベントはありません。ホル選手が2位につけたぁ」

 


「次は圧倒的とも言える美貌で人気NO.1のディープ・グラス選手、さあどんなフォームを見せてくれるのか、注目です」


 ディープ・グラス選手が巨大サイコロを抱えた。そして、

「おお、正統派オーバースローだ。素晴らしいフォームから流れるよう力強くサイコロが投じられたぁ! これは稲町亜美を見ているようです!あのドジっ子と言われたディープ・グラス選手、信じられません!」

サイコロがホテポテと転がり、1が出た。


「これは残念、無常の1です。これでディープ・グラス選手がソフィア選手と並びましたぁ」

 人気ナンバーワンの結果に、残念がるクルーが騒めく。


 次に控えるのは、思わぬところで2P獲得した、パンツ選手です。

「手を振っていますが、誰も相手にしていません」

「パンツ言うなと言っておろうに、審判、儂はエリザベスじゃ、以後訂正してくれ」


 「審判抗議はイエローカードになります。ここはサイコロの目次第で処分することにしますので、パンツ選手、サイコロを投げて下さい」


 思わぬ2pに思わぬイエローカード、ついていないな、パンツ。


「身長が少し低いパンツが、サイコロの上に乗っている。何をするつもりでしょうか?」

 パンツがサイコロの上で這いつくばい、進行方向に体重をかけた。

 グラっ


「これは! 自身の体重で回転する、ローリング投法か! しかし、これはルール違反です! 先ほどのホル選手は故意に転がったのでは無いのでセーフ。しかしパンツ選手は悪意ありと判断し、先ほどのイエローカードがレッドカードになります。パンツ選手退場! 」


 一発退場である。厳しい審判だ。しかし当然であろう、あのようなトルネード投法は、自分の好きな目を出せる可能性がある。退場は妥当だ。

 悔しがるパンツが警備員に連れ去られていく。


 パンツが正妻候補から脱落していく確率は高そうだ。


 次は良識派のUCAメーベだ。メーベはマス目も人気も中間で、微妙な立場である。

 それでも良識派である点で、ポイントは高い。

「メーベが投球フォームに入る。大きなサイコロを担ぎあげてぇ・・・」

 メーベのフォームはお嬢様投げ!学校のドッジボールの試合で、女子がよく投げているアレだ。


「サイドスローだぁ!」

手堅い投球フォームは、性格が反映している。メーベは色々な面で中間なのだ。それが悪い訳ではないが、標準的であった。

 出た目までが3。中間である。

3マス進む途中で、ソフィアとディープ・グラスを追い抜いた。

 横目で勝ち誇っているのが分かる。


「くっ! 」抜かれた二人が悔しがっている。

 5マス目の紙を剥がすと無印、ノーイベントだった。


「さぁ、ここで悪役令嬢と名高いUCAステラ選手の投球です」

「どんな根性の腐った投球を見せるのか!」


「おい審判! なんだその紹介は!、私が悪役令嬢なんて人聞きの悪いこと言うな!未来の私のご主人様に誤解されるでしょうに」


 ぶつくさ言いながらの一投!

「サイコロを抱えて、自ら回転しているぅ! これは侍ジャイアント、番場の大回転魔球投法! 悪役令嬢らしい大胆で強引な投球だぁ!」


 回転の渦の中からサイコロが飛び出し、ポテポテと転がっていく。見ると投げたステラが目を回し、頭の上にヒヨコが飛んでいる。


 無駄な動きの投法だったが、サイコロの目は5だ。

「イベントは2マス進めです」

やった! とばかりに更に2マス進むと、ホルと並んだ。


「あらま、奇遇なこと、おほほほほ」

お互いに目からレーザー光線が飛んでいる。

バチバチ

「性格の悪さが強運を生んだか、ステラ選手が9マスへ進み、ホル選手と横並びになりましたぁ」


「次に投球するのは、現在3位で3マス目に陣取る北川ソフィア選手です」

「ご主人様の会社では、謎の悩殺スキルで、男性社員をメロメロにしたその実力を、ここで発揮できるのでしょうか?」

サイコロを丁寧に布で拭くソフィア。

「なんと、軽いが超合金製のサイコロに、親指と人差し指、小指をブスリと突っ込んだ! これが意味する所は一つ」


 「ボウリング・スロー」

ソフィアの投げた一投が、3マス目でボーっと立っているディープ・グラスをなぎ倒す。

 パカーン!

「ストライク!」


超合金製サイコロに、吹っ飛ぶディープ・グラスが悩ましい。同時に牛乳瓶の底眼鏡も飛び、投げ出された体から美脚が露出した。

素顔が露わになったディープ・グラスは、天使のように美しい。


 ゴクリ


 会場内の男子クルーからだ。

「人気NO.1の素顔と美脚、これは嬉しい誤算とばかりに、男性クルーがソフィア選手に、よくやってくれたと、拍手喝さいをしています」


 さて、気になるサイコロの目は・・・

「なんと、1です。とぼとぼと4マス目に移動するソフィア選手」

「でもまだ分かりません、イベントによっては大躍進できるのが、すごろくの醍醐味、気になるイベントは・・・」

ソフィアが恐る恐る紙をめくると


「これは痛い、一回休めです。なんという不運、ソフィア選手が泣いています」

 先ほどの男性クルーたちも同情のため息。


 勝負の世界は非情だ。まだチャンスは十分にある。泣くなソフィア。

 (これ誰が言っているんだろう?)

4マスの上でポツンと佇むソフィアから視線を移すと、次の選手がスタンバイしている。


「気を取り直していきましょう。次はいきなり6ポイントを叩き出した関野芽衣選手、但しクローン体の方です」


「現在4位、さて芽衣選手はどんな投球フォームを見せてくれるのか、注目の一投です」


「芽衣選手、いきなりサイコロをつま先に乗せたぁ!何をするのでしょう」

サイコロを器用につま先に乗せた状態で、両手を広げ回転する。


「これは、赤き血のオヤブン、はやぶさシュート!」

さすがにIQ180???えっ250ですか、これはびっくり、超高等ハイテクシュートの炸裂です!」


形としては大回転魔球の足バージョンだ。これを投球することは不可能。

会場内は芽衣の放ったハイテクシュートで大興奮、拍手喝さいで,紙吹雪が舞う。

 さて気になるサイコロの目は。

「6だ、6マス進めます」

余裕のWピースで、6マスから12マスに移動する芽衣。

 余程自信があるのか、躊躇せず紙をめくる。

「なんと、またしても強運、4進めだ! これで16マス目のミュー選手と並んだ」


まだ、分かりません、次が最後のミュー選手。慎重に手で顔を洗っています。

「猫故にどんな投球を見せるのか、ここまで来れば期待していいでしょう」


ミューが顔をバシバシ叩いて、気合を入れる。

「うし!」

「さあ、準備が出来たようです。注目しましょう」


サイコロの上にミューが乗る。

「このパターンは」


 大方の予想を裏切り、ミューが大ジャンプする。頂点に達してから、くるくると三回転半し、着地と同時に猫足をポンと蹴りだした。


「これは、田舎の大将 ニャン先生の必殺技、キャット空中3回転半だぁ!」

派手な割にはしょぼい、初めから蹴るだけで良い必笑の技であった。

ポテンと転がって出たサイコロの目は・・・。

「これは今日最悪のイベント、振り出しに戻るが出ましたぁ!!

 余りのショックに茫然自失のミュー、トップ独走から、いきなり振り出し組へ降格してしまった。

 16マスの盤上で泡を吹いて、びくびくと痙攣し失神している。

「担架だ、担架を持ってきてくれ」


 哀れミューは、保健室へと運ばれていくのであった。


第1回 正妻のザ・ゲームはこうして幕を閉じた。だがまだ楽観するのは早い。

ゴールの上がりは77マス目にある。

栄光の3発4日、愛の逃避行旅行を勝ち取るのは誰か、それは案外失神したミューなのかも知れない。


 ここで、正妻のザ・ゲーム結果を書き記しておく。

1位 16/77マス 関野芽衣

2位 9/77 ホル・マリン

     ステラ

3位 5/77 メーベ

4位 4/77 ソフィア 一回休み

5位 3/77 ディープ・グラス

6位 2/77 パンツ レッドカード退場

7位 0/77 ミュー


ここで大佐から閉会のあいさつ


「正妻のザ・ゲームはサイコロの目だけでの勝負では無い。プロジェクトに貢献すればするほど、ポイントが溜まるのだ、正妻候補者の諸君、第2回目の開催でまた会おう!」


 会場内は、迫真のゲーム展開に大きく盛り上がった。只、レッドカードのパンツとミューの暗黒帝国組が哀れであった。


遅くなりましたが、誤字報告を頂き、ありがとうございました。


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