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SF 正妻の座争奪戦争   作者: やまじじい
27/70

EP27  愛こそ全て、それが私の生きる理由

明けて24日。今日はクリスマス・イブ

昨日の喧騒は何だったのかと思えるほど、関野芽衣(クローンの方)の心は弾んでいた。

 芽衣の本体は、旦那様の自宅へと帰っている。これで研究と正妻のザ・ゲームに勝利すれば良いのだ。

何と言ってもIQ180の頭脳を持つ芽衣。私の大事な旦那様作戦を、極秘に進行させる計画だ。


 SHADO本部は、24日であっても忙しいが、年末ということもありクリスマス・イブは休もうと、カロヤン大佐が決めた。実際のところは、昨日の茶番で疲れていたのも大きい。

という訳で今日は、クルーも正妻候補者も皆それぞれ寛いでいる。


******


 薄暗い部屋の片隅で、ある者が宇宙大手通販サイト、SpaceNetのホームページを見ていた。

甲高い声で、商品のPRをする動画をすっ飛ばして、ある商品を検索する。


「こんなメジャーどころには置いてないか」

次に怪しげな闇サイトを検索する。

 探し物はこの者にはどうしても必要な物だった。検索を続ける姿は鬼気迫るものがある。必死なのだ。


 やがて"譲ります、私のクローン・ボティ"というサイトが目につく。

連邦では、個人のクローン・ボティを売買することは重罪である。

地球で金のない貧困層が、やむを得ず自分の臓器を売る、それに似た事情で、連邦でも闇で売られる事がある。


 「何、このボディ、宇宙歴XXX年の銀河惑星連邦ミス・ユニヴァース、リンサン・ヘドロコデインじゃないの」

とても美しいボディだった。ディープ・グラスも凄いが、惑星連邦のミスである。美しさが一歩勝っていた。

「これだわ!」

 

 隠されてはいるが、このリンサンを巡る噂話が密かに拡散していた。

ミスの栄冠を獲得したものの、その後彼女の運は何故か急降下。芸能界、社交界から全く相手にされず、獲得した賞金も使い果たして、貧民街を彷徨っていたなど、誰が想像できるだろう。


 リンサンは獲得した賞金で、万一のためにクローン・ボディを制作していたのだった。妥協を許さない高性能なクローン・ボディのため、その金額は賞金の2/3に上ったが、これから芸能界で稼げると見込んで奮発したのだ。


 それがまさかの一文無し。人生とは分からないものだ。

結局、何が原因で運に見放されたのか・・・その裏で例の我が侭が暗躍したことは誰も知らない。


 その者は、速攻で注文確定ボタンを押した。金額などこの際、なんとでもなれだ。

「私の弱点をこれで解決して、正妻のザ・ゲームにぶっちぎりで勝利し、ご主人様と愛の逃避行 3発4日の旅に出るの」

 夢と鼻の穴が広がる。


 そのクローン・ボディは、例の下手人達が制作したカスタム・クローンボディDXと性能が似ていた。つまり、魂のコピーで起動可能なのだった。

 その事実をその者は知らない。


 その者の名はミュー、人間の姿ではないため、ガールズ・トークにも参加できず、正妻のザ・ゲームのポイントを稼げない己にい苛立ち、焦っていたのだ。

 唯一、自分の正体が知れた今でも、ご主人様は私をマゴロクと呼んで、変わらず可愛がってくれている。本当に嬉しかった。

でも、私は生身の女、ミューを愛して欲しいのだ。ミューは、この一点のみに生きると決めたのだ。早く来い、私のニュー・ボディ。


 しかし、支払いはどうするのだろうか。他人事だが心配になる。


12月31日 大晦日。

SHADO本部 ミュー宛てに大きな宅配便が届いた。




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