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SF 正妻の座争奪戦争   作者: やまじじい
26/70

EP26 SHADO茶番 大岡裁き

SHADO お白洲キャスト

**********

大岡パンツの紙 パンツ・〇ミエール

与力   ゴーヤ・ウマカバイ  

咎人   β版アルベルト・アインシュタイン

     β版二コラ・テスラ

     ピーマン・ニガテヤネン

証人   メーベ

傍聴人  カロヤン大佐

     関野 武

     ステラ 

     ウィルマ・ラミネート 

     ホル・マリン

     北川ソフィア

     北川かほり(リモート傍聴) その他興味本位の野次馬クルー

特別傍聴 ミュー

実況   富永高夫


 富永実況アナがマイクを握る。

「私は今、SHADO特設お白洲会場に来ています。なんと本日のお裁きの傍聴券を求めて、既に大勢のクルーの長蛇の列が出来ています。これより私、富永が現場からリポートしますので、傍聴券の無い方はパブリック・ビューイング会場でご覧ください」


**********

 ドーン、ドーン、ドーンと太鼓の音が鳴る。

お白洲の荒縄でぐるぐる巻きにされた、下手人3名が俯き神妙に正座している様子がモニターに映し出された。

その様子に観衆が騒めく。


「嘘、あれアインシュタイン博士と二コラ・テスラ博士、それにピーマン医師も?あの人たち、いったい何をしたの?」

「きっと絶対嫌らしいことよ、顔を見てみなさいよ」

「あら、ホント、嫌らしい顔してるわ」

「いやーねぇ、男って」


 人を顔で判断してはいけない時と、しても良い時がある。果たして3名はどちらなのか、それは名奉行大岡裁きで判明する。


SHADO(シャド)町奉行、大岡パンツの紙様、御なりー」

「おおっと、ここで大岡様のご入場です。今日も出るか、天下の大岡裁きが!」


 颯爽と腰を落とし、襟を正す大岡奉行

パンツが役になり切っている。

「さて、これより、関野芽衣かどわかしの一件で吟味するのじゃ」

「皆の者、面を上げい!」


 パンツが似合いもしない裃を着て踏ん反り返っている。

流石暗黒帝国の王女である。このような威張り腐る場面では、真価を発揮するはまり役だ。


「お奉行様ぁ、あっしらは何でお白洲に引っ立てられたのか、まるで解せないんだが」

 頬に傷のある、見るからに柄の悪そうなアインシュタインが、惚けたことを言う。名演技だ。

「そうですぜ、あっしらコツコツと研究をしていただけでさぁ。それを下手人とは、天下の名奉行が聞いて呆れるってもんだ、なあピーマン」

 二コラ・テスラが同調して騒ぎ出した。テスラ、お前もやるな。


「控えよ! 大岡パンツの紙様の御前である!」

与力役のゴーヤ・ウマカバイが怒鳴る。

 暗黒帝国は、二人とも意外にノリが良い。その調子。

「ほほう、あくまで知らぬと申すのじゃな、全く身に覚えがないと」


「知らぬも何も、あっしらは関野芽衣とは、ずっと会っておりやせん。あのアマは人妻なんだろ、だったらとっくに旦那の所に帰ってるんじゃねぇのかい? お奉行様よぉ」

その肝心の関野芽衣は、自販機コーナーからズラかって以来、行方不明になっているという。


 「うむ、では、証人をこれに」

お白洲の袖から、小町姿のメーベがそよそよと現れた。名演技だ。

「おお! 和服も見事に着こなした、メーベちゃんだぁ! 今日は小町役、かわいいぜ!」

 審判依怙贔屓するなよ、公平で頼む。


「そなたの名は何と申す」

「はい、カロヤン屋敷で奉公している、貧乏長屋に住む女中のメーベと申します」おお、声が消え入りそうで、バッチ・グー!

「うむ、して、メーベ、お前は何を見たのか申してみよ」


「恐れながらお奉行様、私はこの二つの眼で、はっきり見たのでございます。この人たちが薄暗い部屋で、ゲヘゲヘ言いながら関野芽衣を裸にして、暗黒魔法を唱えているところを」


「そんな馬鹿な!、それなら防犯カメラの証拠映像があるんだろうな、無かったら只じゃ済まねぇぜ」

「いえ、それは・・・私が芽衣さんの頭をテレパシーで少し覗いてしまったんです」


「何ぃぃ!テレパシーで覗いたってかぁ? そんなもん何の証拠にもならんぜ、それに艦内でテレパシー使用はご法度だ。お奉行様、この女中こそ咎人ですぜ」

「「そうだ、そうだ、俺たちゃ何もやってねぇ」」

テスラと弱気だったピーマンが勢いづく。


 一度チャンスと見るや、傷口をズイズイ抉るのが悪党の悪党たる所以。


「これはピンチだぁ、どうするお奉行様ー!」

「それでは、直に本人に聞いてみよう。関野芽衣、出ませい!」


 するすると関野芽衣が連れて来られた。一人・・・遅れて二人目が現れる。

「なんだこれはー! 関野芽衣が二人! どうなっているぅ」

興奮する実況だけでなく、傍聴人からも驚きの声が上がる。

「「「えええええ」」」


大佐は渋い顔をして、奉行を睨んでいる。

001関野は、驚きすぎて口が閉まらない。

「弟の嫁が、嫁が・・・芽衣さんが・・・あわわわ」


「問おう、お前たちは何者じゃ」

問われた関野芽衣たちが、ハモって口を開く。

「オリジナル関野芽衣と、カスタム・クローンボディDXの関野芽衣になります」

 *コンビニで、疑問に思うことはないだろうか。これは〇〇になります。ありがとう御座います、3000円からお預かりします。

言葉は時代を映す鏡だという。古い人間ほど、時代についていけずに違和感を覚えるものだ。

 それは今も昔も変わらない。


「おおっと、一方がクローンのようです! これは大スクープだぁ!」

 記者席の報道マンが一斉にフラッシユをたく。

バシャシャ、バシャシャ。

「今日の大岡奉行の名裁きを伝えんと、いつの間にか、暗黒帝国TV局もLIVE中継しているぅぅ!しかし、残念ながらリポーターはBBAです」


「それでは関野芽衣、その方らはいったい何故、二人いるのか説明してみよ」

静まるお白洲、悪党3人から舌打ちが聞こえた。

 チッ・・・・チッチキチー(古い!)


「はい、申し上げます。私をこのような姿に変えたのは、そこの3人の男に相違ありません」

「聞いたか、本人がこのように証言しておるのじゃ、申し開きがあるのなら、申してみよ!」

いよいよ、観念するかに見えたが、悪党なら必ず使うあのセリフを解き放った。

「「「記憶にございません!」」」


 歴史を振り返ってみても、多くの政治家や大物が使った伝家の宝刀、もう一つの奥義が、入院だ。

この宝刀と奥義を使いこなせば、悪党として一流である。


「記憶にないか、それなら致し方ない。奉行権限でお前たちの記憶を覗くことになるが、それでも知らぬと言い張るか!」山場だ。

「アドミニストレーター!」

奉行が叫ぶと小悪党の様子が一変した。


テレパシーで記憶を覗かれたら、100%言い逃れが不可能、3人の小悪党は観念して、事実を認めた。


**********

 説明しよう。

①下手人3名は、新しいカスタム・クローンボディDXの実験体を探していた。

画期的なことに、魂のコピーで使用可能だからだ。

②そこへうまい具合に、自分が二人いればと悩む関野芽衣に出くわした。

③双方の利害関係が一致して、クローンを作成。

④カスタム・クローンボディDXには、触媒に惑星連邦女性の血液が必要があったため、検査だと偽りディープ・グラスの血液を採取した。

⑤連邦女性の血液中に隠された特殊遺伝情報 TOKIMEKI遺伝子が芽衣のクローン体に取り込まれてしまった。これは小悪党どもの誤算であった。

⑥クローン体になった芽衣が、001関野を目撃して、ご主人様超大好きフォーリン・ラブに落ちた。

**********

 洗いざらいゲロしたことにより、事実関係が判明した。

「罪状は明らかじゃ。3名の者は、ご禁制のクローン・ボディを試したいばかりに、芽衣を誑かした。その結果、ご主人様を狙う不届き者を一体生んだ事は、万死に値する!」

その言葉を聞いて震えあがる小悪党3名。


「判決を申し渡す。主文、おめぇら3名は、SHADO内引き回しの上、  」


「ちょっと待てい!」

声を上げたのはカロヤン大佐だ。

「今は地球人類救済のため、一丸とならねばならん。それに3人は結果を見れば、救済計画に貢献したのだ。二人の芽衣がいれば、IQ180のデュアル・コアを活用し建造計画が早まる。ここは情状酌量の余地があり無罪を主張する!」


「なるほど、本来なら極刑は免れぬところではある。大佐の言うとおり、人類未曾有の事態じゃ、ここは無罪放免とするのが、最善であろう」


「改めて判決を言い渡す。3名の者は偶然の功績に免じ無罪放免じゃ!」


傍聴席から大きな拍手が沸く。余りの迷裁きに暗黒帝国側TVクルーもBBAも涙している。帝国側の視聴率は、かなりの数字を叩き出していることだろう。


 結果を見れば、芽衣が二人になったことは歓迎すべき事だ。罪を憎んで人を憎まずの精神を評価され、パンツ選手は富永審判員から、思わぬ2ポイントをゲット。


 これにはパンツ王女は歓喜した。ただ真相究明を理由に、悪ふざけしたいだけだったのだ。とんだ所で瓢箪から駒が出た。

傍聴席では、ポイントを稼げない、未だ振り出しのホルが悔し泣きをしていた。

泣くなホル、明日という字は明るい日と書くのだ。希望を持って生きてくれと誰かが思うのだった。


 「本日のお白洲それまで!」


************


お裁きは終了したのだが、傍聴席が騒がしい。

「あうあう、儂がもう3年若ければ」

と、何か001関野にべったりと吸い付き、愛をアピールする女?がいた。

関野 武にフォーリン・ラブした暗黒帝国TV放送BBAである。


「くっ苦しい、生気が吸い取られるぅ、助けてくれ」

と関野が悶え苦しんでいた。


流石にこれはまずいと、暗黒帝国TVクルーにひっぺ剥がされ、引きづられて行く姿には、誰も同情しない。

************


 誰もいなくなった傍聴席で、不敵に笑う者がいる。

カスタム・クローンボディDX、クローンか、その手があった。あれを使えば私も・・・神は私を見捨ててはいなかった。

直訴

お代官様、おねげぇでございます。

「なんじゃ、いきなり」

わしら貧乏百姓は、毎日、日の当たらない生活で苦しんでおります。


どうか、領内に儂らの窮状を呼びかける立て札を!

「ふむ、あい わかった。やまじじい、そちの訴えを聞き、立て札を立ててやろう。これで少しは注目されるやもしれん」

ははーっ。


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