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SF 正妻の座争奪戦争   作者: やまじじい
25/70

EP25 正妻候補者公認ソング だんな様

 2020年12月23日 イブ前日


 G-ツェッペリン3000艦内を、機嫌よく鼻歌を歌いながら、時には身悶えてしている関野芽衣の姿があった。


①♪つらい時ほど 心のなかでぇー ふふふん

苦労みせずに かくしていたいー♪ はぁー

♪私の大事な だんな様ぁー ご主人様ぁぁ♡

あなたはいつでも 陽の当るぅ♪

♪表通りを あるいて欲しい いゃーん♡ 

②番割愛


③♪明日を信じて お前と二人ぃ あっそーれ

お酒のもうと 差し出すグラス♪ 私を酔わせてどうするの、ポッ

♪私の大事な だんな様ぁ 愛しています♡

あなたに寄り添い いつまでも♪ キャー人妻殺し♡

♪心やさしい 女房でいたい っつ女房!! 


(*だんな様は、1983年8月1日に発売された三船和子のシングル。

だんな様 作詞:鳥井実、作曲:岡千秋)


 自販機コーナーに特設した、ガールズトーク用テーブルで、まったりしていたステラ、メーベ、ホル、ソフィア、ディープ・グラス、そしてパンツ王女の6人。猫のミューは人間では無いので、トークに参加できない。


 彼女らは基本的に、正妻争い以外なら、プロジェクトの話や甘いスィーツの話題に花が咲くのだ。

 それぞれ好みのスイーツを食べている時、自販機コーナーの前を通り過ぎる芽衣の態度に、ピンと女の感が反応した。


「ちょっと関野芽衣さん、あなたいつまで本部にいるのよ。人妻はさっさと帰らないと旦那が困っているんじゃないの?」

6人の疑問を代表してステラが問う。


 「あら、これは皆さんお揃いで。私は、これからずっと本部勤務ですの。だから帰宅しなくていいんです」

「離婚したのか?」

パンツが意気込んで聞く。


 この手の不幸話は、パンツの大好物で、性格の悪さが現れている。

「それになんじゃ、先ほどの歌は。季節的にクリスマスソングが定番であろうに。じゃがあの歌、とても心に響いたではないか!儂はこの胸を射抜かれたのじゃ」


 一同歌に関しては異論はない。むしろ歌のルーツを聞きたかった。


「あっ、あの歌ですか、あれは私が旦那様を思う気持ちを200%表現した愛の歌です。お気に召しましたでしょうか」


「「お前が作詞、作曲してないでしょう! さっさと教えて!」」

6人の剣幕に、別に隠す必要のない情報なので、素直に話した。


「なるほど、だんな様という題名か、儂は大いに気に入ったのじゃ!」

「「「私も!」」」

検索して歌詞を読むと、もうみんなメロメロになっていた。


「のう、関野芽衣、これを我等正妻候補者の公認ソングにしたいと思うが、どうじゃ」

「別に構いませんが、それなら私もその候補者の仲間入りですね、うふ♡」


 全員の頭に???マークが浮かぶ。

「ねぇ、芽衣さん、あなた離婚したの? それなら理解できるけど」

ディープ・グラスが尋ねた。


「いいえ、離婚はしていませんが、それが何か」


「アホ抜かすな! おんどれは人妻だろうが! 何を血迷っている!」

過激な発言で有名になったステラが爆発した。

これでは埒が明かないと思ったメーベが、こっそりと芽衣の頭の中を覗く。

艦内では、むやみにテレパシーで人の思考を読むのは禁止されている。


 メーベの興味が艦内ルールを突破した結果だ。


「えっ、そんな事が! 信じられない! 」

これは読まれたと、危険を感じた芽衣がさっさと自販機コーナーからズラかった。


 芽衣の思考に浮かんだのは、β版アルベルト・アインシュタイン博士のエロい顔、β版二コラ・テスラ博士、保健室 保険医 ピーマン・ニガテヤネン医師の顔ぶれだった。そして気になるワードと横たわる裸の芽衣の姿が浮かんでいた。

"カスタム・クローンボディDX"


「これが秘密のキーワードね、これは何かあるわ!」

「うむ、探る必要が大なのじゃ」

ディープ・グラスが何か思い当たるのか、


「以前、私、ピーマン医師に検査だと言われて、血液採取されたのだけど、それと関係が?」


「ムム、これは怪しい! 絶対に黒と断言できる! お白洲じゃ、お白洲を準備するのじゃ!」


 30分後、アインシュタイン博士、二コラ・テスラ博士、ピーマン医師は特設したお白洲の上にしょっ引かれた。

 なんとか25話まで来ました。

それと、ブックマークを頂きました。本当に嬉しかったです。

40話くらいで完結を予定していますので、最後までお付き合い願えれば幸いです。

 だんな様、この歌を知っている人は、殆どいないかな。

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