EP24 地球に愛された騎士と芽衣に囁くエロじじい *
SHADO本部内シールド開発室メンバー
総括責任者 カロヤン大佐
エージェント001 関野 武
主任技術者 SERN関野芽衣 (リモート参加)
副主任技術者 SETI新藤かほり (リモート参加)
同副主任兼プログラマー 北川ソフィア
科学技術アドバイザー β版アルベルト・アインシュタイン博士
科学技術アドバイザー β版二コラ・テスラ博士
惑星連邦科学技術部門 ヘーデル・オレーダ博士
同 技術者 ジョバンニ・アセールナ
暗黒帝国星系 パンツ・〇ミエール王女
同 科学技術者 ゴーヤ・ウマカバイ
UCA ステラ&メーベ
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保健室 保険医 ピーマン・ニガテヤネン医師
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「挨拶は不要だ。早速だが、シールド開発にあたり、基本設計案を説明してもらう。惑星連邦科学技術部門 へーデル・オレーダ博士、我々連邦が対処した方法も含めて説明を頼む」
大佐が指名したヘーデル博士は、惑星連邦を守ったシールド開発の責任者だ。
博士が立ち上がり、大型モニターの前に立つ。
「我々銀河惑星連邦が建造した防御シールドは、強力な宇宙線を直接跳ね返す設計でありました。何故なら惑星連邦会員の数が多すぎ、細かな対策を設計に盛り込む時間がなかったからです」
「うむ、あの時は大変だった。何しろシールドの数が膨大な数であり、建造と運搬、運用と同期調整を出来るだけ迅速に運ぶ必要に迫られていたからな」
大佐が当時を回顧する。
「その通りです。それで我々技術者は単純な反射シールド仕様としたのです」
そこで暗黒帝国側の技術者、ゴーヤがあざ笑う。
「ふん、惑星連邦は、その程度の技術力しかなかったのでは無いかね?我々暗黒帝国ならば、児戯にも等しい」
早くもバトルが始まる予感に、パンツ王女が窘めた。
「ゴーヤ、ここは耐えるのじゃ」
「御意」
ここで揉めていては、儂の作戦がダメになると、ゴーヤを諫めたのだ。
『ゴーヤ、そちの言い分は尤もじゃ。しかし事を荒立てては、儂のポイントゲットに支障が出る。地球の未来よりも王子様なのじゃ。儂もここは忍び難きを忍んで耐えようぞ』
「仰せのままに」
どうやら、真面に地球人類救済を考えてはいないようだ。性格の悪さは一級品。これではご主人様の眼鏡には叶わない。
早くも脱落候補者に片足を突っ込んでいるとは、パンツ選手はご存知無い。
リモート参加の主任技術者 SERN関野芽衣が疑問を投げかけた。
「単純と言われましたが、では地球で使うシールドは、もっと複雑になるという事でよろしいのですか?」
実は彼女も基本は単純な反射シールドを建造するものとして、連邦と情報交換をしながら研究していたのだ。
「いや、シールド自体は、連邦が建造した仕様でよい。ただ運用方法に手を加えるのです」
「どういう事でしょうか?」
同じ疑問を持ったSETI新藤かほりの質問が、スピーカーから流れた。
ここで、連邦技術者が博士と交代した。
「ジョバンニ、順番に説明してくれ」
「はっ、順番に説明すると、今回は地球という惑星一つに専念すれば良いのです。
建造する数が少なくなるメリットに加えて、建造時間が少なくなります。そこで、稼いだ時間を有効活用するため、シールド一基当たりの効率を上げる工夫をするのです」
確かに時間と建造費用が、他のプロジェクトと同時進行のため、建造コストを抑えなければならない。
「シールド一基ずつの設置角度を調整して、強力な宇宙線の軌道を反射し逸らすのです。この方法なら、ダイレクトに受け止めるより、シールドのダメージが減少しますので」
「なるほど、シールドの耐久時間を延ばすためですね」
北川ソフィアも感嘆した。
時間と建造経費を考慮し、最高の効率を図る計画を立案した博士に、皆が拍手した。
暗黒帝国を除いて。
そして、他にもこの事態に焦る者がいた。
ステラとメーベUCA組である。二人は取り合えず、いつ崩壊するか分からない同盟関係を結んでいる。
「まずいわね、メーベ」
「これでは、私たちの活躍する場が無いじゃないの」
2ポイントゲットしているとは言え、後はサイコロ勝負だけなのだ。
何故正妻候補者たちは気づかないのだろうか。先に進んでいても、踏んだマスによっては天国にも地獄にもなるゲーム、それがすごろくの醍醐味という事を。
そこで、ステラはある作戦を考えた。ゲーム審判である富永高夫を篭絡する作戦だ。
「ねぇメーベ、富永審判なんて私たちの色気に掛かればイチコロだと思わない?」
「イチコロ? で、具体的にはどう動くの?」
二人は女子ロッカールームの扉の前に立つ。
「むふふふ、これこれ、以前ご主人様の気を引くために、私たち競ってこの掟破りの改造超ミニスカの制服を作ったでしょう。これで富永審判の前をうろついて、さり気なく裏でポイントを頂くのよ。どう?完璧だと思うでしょう?」
「そ、そうですかぁ? 私はこの超ミニスカを見せるのは、ご主人様の前だけと心に決めているです。やるならステラ、あなただけにするです!」
早くも同盟関係が崩壊したが、メーベの方が良識があった。
ステラの性格は一途ではあるが、どうも性格があのパンツ寄りである。
第二の脱落候補者の仲間入りではないだろうか。
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防御シールドの概略
シールドを展開した状態で一基あたり5km これを地球衛星軌道から離れた空間に1000基展開する。
耐久時間に問題があるため、反射角度をリモートで調整できる仕様にする。
パワーはプラズマ核電池を使用し、シールドの被膜から指向性のある特殊電磁波を放射して、強力な宇宙線と相殺できるようにする。
しかしパワー不足で完全に相殺するには至らないが、シールドの損傷軽減と、地球に降り注ぐ宇宙線量を減衰させる効果を見込んだのだ。
シールドとの同期コントロールは、地球の持つ波動エネルギーに同調できる001救世主関野の役目だ。救世主と言われる所以だ。
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説明が遅れたが、惑星はそれぞれ固有の波動を持っている。惑星連邦の危機の際にも、同期コントロールが出来る人材を探し出し、惑星個別に対応していたのだ。
この現象は、惑星固有の拒絶反応なのか、防御シールドを同期制御するには、何故か、その惑星の住人が持つ固有の波動が必要だった。
地球と衛星軌道上のコントロール宇宙船に001関野が搭乗し、そこから制御コントロールするという形になる。
まるで、地球に選ばれた騎士のようだ。
自分を守るのは、信頼できる唯一の私のナイト。地球がそう言っているかのように思えてくる。
惑星とは生きた存在、生物であると、ある宇宙研究家の記述が残されている。
*** 一人悩む関野芽衣 by 宮目果林さま
主任技術者 SERN関野芽衣は悩んでいた。
単純な反射型シールドの研究を進めていたところ、思いもしない仕様変更があったからだ。
「いくら私がIQ180でも、変更はかなりハードルが高い。ましてや、表の顔は専業主婦である。もう一人自由に動ける自分が欲しい。そんな思いにふけるのだった。
数日後、芽衣はSHADO本部を訪れ、ヘーデル博士の技術資料に目を通していた。
一人資料を眺めながら、芽衣が溜息をついていると、β版アインシュタイン博士が声をかけた。
「芽衣さん、何かお悩みのようじゃな、この老骨でよければ相談にのるが」
かなり悩んでいた芽衣は、優しい言葉に悩みをぶち撒けてしまう。
「なるほど、自分がもう一人存在すれば、開発研究が並列処理できると、そう考えておるんじゃな」
「うっ」
涙目になって博士を見上げる。
主任としての大きな重圧で、かなり精神的に参っているようだった。
「芽衣さん、今最新のクローンボディのことを知っているかね? 儂と二コラ・テスラ博士、保健室 保険医 ピーマン・ニガテヤネン医師とこっそり研究している代物じゃが、儂らはそれをカスタム・クローンボディDXと呼んでいる」
こっそりと研究しているものを、芽衣が知っている筈はない。
「カスタム・クローンボディDXとは何なのです?」
なぜ博士は、そんなクローンの話を持ち出したのか意味が分からない。
「聞きたいか?しかし誰にも言ってはいかんぞ。言ったら儂はお前と縁を切る。復縁は無しじゃ」
ボケ老人が、ひとり喋りをしているのだろうと、無言で踵を返す芽衣。
「ま、待て、悪い話ではないのじゃ、儂の目を見てくれ。これがボケて嘘を言うておる目かどうか」
芽衣が仕方なしに見てやると、目尻が下がりエロい目でウインクしやがった。更に
「聞いてくれねば、儂はこの場で自害する!」
よほど聞いて欲しいのだろう。エロじじいが泣いて縋るので、老人介護の博愛精神で、聞いてやることにした。
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15分後の芽衣は歓喜に溢れていた。




