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SF 正妻の座争奪戦争   作者: やまじじい
16/70

EP16 吹き荒れるジェラシー 偽神は救世主と共に

ウィルマを女神とする「偽神で地球を救え」作戦は、波乱と嵐を呼ぶことになった。

というのも、牛乳瓶の底眼鏡(ディープグラス)を掛けなおしたウィルマが、突然絶叫したのだ。


「あわわわわ! マイ・デストニー! マイ・ダーリン! 」

関野 武の前で片膝をつき、胸に手を当てると宣誓を始めた。

「私、ウィルマ・ラミネートは、この時この場よりあなた様に永遠の愛を誓います!」


「「「にゃんだとー!」」」


雌猫のマゴロクまで、毛を逆立てフーっと威嚇している。

会議に出席しているステラ、メーベ、ソフィア、ホル・マリンまでが般若と化した。


 ステラとメーベは既にお馴染みの反応だが、俺にはソフィアの反応が嬉しかった。

『ソフィア、怒るとあんな顔になるんだね』

しかしホル・マリンまでとは・・・・これは悪寒なのか、背中に滝のように流れるのは冷や汗だろうか。


 冷ややかに見守っていた大佐が口を開く。

「ウィルマ、君にはある重要な任務を申し付ける。よいな」

有無を言わさない大佐の言葉に、少しだけ反意を込めて確認するウィルマ。


「大佐、私、マイ・ダーリンと一緒なら、例え南国の楽園であろうと天国へでも行きます。任務はマイ・ダーリンと共に遂行する覚悟です!」

そこは、地獄の果てとか言うのが適切だと思うが、と内心心配になる。


「「「却下、却下します! フー! 」」」

ステラ、メーベ、ソフィア、ホル・マリンと猫一匹が叫ぶ。 


「その役目、是非私、ステラに メーベに、ソフィアに、ホル・マリンに、ニャーニ、」と同時に叫んだ。


「否、皆それぞれに重大なプロジェクトの最中だ、それに皆治癒魔法が使えないだろう?ここはウィルマに任せる。それと、001関野君には、ウィルマのサポートを頼む。見ての通りディープグラスが必要な程の視力だ、適切にサポートしてやってくれ」


 大佐がそう言うのだから、これは決定事項だ。

「サポートっつ! 」


 ウィルマの中では、極大解釈が進行していた。

テレパシーで女性陣が脳裏に浮かんだのは、共通願望のアレである。

「「「ま、ま、今はいいでしょう。最後に笑うのはこの私なのだから」」」

声が震えている。流石にあの女神のような容貌を見て、少し腰が引けている。

 女性陣それぞれの思惑を切り捨て、「偽神で地球を救え」作戦の主要キャストは決定した。無論チームリーダーは富永高夫である。


**************


 作戦はテストケースとして、現在エボラ出血熱が流行しているアフリカを選んだ。

 使用するUFOはブリル・オーディーンである。

チームリーダー富永と関野 武、少数のクルーを乗せてコンゴ民主共和国へ向かう。

 一時は終息したかに見えたエボラ出血熱だが、衛生状態のよくない農村部から第二波が発生したのだ。


 病院の無い農村の掘っ建て小屋に、患者が集められている。人数にして30人ほどで、特に老人と子供が多数を占めていた。


そこに、神々しい光を纏って、緩やかに偽女神様が降臨した。

頭上には光る光輪、ギリシャ神話に出てくるようなゆったりした白い衣装、微笑みを常に絶やさない御尊顔には、慈愛に満ちている。


**************

 事前ミーティング

「いいかウィルマ、ディープグラスは使えないから、常に微笑んでいろ、すべて光輪受信機から無線で指示する。見えていなくても、お前の手足はリモートで俺が動かすから心配するな」


と手にしたリモートコントローラーを操作すると、ウィルマの手足が動く。まるでワンダーバードの人形劇を見ているようだ。


「はい、旦那様の言う通りにします。これが旦那様と私の初めての共同作業ですわね。 ポッ」

たわけた独り言は聞こえなかったことにして、任務開始だ。


**************



 部落の住民が騒然となった。次々と住民が飛び出して来る。

光輝く存在が目の前にゆるりと降り立つ。しかし足は地面に接していない。

神秘さを表現するため、反重力を利用した演出だ。


村長が叫ぶ


「め、女神様じゃぁ! 女神様が降臨なされたぞ、皆の衆! 」

その言葉に地べたに平伏する村人たち。

「「「「はっはぁー」」」」


一度神と認定されれば、このような対応を受ける。人間とはなんと非合理的な生き物なのだろう。

初陣偽女神作戦の効果は満点であった。




 

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