EP14 三食昼寝付の未来のために *
ここ最近、太陽から降り注ぐ紫外線が強くなって来ている。
地球の両極上空は、大小のオゾンホールが絶えず開く状況が続いているため、SHADO本部に鳴り響くUV警報が、クルーたちの緊張を加速している。
SHADO本部指令室、オペレーターのステラが呟く。
「現在レベル3から4に上昇しています。それに伴いUV量が増加、危険レベルに到達しました」
それを聞いた指令室副官が、
「これはまだ序盤といった所だが、プロジェクトを急がねばな。よし、直ちに大気圏外のUVシールド・パーマーを全基展開しろ!」
「ラジャ! 直ちに展開します」
地球衛星軌道上のUVシールド・パーマー50機×2が、傘を広げるようにスクリーンを展開する。
たったの50機で、オゾンホールの全てをカバー出来るものではない。シールドを潜り抜けた紫外線により、既に動植物の生体系に大きな被害が出始めている。
オーストラリア、ニュージーランドの家畜が、紫外線により眼球が白濁して死亡するという被害が続出し、毎日ニュースで流れないはない。
地球人類各国は、オゾンホールの破壊を引き起こす原因を突き止めようと、対策を研究しいるのだが、大国であるはずの中国を筆頭に、アフリカ、南米、発展途上国などの協力が得られていない。
仮にオゾンホールが存在しない地球だったとしても、2023年に起こる大宇宙災禍は防げないのだ。
2020年時点で人類滅亡の未来を知る国は、国連トップ、米国、日本、カナダ、ロシア、イギリス、フランス、ドイツ、
スゥェーデン、ブラジル、インドだけであった。
これらの国々には第一級対策本部が設置され、定時になれば、SHADO本部と連日、立体ホログラム映像を使った対策会議を開いている。
国連はかつて経験の無い大災禍に対応する指導力がなく、完全にSHADOの傘下に成り下がっていた。
残り日数を示す4桁のカウンターが各国対策本部に設置されている。示している数字は
「あと1050日」
会議が始まれば、最初に表示される恐怖のカウンター。
SHADO本部からの要求は、各国の国民にこの事実をパニックにならないよう、緩やかに情報を流すこと。そしてシールドと脱出用宇宙艇の建造費の捻出である。
金銭の方はともかく、国民がパニックを起こさないように情報を流す方法など今は無い。各国代表者が一番頭を悩ませる問題だっだ。
それは、我が国 日本でも同様だ。
しかしSHADOでは、その問題を軽減するためのプロジェクトを進めていた。
プロジェクト名"アセンション計画" が、ゆっくりと着実に進行していた。
*UVシールド・パーマーは、展開すると半径5km程の傘状にエネルギーシールドを展開する。シールドはプラズマ電池で駆動するが、稼働時間が短く元々地球環境仕様ではない。
連邦用の設計ではシールド効果が弱く、地球専用の強化シールド開発が急務だった*
SHADO本部内では、シールド開発を含めて3つのプロジェクトが同時進行している。
①SHADO本部内シールド開発室(順不同)
総括責任者 カロヤン大佐
エージェント001 関野 武
主任技術者 SERN関野芽衣(リモート参加)
副主任技術者 SETI北川かほり(リモート参加)
同副主任技術者 北川ソフィア(リモート参加)
科学技術アドバイザー β版アルベルト・アインシュタイン博士
科学技術アドバイザー β版二コラ・テスラ博士
惑星連邦科学技術部門 ヘーデル・オレーダ博士
指令室UCA ステラ&メーベ
②SHADO本部内 反重力エンジン 脱出宇宙船開発建造部門
総括責任者 カロヤン大佐
科学技術アドバイザー β版アルベルト・アインシュタイン博士 兼務
科学技術アドバイザー β版フォン・ブラウン博士
科学技術アドバイザー β版二コラ・テスラ博士 兼務
NASA
特別参加 岐山大学理工学部 大月博士
BOINBOING ボーイング社の軍事部門兵器開発局
BOCKEED MARTIN ロッキード・マーチン社の兵器開発局
NO-SLEEVE GLAMOR ノースロップ・グラマン社の兵器開発部門
山崎重工業 宇宙ロケット、旅客機の主要特殊構造材を開発
ブリル協会 (旧ナチスドイツ)大戦中、未完成な反重力理論を持つ。
トゥーレ協会 同上
③SHADO本部内 アセンション計画実行部
総括責任者 カロヤン大佐
エージェント001 関野 武
主任技術者 SERN関野芽衣(リモート参加) 兼務
副主任技術者 SETI北川かほり(リモート参加) 兼務
同副主任技術者 北川ソフィア(リモート参加) 兼務
惑星連邦アセンション推奨団体 技術者 ホル・マリン
科学技術アドバイザー β版二コラ・テスラ博士 兼務
指令室UCA ステラ&メーベ
日本人協力者 富永高雄
特別ペット猫 マゴロク
各プロジェクトを進めるため、SHADO本部は、今日もフル稼働を余儀なくされていた。
3年などはあっという間、時間は有限なのだ。
それにしても一番厄介なのは、地球人類が纏まっていない現状、それが大問題なのであった。
それを解決するため、一人の日本人が行動を開始した。富永高雄だ。




