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 取り合い6

「ちくしょう!」


ダンと武尊は体育館の鉄の扉を蹴った。その迫力に壱華は固まる。


―部活動は終わった。もう日も暮れて時間は10時前。心置きなく剣を振るえると思って戻ってきてみれば、黄金の剣は武尊の手中に顕現しなかった。何度試してもダメだった。結界は漆の作ったもので、壱華には壊せない。手が無くなった。


「剣は何て言っているの」

「・・・・何も」

「と言うことは、千穂はまだ無事ってことよね」

「―たぶん」


武尊は苦々しげに答えた。


「何なのこの剣。ここにきて使えないとか」


まだこの剣がどんな代物なのか、自分たちはよく分かっていないのだと悟った。壱華はとにかく武尊を落ち着かせようと思った。


「きっと、危なくなったら剣を伝ってくるわよ。また、ラウンジで待ってましょう?」


結界なら張るから、と壱華は提案した。武尊は忌々しげに体育館の扉の手をかけて開いた。そこには誰もいない。何もいない。


「戻りましょう?」


本当は体育館の前で待っていた方がいいのだろう。しかし、落ち着くにはラウンジの方がいい気がしたのだ。


「・・・・ああ」


武尊は扉に背を向けた。歩き出した武尊の背に、壱華は付いて行った。



その男は壁に映る映像を眺めていた。


「銀の器が必要としないと、剣は現れないのかな」


映像の中で、少年は剣を体内から外へと顕現させることができていなかった。


「使い手は決めるが、本当の主は銀の器ということかな」


厄介な剣だと男は笑った。


「結界の一つや二つ、あの剣がなくても壊せそうなものだが」


少年の霊力を考えれば、結界を壊すことは造作もないはずだった。現に一度兄弟の張った結界を無意識に壊したことがあるほどだ。


「剣に潰されないよう、幾分か霊力を割いているのかもしれないな」


黄金の剣は、器が作り出し、器が力を注いでいる。器は常に正と負を飲み込み続けている。剣にも力が休むことなく注がれ続けている。その剣の力に潰されないよう、彼の霊力は彼を守ることに決めたようだ。


「剣が彼に銀の器の危機を知らせる」


剣に、依存させるのかもしれないと男は考えた。もう彼は、剣を通してでなければ力を発現できないのだ。そう考えれば辻褄は合う。


「剣がなければ力は使えず、力を使うためには剣が必要。剣を使うためには銀の器の存在が必要」


良くできたシステムだと男は笑う。


「何があっても守らせると言うことか」


質の悪い存在だと笑う。それにうちの子も巻き込まれなければいいけれど。


「まあ、その時は」


力づくで取り戻すだけだ。やっぱり男は笑っていた。



武尊はラウンジの椅子に座って剣を抱きかかえていた。


―ここでは顕現するのよね。


ぼうっと剣のほのかな光に当てられている武尊を、壱華は眺めていた。きっと、剣からの知らせを見落とすまいとしての行動だろうと壱華は見ている。時間は午後の10時をとっくに過ぎた。学校施設は消灯されている。避難経路を表す緑色の光だけがぽつぽつと見えた。暗い中でも目は慣れたから問題はない。じっと見つめている先の武尊がずっと閉じていた目を開いた。


「来た」


そうとだけ言うと、走り出してしまう。走るのに邪魔だから、剣はしっかりと自分の体内に仕舞っている。


「あ!武尊!」


速いわよ!と肝心の文句は言えず、壱華も走り出した。足は遅い方ではない。しかし、男子の本気の走りに追いつけるわけがない。壱華はもう!と心の中で悪態をつきながら追いかける。今回は目的地がはっきりしているからいいものを。階段を何階分も駆け下りる。体育館のある階までつき、目星の体育館の前にたどり着く。武尊は剣を取り出して構えていた。


―よかった、剣は出たんだ。


安堵した壱華は膝に手をついて息を整えに入る。しかし、すぐにハッと顔を上げる。


「待って!」

「何?」


明らかに武尊は苛立っていた。それを怖いと思わないわけではない。けれど気づいたことは言わなければいけない。


「結界が無くなってる!」

「どうして?」

「漆が解いたのかしら」

「今更?」

「でも、誰に壊せるっていうの?」


二人は顔を見合わせる。そして二人して同じ可能性にたどり着く。


「まさか!」

「幽霊?」


悪霊化すると小鬼たちが言ってきた。悪霊化するとあたりかまわず食い散らかすのだと言っていた。それが、力そのものが増すことを意味していたのだとしたら。


「急ごう」


武尊は止めていた剣を振り下ろした。鉄製の扉はいとも簡単に切れてガシャンと音を立てて倒れた。中は暗くてよく見えない。しかし、確かにその声は聞こえた。


「武尊~」


千穂の声に、武尊はため息をついた。


「呼ぶのが遅いよ」

「ごめん」


千穂は素直に謝ったが、その顔には何のことを言われているのか分からないと書いてあった。たんと、武尊は軽やかに床を蹴る。するりと武尊は幽霊と千穂の間に滑り込んだ。武尊はその幽霊の大きさに息を飲む。だが、幽霊の注意は武尊には向かない。幽霊が今戦っているのは、熊だった。


「どういう状況?」


武尊は剣を構えながら問いかける。


「えーと、私を取り合って喧嘩、みたいな?」

「・・・・よく分かった」


どうしようかな、と武尊は呟いた。


「あのね!二人の戦い止めてほしいの!」

「は?」


勝った方を倒せばいいだろうかと考えていた武尊は、間抜けな声を上げることしかできなかった。千穂は体を起こそうとしたが、縛られていてできない。あきらめて千穂は説明を始めた。


「えとね、幽霊の方が優勢なんだけど、すぐ熊を食べようとしちゃうの。食べたらよくないって言うんだけど」

「・・・・・つまり、千穂は幽霊を助けたいの?」

「そうなっちゃうかな」


ああ~と武尊は顔を抑えた。情が移ったのか何なのか。千穂のわがままが始まったと武尊は頭を抱えるしかなかった。そして、わがままを言う時の千穂は強い。


「千穂!」


壱華がやっとのことで駆け寄ってくる。


「無事でよかった!」


ぎゅうっと千穂を抱きしめる。千穂も抱きしめ返したかったけれど、体を縛られていて無理だった。


「壱華ちゃん!ごめんだけど、この糸切ってほしくて」


千穂は安堵と喜びに息を吐き出しながら頼んだ。壱華はすぐに体を離すと、札を取り出しまじないを唱えた。青い炎が現れて、糸を焼き切る。不思議とこの炎は熱くはなかった。


「やっと自由になった」


ふうと息をついて、千穂は肩を回した。


「おい、このまま逃げちゃうんじゃないか?」

「でも、あのおっかないの来ちゃったし、俺達には何もできないぜ?」

「でも、何もしないとあいつに怒られちゃうよ」

「怒られた方がましだよ。死ぬより」


視線をこちらに向けながらこそこそと話す声が聞こえてくる。武尊の霊力の放出から生き残った妖が、千穂たちへの対応を相談し始める。しかし、彼らにできることはほぼない。それが分かるからか、千穂は元気を取り戻し始める。


「ねえ、武尊!止められる?」


よいしょと立ち上がる。


「止めるって、どうやって」


武尊が指さす先で、熊と幽霊はまだいがみ合っていた。熊は幽霊の手から逃れるためにぴょんぴょんと飛び回り、幽霊はそれを捕まえようと手を伸ばす。埒が明かなくなっていた。


「仕方ないな」


千穂は立ち上がると、ぱたぱたと武尊の横を通り過ぎて行こうとする。それを武尊は手を取って止める。


「間に入るつもり?」

「よく分かったね!」

「危ないからやめて」

「でも、そうでもしないと止まらないでしょう?」

「壱華、結界張って、俺たちだけが入れればいいから」

「分かった」


壱華は札を手にまた呪いを唱える。青い光が浮かび上がり、結界を形作った。その中に武尊は千穂を放り込む。


「そこから出ないで」


そう言うと、武尊は準備運動でもするように腕を伸ばし始めた。しかし、目はしっかりと幽霊と熊に向けられている。タイミングでもうかがっているようだ。ストレッチが終わると、シャンと鈴の音を鳴らし剣を構える。そして、幽霊と熊が衝突すると思ったその時、間に割り込んだ。剣を振り下ろすと、両者はそれを避けて互いに距離を取る。剣は床を抉っただけだった。幽霊と熊が離れたのを確認すると、武尊は剣を肩に乗せて言った。


「どっちも動かないで」


動いたら切ると言外に告げる。武尊は幽霊の方に体を向けた。


「千穂はあんたを助けたがってる」

「余計なお世話だ!」


幽霊は吠えた。武尊は動じない。


「どうすれば成仏できるの?」

「そのためにあの小娘を使おうとしてるんじゃないか!」

「同年代なんだけどな」


小娘に武尊は引っかかったらしい。しかし、すぐに切り替えて問いかける。


「つまり、その顔の傷が無くなれば成仏できるってことでいい?」

「うるさい!うるさいうるさいうるさい!」


幽霊は足をだんだんと鳴らした。床が大きく振動する。それだけ実体化していた。そのことに壱華は大きく狼狽する。視線をやれば、千穂は特に驚いた様子もなく幽霊を見つめている。


―もう実体化したって知ってたから?


それとも


―私ばかりびびってるのかしら


後者だったら嫌だと壱華は思った。壱華は結界の様子を確認した。


―大丈夫、守れる。


あの幽霊にも壊されないはずだ。


―ああ、でも


あの幽霊は漆の結界を壊したかもしれないのだ。だったら自分は幽霊から守り切れないかもしれない。ぎりと歯を食いしばる。そんな壱華の隣で、千穂は口を開いた。


「ねえ、あなたの顔には本当に傷があるの?」


静かな体育館には声が良く響いた。


「何を見ている!」


ぐわりと牙をむくように、口を開く。目は赤く爛々と輝いていた。


―人の形から逸脱してきた。


壱華は身構える。


「だって、腕も足も白くてきれいだもの!本当は顔もきれいなんじゃないの?」

「そんなはずない!」

「本当だよ。あんたの顔は、きれいだ」


醜くひきつった顔に、武尊はきれいだと言ってのけた。熊も大人しくしているのを認めると、武尊は結界の中に入ってきた。幽霊はそろそろと手を自分の顔に伸ばす。しかし、触れる前にその手を下ろした。


「嘘だ!」


幽霊は大きく髪を乱しながら首を何度も横に振った。嘘だ嘘だと繰り返す。


「何で嘘だと思うの?」


千穂も千穂であきらめない。結界の中から強い瞳で見上げる。


「だって、お母さんがそう言って―」

「お母さんが顔に傷があるって言ったの?」

「だって、私の死体を抱きかかえたまま泣いてて、あんなにきれいな顔だったのにって」

「それはあなたの体の話でしょう?今のあなたは手も足もきれいだよ?今のあなたの顔も、本当はきれいなんじゃないの?」

「嘘だ嘘だ嘘だ!そんなはずないんだ!」


幽霊は顔を両手で覆って膝をつく。ずしんと、その巨体に床が揺れた。その揺れは先ほどの揺れより大きく感じた。足元はどんどん黒ずんでくる。これは良くないと、三人全員が思った。


「本当だよ!よく考えてみて!!」


千穂がそう叫んだ時。


「結局誰も食わないのか」


その声は上から降ってきた。見上げれば、ばさりと黒い翼をはためかせている漆の姿が目に入った。


「カラス―」

「だから、漆だと何度言えば分かるんだ!」


武尊の言葉にびゅうと風が起きるが、そんなもの結界に阻まれて意味などなさなかった。


「で、漆、何しに来たの」

「来たも何も最初からここにいた」

「結界もお前のものだったね」

「まさか、そいつに壊されるとは思ってもいなかった」


漆は腕を組みながら幽霊を顎でしゃくって見せた。


「やっぱり、幽霊が壊したんだ」

「ああそうだ。器を運んできてやると約束したのはそこの熊だったからな」


それなのに、と漆はため息をついた。


「せっかく運んできてやったのに誰も食わないとなれば働き損だ」

「さっさと食えと促しに来たわけ?」

「私はそうして欲しいんだがな」


武尊は、そう言う漆を厳しいまなざしで睨みつけた。


「今ならまだ許してやる、去れ」

「人間風情が私に命令するな」


漆が腕を前に突き出したのと、武尊が守るように結界を飛び出したのはほぼ同時。漆は己の霊力を武尊に向かって放った。その塊は、武尊によって真っ二つに切られる。切られた霊力は左右に分かれ、床を抉り、そこにいた妖を消滅させた。この出来事に、妖は騒ぎ出す。ワタワタと走り回り視界が大変うるさくなる。漆が第二弾を打ち込もうとしたその時、


「やめてよ!」


千穂は叫んだ。


「なぜだ?」

「みんな消えちゃうよ!それに、漆は武尊に勝てないでしょう?」


そう言えば、ぎりと漆は歯噛みする。そして迷うようなそぶりを見せながら腕を下ろした。


「・・・―分かっている。金色の使い手が来た時点でもうここにいる誰にも勝機はない」


苦々しげに言葉を吐き出す。


「じゃあ手伝ってよ!」


千穂は笑った。その言葉に漆だけではなく、武尊も壱華も、そして周囲の妖までが千穂を見る。しかし、その視線を無視して続ける。


「この子、顔に火傷なんてないと思うんだけど、信じてくれないの!」

「ないもなにも、あるだろう」

「だって、顔にしかないんだよ?腕と足はきれいにしてるのに」


そう言われれば、ふむ、と漆は考える。


「確かにそう言われれば・・・・・・って違う!」


漆はばさりと一つ翼を鳴らした。


「お前のやりたいことに私を巻き込むな!」


力いっぱいの叫びに、千穂も力いっぱい叫んだ。


「だって漆強いじゃん!いいじゃん!ケチ!」

「ケチとは何だケチとは!!」


きーっと漆は足をじたばたさせた。


「いいじゃん!ちょっとくらい手伝ってくれたって!!」


ケチじゃん、と千穂は唇を尖らせた。


「~~~~~~っ!」


それに思うところがありすぎて体中を渦巻いているのか、今度は腕を上下にじたばたと振った。そして、意を決したのか言った。


「誰がケチだ!」


ばさりと翼をはためかせ、漆は武尊の前に下り立った。武尊は油断なく漆を睨みつける。


「そう怖い顔をするな。手伝ってやろうと言ってるんだ」


ふんと漆は鼻を鳴らした。武尊の後ろで千穂が笑った。


「ありがとう!これで百人力だね!」


そう言われれば悪い気もしない。つい胸を張りそうになって、漆は首を横に振った。


―いけないいけない。乗せられるところだった。


「それで、何をすればいいんだ?」


ごほんと咳払いでごまかしながら問いかけてくる。


「どうしたら、あの顔の傷がないかもしれないって信じてくれるかな」

「確かに、顔にしかないのはおかしいな」


うーんと二人して考え込みだす。それを武尊と壱華はじっと見ていた。その視線の先で、どれ、と漆は幽霊の方に顔を向けた。


「とにかく一度見せてみろ」

「嫌だ!」

「見てみないと分からないだろう」

「嫌だ!」

「駄々をこねるな!」


漆がだんと足を鳴らす。それに妖たちがびくりと反応する。さすがに熊は震えなかったが、武尊と漆が揃っているため手出しできる隙は生まれなかった。


「嫌なものは嫌だ!」


幽霊も当初の目的を忘れてしまったようで、顔を隠す手を外そうとしない。それにうーんと悩んでいた千穂が申し出た。


「もしかしたら、もしかしたらだよ?」


その言葉に、漆が後ろを振り向く。周囲の注意が今度は千穂に向く。


「その傷、消せるかもしれない」

「自分を食わすのか?」

「まさか!」


漆の言葉に、千穂は驚きに声を上げた。漆はきょとんとする。


「じゃあ、どうするんだ」

「私、銀の器でしょ?あの傷だけ吸い込めないかな」

「はあ?!」


漆は大声で叫んだ。


「吸い込むって、どうするんだ」

「ひとまず触ってみたいなって」


えへへと千穂は笑った。


「笑ってごまかすな。・・・で、触るってどうするんだ。顔を見せるのさえ嫌がってるんだぞ?触るのなんて無理だろう」

「やっぱり触らせてくれないかな」


どうしよう、と眉をハの字にする千穂に壱華が待ってと静止をかける。


「食べられたりしない?近づいて」

「食べようとした瞬間、俺が切るよ」

「任せた!」


さすが!と千穂は武尊の背をたたいた。それに武尊は眉を顰める。


「他力本願はどうにかして」

「だって、私弱いもん」


そんなことを言いながら、千穂はそそくさと二人の前に出て漆の隣に立つ。


「ねーねー聞いてたでしょ?顔触らせて!」

「嫌だ!」

「やっぱりだめか」


眉がハの字に戻る。それに手を差し伸べたのは漆だった。


「風で持ち上げてやろうか」

「そんなことできるの?」

「できるぞ。お前は小さいしな」

「小さいって言わないで!」


千穂を小さいと言った漆も小柄な方だ。千穂より少し小さいくらいだ。


「余計なことしないでよ」

「分かっている。お前に切られるのはもうごめんだ」


漆は剣を刺された時を思い出したのか顔をしかめた。それに千穂は気にせず割って入る。


「できるなら持ち上げて!」


飛べるとなって、千穂の瞳は喜びで輝いている。調子がいいことだ。武尊と壱華がいることで完全に安心しきっている。


「落ちるなよ」

「千穂の運動神経は壊滅的だよ」

「・・・じゃあ、体全部を風で覆う」

「大丈夫なやり方があるならいいけど」

「壊滅的って何!?」

「本当のことでしょ?」

「早くしましょう?啓太と樹が待ってるんだから」

「・・・・あとでちゃんと話するから!」

「はいはい」


いってらっしゃいと武尊が手を振る。それにもう!と言っている千穂に漆は術をかけた。ふわりと体が浮く。


「わ!すごい!!」


千穂はきらきらと顔を輝かせる。人を飛ばすのは自分の場合より難しいらしい。千穂の体はゆっくりと幽霊の顔に近づいて行った。手の隙間から目を覗き込む。


「ねえ、ちょっと触ってみてもいい?」

「嫌だ!」

「ちょっとだけ!ちょっとだけだから!」

「嫌だ!」

「仕方ないな」


千穂は指の隙間から手を差し入れた。次の瞬間、黒い渦が幽霊の体から複数現れ、千穂の体に吸い込まれていった。

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