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赤き破壊の魔女と踊れ  作者: 氷魚彰人/慧一
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プロローグ

ムーンライトノベルズで投稿している「地に落ちた勇者は飢えている」の少年編を一部を改編しての投稿です。

BLではありませんが若干臭いが漂っています。苦手な方は引き返して下さい。

戦闘シーンがあります。暴力的なシーンのページには*印が付きます。苦手な方はお気を付け下さい。

 何万もの本に埋め尽くされた部屋で書き物をしていた女は空気の揺れを感じて顔を上げた。

 野生的な男の色香を漂わせた姿を認め、労いの言葉と共に微笑みを向けた。


「お帰りなさい」


 男は端正な顔を歪め申し訳なさそうに眉根を寄せると頭を掻きながら謝った。


「悪い。直ぐに次の現場に向かわないといけないんだ」

「帰ってきたばかりなのに?」

「本当にすまないな」

「貴方が謝る事ではないわ」


 勤めでは仕方ないと女は肩を竦め苦笑した。


「そうだわ。貴方がいない間に新しい衣装を仕立てたの」


 女は本を掻き分けるように部屋を進み壁際に置かれたクローゼットから黒衣を取り出した。


「どこぞの王族に舐められないように念を込めて刺繍しておいたわ」


 手渡された衣装を見れば完璧主義の女らしい一糸乱れぬ刺繍が施されていた。

 男は神経質に刺繍する女の姿を想像し、微笑みながら服に袖を通した。


「流石は私だわ。袖丈、着丈、首周り。腰周りに裾丈。一寸の狂いなし」


 自画自賛する女に微笑み。


「直ぐに戻る」


 そう約束し、男は颯爽と部屋から出て行った。






 ――だが、男が女の下に戻る事は二度となかった。

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