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瞼の裏には彼の姿が残っている

作者: 刹那
掲載日:2016/01/25

わたくしだって清く美しく生きているだけじゃ、もう飽き飽きしていたところです。

17の頃から煙草も吸っていましたしお酒だって飲んでいましたよ。そりゃ昼間は笑顔を振りまいて普通の女子高生を装っていました。友達も多く先輩にも可愛がって頂きました。


はてさて何度も恋をしましたが、あれが最後の恋でしょうね、そのお話を致しましょう。最後の恋だなんて響きが良すぎますし疑っていらっしゃる方もいるでしょう。しかし20年経った今の今まで誰かを心の奥底から愛することなど無かったのですから...


これはきっとわたくしの好みか、はたまた運命か年上の方としか恋に落ちたことはなかったのです。最後の恋のお相手も6歳上の方でした。今となっては6歳差など普通でしょう。しかし当時18だったわたくしからするととても大人に見えましたし魅力的でした。お相手の方も社会人となった大の大人が高校生と恋に落ちてしまったのですから、犯罪か何かでも犯してしまっているような気持とダメダメと言われると手を出したくなるような心理とで彷徨っているようでした。わたくしとしてはこのようなゾクゾクとした気持と純粋に愛している事実に興奮だって覚えました。この方はわたくしの先輩でした。可愛がってくれているのは気付いていましたし、当時の彼氏に飽きていたのもあって、純粋を装って夜、飲んだ後に彼の家へと足を運んだのです。男性の方と夜に二人きりです。遊びだとしても、当時の彼氏に飽きていたわたくしは恋に落ちたのです。向き合って寝ている状態です。引き寄せられるようなその唇に軽くキスをしてみると彼も本気になって、お付き合いすることになったのです。家に行った時にはまだお遊びですよ。何故こうも数時間で本気になったのか、その時はきっと当時の彼氏に飽きていたという理由だけでしょう。


たった2ヶ月の思い出ですが、あの時間はとても濃く、良いものでした。付き合ってみてわかったことはわたくし自身、おもく面倒で精神的情緒不安定なことです。お相手に関する事だけでしたが...しかしこんなにも自身を見失うほどに恋をしたのは最初で最後でした。日に日に彼へ溺れ、堕ちていった始末、彼からの別れを告げられました。熱く燃えるように、たまには氷のように冷たくもあった恋が終わってしまったのです。泣きながら理由を問うと重いだとか面倒だとか、それでも諦めきれないわたくしに消えろだの、死ねなどという言葉を吐いたのです。結局は嘘か誠かも分からぬ「好きな人ができた。」というのです。それではどうあがいても仕方がないので、彼の家を去ろうとしたところ布団の中で包まっている彼が手を差し伸べてきました。その時のわたくしはその優しさに「またやり直せる。」などと希望を覚えましたが今となってはそれはひどく醜く滑稽な願いでした。手を引っ張られあの初めてキスをした時のように向き合い彼の目ががっちりとわたくしをとらえて離してはくれません。そのまま優しいキスをされ安心した瞬間に待ってもない彼の生々しい舌がわたくしの口内を犯していくのです。彼はわたくしの身体に触れ服を脱がしその一時の性欲を埋めようと必死にわたくしの身体を汚して行ったのです。なぜそのようなことをしたかを聞いてみると、きっとわたくしも頭のどこかで思っていたのでしょう、「かわいそうだから最後だから。」という理由に納得がいってしまったのです。まだまだ18など子供ですよ、その時は理解しがたい状況下でヒステリックになったわたくしは彼を殴ろうとしましたが彼の冷たい声と顔と言葉によって我に帰りました。


それ以来、煙草もお酒も以前に増して多くなりましたしお酒を飲んで酔っては色々な男性とホテルへ行って行為をいたしました。学校が終わりましたらホテルへ行き、寂しさを埋めるために行為をし、好きでもない男性とデートへ行き、キスをし必死に寂しさを埋めました。一番ひどいのは男性と行為し、朝仕事へ見送った後に他の男性とデートへ行き、結局は別れた彼が気になり連絡を取ってしまう始末です。


別れた彼になんの魅力があるのか、何がこんなにもわたくしを苦しめ夢中にさせるのか、考えても出てこない答えを考える日々は長く感じられました。

こうして、わたくしの高校生活は終わったのです。

わたくしの思い出話は終えまして、今宵もまだあの時の彼を思い出すのです。遂には彼以外の男性を愛することさえできないようになってしまったのです。遊んでみても、彼を思い出すのです。それは瞼の裏を幻想か現実かちらちらと姿を見せるのです。

こうして、今わたくしはつらつらと話を終えましたが、この遺書を最後に彼と永遠に愛を誓うのです。だってこうして隣には血に染まった彼が、あの時のようにわたくしをとらえて離してくれないのですから...

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