船
広い海原で、星明りを頼りに進む事を誰が拒否したのだろうか?
そして孤立した船が航路を見失うとは誰が言ったのだろうか?
孤立した船が航路を見失うのではなく、そこに乗る者達が路を失くしているだけなのに。
遅くは無いはずだ。このまま沈む事を運命だと決めつけてはいけない。
誰もがみな同じ船に乗り合わせているのだから。
一人の嘆きに、皆があわせる必要はない。
水を掻きだそう。
櫂を漕ごう。
舵をとろう。
開いた穴を塞ごう。
そうまでして辿りつく先は何処だろうか?
きっと行く先はわからない。
だけど歯を食いしばり、立ち上がろう。
信じあわなくては生きていけないから。
手を取り合い進んでいこう。
ここには愛した人たちがいるから。
明日の為に、愛する人のために、私たちは奇跡すら起こすこともできるはずだから。
この地球という船の上で生きていこう。