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あなたへ  作者: yosibahirosi
8/8

君を想いながら

冷たい雨に打たれ

舞いながらひらひら落ちる事も出来ずに

川面に落ちて流れて行くさくらの花びら

透きとおったビニール傘を通して

ぼくはそれを観ていた

少し流れた所で

それらの花びらは水のなかに沈んでいく

花びらは後から後から落ちては沈んでいく

さくらの枝に桜の花が有る限り

冷たい雨は落とし続けるだろう


既に色あせたさくらの花びら一枚

詩集に挟んである

君の肩に舞い落ちた花びらだ

君のことばで綴られた詩集は

今細かくちぎられた

さくらの花びらよりも

軽く雨のなかを舞い落ちて行く

白い紙吹雪に交じって

一枚のサクラの花びらも

ひらひらと舞いながら落ちて行く



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