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第一章 第六話



   6



「おい、豪徳寺」

「なんだ、バカヨージ」


 このやろう……。


「部員になるのはいいが、俺はこう毎日、サークルに顔出すことはたぶんできないぞ」

「なぜだ?」

「俺は、お前と違って親からの仕送りがあるわけじゃないから、バイトしないと大学に通うことなんてできないんだよ」

「何を言っている? ワタシは親からの仕送りなんてもらってないぞ」

「えっ? うそだー」

「うそではない。ワタシは自分で稼いで学費を払っているし、生活もしているぞ」

「マ……マジかよ?! 何の仕事してんだ?」

「ふむ。パソコンを使って、株の売買をして稼いでいる。まあ、世間で言うところのデイトレーダーってやつだ」

「へ~。でも、デイトレーダーって学費とか生活費をまかなえるほど儲かるのかよ?」

「まあまあだな。とりあえず生活にはこまってないぞ」

「そうか~……ちなみに、月どれくらい稼いでいるんだ?」


「そうだなぁ~まあ、月100万といったところだな」


「!?…………はっ?」


「月の稼ぎだろ? だから100万くらいだと言っている」


「ええええええええええ!? そんなに稼いでんのぉ?!」

「??…………ああ、別にそんなもんだろ。まあその程度の稼ぎなので生活費はちょっと切り詰めてギリギリといったところだ」


 そんなわけねーだろ! どんな使い方したら毎月一○○万円がギリギリなんて生活になんだよ! てゆうか、コイツ本当に何者なんだ?


「と……とにかく、俺はお前みたいに月100万なんて稼げねーし、普通に月10万くらいは必要だろうから、忙しくてサークルにはあまり顔出せねーぞ」


 そう言って、俺は部室に顔を出さないで済むように話を持っていこうとした。我ながら完璧だ…………と思ったその策は、あっけなく崩れることとなる。


「何? 月一○万でいいのか? だったらワタシがお前を雇ってやる」

「へっ?」

「だから、ワタシが毎月一○万でお前を雇うといっている。月一〇万でいいのならワタシが出すからお前はワタシの奴隷となれ。以上だ」


 ガーン……………………開いた口が塞がらなかった。


 ということで俺は『サークル部員』兼『豪徳寺さやかの奴隷』ということが決定した。


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