表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/16

第一章 第五話



   5



 ピィィィィィィィィィィィィィィィィィィ~~~~~~!!!


「な……なんだよ!?…………うるせーなー」


 と、俺が耳を塞ぎながら豪徳寺さやかに文句を言おうとしたとき、いきなりドアがいきおいよく開くと、ガタイの大きな黒服の男たちが四~五人ほど入ってきて、俺をあっという間に押さえつけ、地面に這いつくばらさせた。


「えっ? えっ? な……何?」


 俺は突然のことに頭が混乱していた。

すると、豪徳寺さやかがニヤニヤと不敵な笑みを浮かべながら、俺の頭に足を乗っけてきた。


「おいヨージ、よ~く聞け。ワタシはこれからお前を警察に突き出す」

「え?」

「ヨージ……きさま言ったよな。先ほど“もしそれでもムカツクなら警察でも何でも行ってやるよ!”…………と」

「そ……そう? 俺、そんなこと言った?」

「言った」

 

 豪徳寺は冷酷な目をして俺を上から見下ろし、さらにおそろしい笑みを浮かべながら語りだした。


「きさまに今ある選択肢は二つ…………ひとつは、このまま警察に行き、“不法侵入”とさらにワタシへの“強姦未遂”も含まれ、“執行猶予無しの実刑判決”で刑務所行きが“確定”となる」

「はぁ?! “強姦未遂”って、そんなのただの“濡れ衣”じゃねーか!! それにこの程度の事件で“執行猶予無しの実刑”なんてそんなことありえるかよ!」


「フフフ……警察がどう判断するかという問題ではない。こちらが、ただ“そういう事件にする”……ただそれだけのことだ。ちなみに、証拠がある・なしも関係ない」


「なっ…………?!」


「無理だと…………思うか?」


 豪徳寺は、深遠な笑みをより一層浮かべて呟いた。

 俺は青ざめた。


「では、もうひとつの選択肢だが、それはさっきも言ったようにお前がこのサークルの部員になる……それだけだ。どうだ?」

「わ……わかりました。それでお願いします」


 降参しました。完全敗北です。歯向かってごめんなさい。


「ふむ、それで良い」


 豪徳寺はまたピィーっと笛を鳴らした。


 すると、今まで俺を押さえつけていた圧が無くなり、俺はすぐに後ろを振り向いた…………だが、そこにはさっきまで俺を抑えていたはずの黒服のヤツらは消えていた。


「な……何者だよ……あいつら」

「あれはワタシの護衛だ」

「豪徳寺……お前、一体何者だよ」

「案ずるな。ワタシの言うとおりにすればきさまに危害は加えん」


「な……何なんだ、このサークルは」


かくして俺は、晴れてこの 「ヘミシンク研究サークル」 の一員となった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ