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八、その後と出発式


 穂積鈴乃、女、彼氏いない歴16年、彼氏欲しい歴0年、異世界滞在歴約一週間。

 ………………………………。

 それは突然にされました。

 プロポーズ、されました。お相手はそこそこイケメソなモノホン王子様。

 ……………………………………。

 えええ。

 わ、私はいったいどうすればっ!

 何か言うべきだったかな!?

 だ、だだだって、告白とかされたこともしようと思ったことすらなかった私が、お付き合いさえしてない話をした時間も全部で一時間いくかどうかも怪しい異世界の王子様に、い、いきなりだよ!?いきなりいろいろすっとばしてプロポーズだよ!?うあああああああああああああああああ!!!!!

 こら!ほら、ほらって!!落ち着けって自分!!先輩が待ってるんだよ!!

 硬直した足を動かして閉まった扉から離れる。

 うああ、動作の何もかもがやりずらい。とんでもない疲労感が…。

 …窓から夜風が入ってきた。気持ちい…。


「大丈夫??」

「わっ!?」


 隣で声が聞こえた。

 キノさんだ…。


「き、キノさん、いつの間に…」

「何言ってるの~?最初からいたよお?」

「えええええええ!?」

「うっそ~」

「き、キノさん(汗)」


 びっくりした~。

 でも、緊張解けたよ~。


「大丈夫?って、誰?」

「こ、この人がキノさん、です」

「こんばんはアリア君!キロノミーだよ~。キノって呼んでね♪」

「アリ()です。こんばんは」


 あれ?私キノさんに先輩のこと言ったっけ?

 …あ、私達勇者だし、それなりに有名なのかも?


「それで、部屋に来たのはこの人だったのかい?」

「あ、いえ、アル王子でした」

「へえ、大丈夫だったみたいだね?」

「はい。あ、でも、その…えと、…………」


 はてなを浮かべる先輩と左手を口元に当ててクスクス笑をこらえてるキノさんの視線がきつい…。


「ぷぷっ、くくくっ…。プロポーズされたんだよね~!!!」

「!!」

「ちょっ…///」


 キノさあああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!!!


「しかも魔法なんかかけられてるのに、リノちゃんぜーんぜん気付かないんだもん!王子君がんばってたのにねえ!」

「え」


 なにそれ初耳。


「ねえ知ってた??王子って、この国で一、二を争うつよーい魔術師なんだよ~♪」

「へえ、そうだったんだ。王女が剣術すごいとはフォールに聞いたけど」

「わ、私はどっちも…。で、でも、王子、呪文言いませんでしたよ?」

想像魔法(イマージンマジック)なら呪文もなんにもいらないよ♪魔力消費激しいからめったに使う人いないけど~」

「それで、王子が“がんばってたのに”ということは、魔法は成功しなかったんですか?」

「うん。魔法が効きにくい体質なんだと思う」

「おお。鈴乃ちゃん、すごいみたいじゃないか」

「は、はあ…」

「そうでもないんだけどね♪それじゃ、キノはそろそろお暇させてもらうよ♪」

「そうですか。いろいろとお話を聞けると思ったのに」

「また近いうちに会えるさ♪じゃね~♪」


 また、初めて会ったときと同じように、キノさんは消えた。

 突然現れてすぐに消える…。不思議な人だ…。


「…風みたいな人だね」

「風、ですか…そうかも、しれませんね」


 しばらくキノさんが消えた夜を眺めた後、先輩が切り出した。


「プロポーズ、か。…まあ、大事な出発前にへんなことはできないと思ってたからいいけど」

「へんなこと、って、なんですか?」


 先輩は真剣な表情で城下町を眺めている。

 先輩は、フォールさんに聞いたという話を私にしてくれた。


◇◇◇◇


「これより、光の儀をはじめる!!」


 王の宣言に、集まった民衆が歓声をあげた。

 緊張しているのか、鈴乃ちゃんはかすかにふるえている。

 僕達は今城門の少し先にある円形の広場に設置された舞台の上で、王に跪いていた。

 城からのわずかな距離を豪華な馬車数台と兵隊達で行進し、僕達はその馬車の中で大臣だという太った男から簡単な説明を受けた。

 広場の舞台に着いたら王の後から入場し、片膝をついて跪く。僕は剣、鈴乃ちゃんは杖と魔導書を渡され、その後に僕が誓いの言葉を言うそうだ。紙を渡された。今すぐに暗記しろと命令され、気に食わなかったから一回目を通しただけで終わったけどね。

 僕の隣にリスティス王女、鈴乃ちゃんの隣にアルトゥス王子が配置され、背には民衆たちの視線が感じられる。

 興奮と、異様な緊張感…。

 何か起こりそうだな。

 レントゥスあたりかな。

 

「勇者リノ、そなたには、この国最高の職人に作らせた杖と魔導書を授けよう」


 あ、始まってた。


「あ、ありがたき、しあ、わせです」


 豪華な白と金の杖とワインレッドの本が王の手から王子にわたされ、次に鈴乃ちゃんにわたされる。

 わざわざこんなことをしなくていいと思うんだけどな。

 鈴乃ちゃんは王子の笑顔から目を逸らして複雑そうな面持ちで地面を見つめている。

 …昨日の、ショックだったかな。


『彼らは僕らを交配の道具として欲しがってるにすぎないよ』


 言い方がきつかったのかもしれない…。

 昨日、僕は鈴乃ちゃんにフォールから聞いた話を話した。

 その過程でプロポーズされたという鈴乃ちゃんにこう言っちゃったんだけど、トゲが混じったかもしれない。


「勇者様、次ですわよ」

「あ。うん。ありがとう」


 姿勢や首の角度を変えずに王女からの忠告を聞く。

 王が手袋をはめて剣を付き人から受け取った。

 聖剣ユースティティア…。日の光を受けて白銀に輝くそれは、柄も鞘も、刀身も、全てが純白でつくられており、何の装飾もされていないのにどうしようもないほどの美しさを持っている。

 この場にいた人々のほとんどが息を呑んだ。


「そして、勇者アリヤよ…」


 しかし、王がもったいぶった様子で僕の前に来たとき。


「待てよ」


 民衆の中で、一本の手が挙がった。


次話投稿できたと思ってたのにorz

一日おきに投稿するつもりでいたのにorz

でもストックがなくなったからそれもどうだかorz

今後気をつけます(汗)

あ、キノは俺のよm((ry

自分で作ったキャラの中で一番気に入ってるキャラです((はあと(肝)

どうでもいいってね☆

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