表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/15

六、魔法と夢

それはそうとサブタイトルのネーミングをどうかしてほしい。


 異世界にきて二日目の夜。

 舞踏会があった昨日と同じようにバルコニーでお話。

 でも僕は疲れすぎててすぐにダウンしそうだ…。

 だってフォール、訓練容赦ないんだもん…。


「先輩、大丈夫ですか…?」

「正直に言うと、…死ぬ」

「えええ…。じゃ、じゃあ、今日はもう、寝てください」

「うーん…」


 話しておきたいことが山ほどあるんだよ…。

 フォールから聞いた話を、鈴乃ちゃんにも話さないと…。

 でも、体中痛いし、疲れたし、眠い…。


「ごめん…」

「はい…あ、先輩」

「んー?」


 鈴乃ちゃんが右手に何か、白い筆のようなものを持っている。

 空中に文字を書く。水色に光る文字…『癒』?

 字が僕のところに飛んできた。

 そのまま、字が僕にあたり、とけるように入ってくる。


「私の魔法、です。今日、会った人に、教えてもらったんです」

「ガイコツ…じゃない、魔導師長?」

「フフッ。違います。今度話しますね」


 ああ、このこは、こんな笑顔も出来るんだ…。

 ここに来て初めて彼女が明るく笑った気がする…。


「悪いね、気を使わせちゃって」

「いえ、こちらこそ…。おやすみなさい」

「うん、おやすみ」


 室内に戻る。

 心なしか、さっきよりも身体が軽く感じられる。

 魔法、か…。僕も教わってみたいな。


****


「ええっ、教えてもらえないんですか?」


 ここは天の間だろうか。霧がかかっているようだ。

 僕達は、フォールが剣、僕が白い大きな筆を持って構えている。


「フォール隊長も魔法を使えるんでしょ?」

「使えないことになっている」

「教えてもらえないなんて。本当に、どこまでこの国は下等なのか」

「…」


 ユピテル王国。今更になるが、それがこの国の名前だ。

 快楽を司る国であり、国民は皆がお祭り好きらしい。

 しかし、今の王の政治は最悪で、貴族優遇社会に高額の税金、獣人差別、国民の暴動は即弾圧に公開処刑。

 そんな最悪な上流社会に嫌気が差し、演習場に現れた元ユピテル王国第二王子レントゥスは四年前家出をし、王族からは勘当され、一部の集団からは命を狙われているとか狙われてないとか。

 この、獣人差別を推奨する貴族社会である王城に近衛兵隊長として配属されているフォールは、獣人でありながら人間族の兵隊達の信頼と己の圧倒的な実力をもってのし上がってきた。どれだけの努力をし、どれだけの屈辱を受けてきたのだろう。

 それもこれも、彼が唯一認める主君であるレントゥスと、獣人族の地位向上と探し人のためらしい。

 それで、魔法も使えるというが、獣人が魔法を禁止されているのもあって教えてもらえそうな見込みは無い。

 なにより、彼曰く、「命令の範囲外」だから。堅物め。

 でっぷりと太った国王のストゥルトゥスが空中を白と金の(なんで赤じゃないんだよ)しましまの水着で気持ち良さそうに泳いでいる。

 僕達はそれを無視して話を続けた。


「それで、なんで僕達が?魔物がどうのと聞きましたけど」


 王が、いきなり現れて大きく口を開けている魔物の口に泳いでいく。

 ぱくっ。

 ちょっとかわいらしい音を立てて王が口の中に消えた。

 魔物が不味そうに唾を吐くが、王はもう胃の中へ到着してしまったようで出てこない。


「魔物が急増し、魔王の存在が確認されたのは本当だ。しかし、王族の目的は、この国の魔導技術の発展を他国に誇示するためと、暴動の気配のある国民をなだめるためと、異世界の血統の入手。この三つだ」

「血統の、入手…?」

「異世界からの召喚勇者はとても強い力をお持ちしていると聞きますわ」


 魔物が霧に解けて消えた。

 いつのまにかフォールの姿は第一王女リスティスに変わっている。


「でも、俺は期待なんてしないこともないからな」


 王座に向かったリスティスが振り返ると、その姿と声はレントゥスに変わっていた。 

 レントゥスが王座にどさっと座ると、僕の横を第一王子アルトゥスと鈴乃ちゃんがワルツを踊りながら通り過ぎていく。


「さあ、勇者リノ!踊り終わったら子供でも作りましょうか!」

「先輩の疲れが取れてくれますように」

「つれないなあ~」


 ニコニコと笑う王子と踊りながら、鈴乃ちゃんは白い筆で字を書いている。

 『癒』という字が僕の前でくるくると回り、いつの間にか僕は綺麗な森の中、天蓋付きのベットに座っていた。


 うーむ。

 なかなか面白い夢じゃないか…


◇◇◇◇


 覚えたての魔法を使ってみた。 

 キノさんによれば、魔法は魔法でもいろいろあるらしい。

 私がミューエ先生に教わったのは詠唱魔法(チャントマジック)、キノさんに教わったのが描写魔法(ピクトマジック)。他にも、想像魔法(イマージンマジック)精霊魔法(スピリットマジック)など、たくさん聞いた。


『で、人間はよく詠唱魔法を使うんだけど、適性ってのがあってさ~。君にも、得意不得意があるでしょ?リノは得意なことなに?よくすることとか好きなことでもいいよ~』

『わ、私は…。私、絵、が好きです』

『じゃあ描写魔法だね~♪』


 私はキノさんに白い大筆をもらった。

 白い柄に白い穂、柄の両端には見たこともない文字(?)が黒で彫られている。

 これで、想像したものを空中に描くことで魔法が発動するらしい。 

 描くといっても、とくに『描く』訳ではなくて、円を描いたり、線を引いたりするだけで魔力が形を成すとか。便利だね。


『とにかく、魔法はイメージが大事だよ♪がんばってね!』


 それだけ言うと、キノさんは消えてしまった。

 「がんばって」と言った後に強風が吹き、私が目をつぶったとたんにいなくなってしまったのだ。

 キノさん、不思議以外の何者でもなかったな…。

 とにかく、私はなんとかこの魔法を使って木を元に戻すことが出来た。

 『戻』という字を書いたのだ。

 初め、絵を描いて木を元に戻そうとしたけど、元の焦げた木の前にもう一本木が出てきて焦ったよ(汗)

 どうしようかと考えたあげく漢字に辿り着き、新しく現れた木と焦げた木を元に戻すことに成功。

 おおお…。つまりさ、想像できればなんでもできるんじゃない?

 …おおお。

 描写魔法って最強かもしれない。

 先輩に使ってみたけど、ちゃんと成功してくれてるといいな…。


自分で書いた話の内容を忘れてきました((氏

前回どうだったっけ?

今日投稿する話はどうだっけ?

ストック置いて投稿するのも難しいですね!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ