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第3話:出会い

あれは今から五年前のこと。

高校に入って初めての夏。

その頃のあたしは、何をするにも全然やる気なくて、ダラダラしてた。

せっかく第一志望校に入れたっていうのに、頑張ろうって気ではなかった。

毎日毎日、遅刻・早退・サボりが当たり前。

一年にして校内のサボりクイーンになった。

サボる時、校内だとどこでも先生に目をつけられる。

そんな頃にあたしはあの場所を見つけた。

人気のない学校裏。

以来、サボる時は必ずあの場所に行くようになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コラ!」

 

ビクっっ!!

あたしは即座に起き上がった。

目の前には見しらぬ男の人が立っている。

その人は笑いながら言った。

 

「ハハハ。そんなにびっくりした……?(笑)」

 

………よかったぁ〜。

一瞬、先生に見つかったのかと思って、ヒヤっとした。

ホっと胸をなでおろしたあたしに

 

「君が笹峰 奈々ちゃんでしょ?」

 

「え………何であたしの名前……」

 

「学校の常識。」

 

学校の常識って………。

あたし、そんなに有名なんだ?

ってかこの人も、生徒なの?

普通に私服なんすけど………。

 

「あ、俺ね、3年の真木 暁。ちなみに……はい。コレ。」

 

戸惑うあたしに、その人は自己紹介をしてくれた。

親切にも名刺までだして。

 

「いつもココでサボってんの?」

 

「……そぅですけど。」

 

「先生に見付からない?」

 

「今のところは。」

 

男の人はニヤリと笑みを浮かべた。

 

「い〜こと聞いた。俺も今度からココでサボろ。」

 

はぁ?

せっかく今まで独り占めしてきたのに。

 

「独りより、二人のが楽しいよ。」

 

そんなあたしの気をヨソに、男の人は言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからあたしたちは、ちょくちょく会うようになった。

これがあたしと暁の初めての出会い。

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