北の書43 ~自慢はイジメに繋がるぞ!~
「アタシも女だからよく分かるけど、女同士ってそういうイザコザが絶えないじゃない?愛理ちゃんも薄々分かってると思うけど、この辺が男子との大きな違いよね。例えばブランド物のバッグを一生懸命バイト頑張って買ったとする。男同士だったらアイツすげー頑張ったなとか、俺も欲しいって素直な感想が出てくるんだけど女同士だと違うわ。あの子は調子に乗ってるとか、私達にマウント取るために見せびらかしているんだって嫉妬や苛立ちの感情が出てくるのよ。」
「あー分かる気がします。なんででしょうね?女同士だって素直に褒め合うだけなら平和なのに。」
愛理ちゃんはがっくりと肩を落とす。これからの高校生活に恐怖を植え付けてしまったかしら?でもこの子がイジメられないようアタシの持ち得る知識は事前に教えておきたい。
「アタシの知っている説だと、男より女のほうが"共感"の生き物だって昔から言うでしょ?嫉妬などの感情はその高い共感性の裏返しとも言えるわ。つまり相手が自分と同レベルだと安心し、少しでも自分より上のステージに行けばヤキモチから嫌がらせを始め、自分より下だと思った相手は容赦なく見下しイジメる…。最近の言葉だとマウント女なんて言葉があるけど、まさにこの現象にぴったりよ。そして悲しいけどこれが女の世界の真実なのよね。昔からある嫁姑問題なんかも、ある意味でこの類だとアタシは思っているわ。」
「やだなぁ…なんだか怖いな。じゃあもしですよ?もし私が小野くんと付き合ったりしたら、やっぱり周囲の子からイジメられたりするんでしょうか?」
愛理ちゃんが口にした心配は当然の反応と言えよう。
「そこが女の世界の難しいところよね。でも彼氏ができた、くらいなら大丈夫。ほら女って男に比べて恋バナが好きでしょ、どこにデート行くの?とか記念日には何をプレゼントするの、なんてむしろ話題提供になるくらいね。ただそれで調子に乗って私達ラブラブなの♡羨ましいでしょ♡って態度になると途端にイジメられるから気をつけてね。」
「じゃあ調子に乗っていると思われない方法、何かありますか?」
もちろんよ、とアタシは愛理ちゃんの目を見ながら大きく頷く。そもそも脅かすだけでは意味がない、わざわざこんな話をしているのもその対策を教えるためなのだから。
「いい方法があるわよ、それは謙虚な態度になること。彼氏ができると周りの子から良いな~って言われまくるけど、そんなときに皆が思うほどキラキラじゃないよ~って雰囲気に持って行くの。」
「どういうことでしょうか?」
「前にも言ったけど、人は良いことばかり聞いていると自慢話を聞かされている気になってきて不快な気分になるの。ここでその人間心理を逆手に取るのよ、つまりいい話ばかりにならないようにたまに悪い話を混ぜるわけ。例えば交際開始したのは良いけどあまりデートに行けてないとか、私はたくさん電話したい派なんだけど彼はそんなに電話好きじゃなくて…のように、小さくてもいいからがっかりエピソードを上手に混ぜるのよ。」
「なるほど!それなら鬱陶しいバカップルみたいに見られることも無さそうですね。それなりに悩みのあるカップルなんだって感じ。」
「ええ。だけどここで注意するのは、嘘だけはだめよ。なぜかというとおせっかいな女子が彼にチクりに行くのよ、学校なんて狭い空間だとまず間違いなく。ここで嘘情報が彼に伝わると、俺はそんなこと言ってないそんなつもりはないって、余計なトラブルに発展するわ。だから話すなら真実だけを話すようにするの。まぁこれは恋バナ以外にも使えるテクニックだけどね。」
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※この話は一部フィクションです。




