北の書28 ~思春期最大の悩み クリスマスパーティの駆け引き・7~
そろそろ帰ろう。でも外は寒いから、アタシと愛理ちゃんの分でそれぞれ1つずつ、テイクアウト用の温かい飲み物を注文しておいた。愛理ちゃんは妹へのお土産でミルククッキーも頼んでいた。アタシが払うと言ったが妹の分は私がお金を出すと言って引かないので、クッキー代だけもらうことにした。
「それでもう一つの方法ってなんですか?」
「これから説明する方はちょっと積極性が必要なのと、下準備が必要なの。いい?まずはクリスマスパーティ会場であるキサラギさんの家に入ったら、すぐに記録係を立候補するのよ。平たく言えばカメラマンってところね。」
「カメラマン?パーティの様子を写真で撮影したり、動画撮影したりするってことでしょうか?」
愛理ちゃんが首をひねりながら答える。どうやらこういうパーティに初参加する愛理ちゃんは、まだピンと来ていないようね。
「そうよ、それでここからが重要なの。恐らくパーティも2時間くらいしたら雰囲気も落ち着いてくるはず。そうしたらさり気なく『撮ったやつをみんなにも確認してほしいな』ってお願いするの。今の若い子たちはみんなSNSをやっているから、当然写真や動画を欲しがるわ。そこで『じゃあデータを送たいから、ほしい人は連絡先教えて』って言えばいいわ。」
「なるほど、しかもそれなら小野くんと写真を撮る口実にもできますね!」
「早速気づいたわね、そういう応用も効くのよ。送るときに違うアプリを指示されても、使い方が分からないとか理由をつけて、あくまで連絡先交換に持ち込むのよ?」
愛理ちゃんは早速この方法を試したくて仕方ない様子。カメラ係だからと理由をつけて好きな男子と2ショット撮影したりもできるんだから、テンション上がるのも当然だわね。
「ただこの方法のデメリットとして、常にカメラ要員として立ち回るからクリスマスパーティを楽しむ余裕なんてないの。それでもいいならこの方法を使いなさい、流れに身を任せるよりは自分で積極的に連絡先交換に持ち込めるのがメリットってところね。」
「メリット・デメリットもきちんと教えてくれるなんて心強いです!うーんそれじゃ私、頑張ってカメラ係になろうかな。」
「もう役割が決まっている可能性もあるから、一度お友達に連絡して相談してみたら?まだ誰も決まっていないならチャンスよ!」
そう話していると店員がテーブルのところに来て、注文していた品ができたと案内された。それじゃあお会計して出ましょうか。
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※この話は一部フィクションです。




