北の書23 ~思春期最大の悩み クリスマスパーティの駆け引き・2~
のり子と愛理ちゃんの、スマホアプリでのメッセージやりとりです。「」がのり子、『』が愛理ちゃんです。
『なぜクリスマスプレゼントに気合いを入れたらダメなんですか?プレゼント用の包装紙で包んでしまえば中身は分からないんじゃ?』
「そうじゃなくてね。大人数のパーティでのプレゼント交換って、曲に合わせて人から人へ渡しあって曲が止まったところで持っていた人が当選したり、ビンゴやあみだくじで配ったりするのが定番なのよ。だから愛理ちゃんが小野くんのために気合い入れて用意しても、他の男子の手に渡ってしまう可能性があるってわけ。」
『なるほど。じゃあ小野くんの分だけ別に持っていって、なんとか二人きりになるチャンスを作って渡すのはどうでしょう!?』
「そんなことしたら愛理ちゃんが小野くんのことを好きなのがモロバレになるわよ。しかも相手は恋のライバルが多くて、愛理ちゃんは彼への恋心を周囲に秘密にしている。つまり"モテ男に抜け駆けでプレゼント攻撃したずるい女"って印象を周囲に与えることにもなるわ。」
『そっか、そうですよね。』
「もっと言えば、まだそんなに仲良くないんでしょう?それなのに気合いの入ったプレゼントをいきなり渡されたら、彼は引いてしまうんじゃないかしら?優しい性格ならお返しどうしようって気を使わせることにもなるし、第一もし彼に別の本命がいたりすればそれこそ笑い者よ?」
『た、確かに…。のり子さんに相談して良かったです、危うく一人で暴走するところでした。』
「そういうこと。プレゼントをあげる前にまず相手の気持ちをよく確かめた方がいいわね。」
『もしかしてのり子さんも、私みたいな経験が?』
「まぁね、アタシだって伊達に"人生の先輩"やってないわよ。それに多分そのクリスマスパーティ、愛理ちゃん以外にも小野くんを狙ってる女子がいる確率はすごく高いわね。きっとみんなで遊ぼうって名目でそのライバルも好きな男子に急接近したいのよ。考えることはみんな一緒ってところかしら。」
『でも…もし他の子に先を越されちゃったらと思うと焦っちゃいます。』
「それは仕方ないわ。なぜなら誰を好きになって誰と交際するのかは、彼の自由だから。そのときは潔くいっぱい泣いて諦める、だって無理に振り向かせようとしたって嫌われるのがオチだもの。愛理ちゃんだったらどう?興味のない相手から繰り返しアプローチされても、鬱陶しいだけだと思わない?」
『そうですよね…。決めた!私、今回のクリスマスパーティは彼の様子見って感じで行くことにします。よく考えたら私、当日緊張しちゃってアタックするどころじゃないかもしれないし。』
「そうね。まずは態度でバレないよう、イメージトレーニングして少しでも緊張しないようにしておくのがいいかもね。恋に焦りは禁物なのよ。」
『はい!あ、それで男子へのプレゼントは何にしましょう。誰に渡っても良いように、誰でも使える物がいいですよね?』
「これから寒くなるし、マフラーとか手袋なんかが良いと思うわ。ありきたりかもしれないけど、季節的にも実用性があるしもらって損なものじゃないからね。ただ他の人と被らないデザインがいいわ、その方がプレゼント感も出るし。あと今の時代だとネットでも使えるギフト券なんかは喜ばれそうだけど、そもそもいくら渡すかが難しいところね。それになんだか"はいお金あげる"って感じでいやらしい気もするからアタシはおすすめしないわ。」
『とっても参考になります!ありがとうございました!!』
その後、愛理ちゃんからコレに決めました!とマフラーの画像が送られてきた。黒字にグレーと赤のラインが刺繍されていて、さらに海外メーカーのワンポイントが付いている男子受けが良さそうなデザインである。これなら他の人と被る心配はなさそうだし、愛理ちゃん結構センスいいわね。
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※この話は一部フィクションです。




