北の書21 ~思春期最大の悩み 雅樹の青春・2~
「さっき言った通り、その子と同じ公立高校を受験し合格しました。友達と一緒に合格発表へ見に行って、オレもその子も無事に合格していました。まぁ相手のほうが勉強できていたから、オレが受かれば当然彼女も受かるんですけど。猛勉強した甲斐あって同じ高校へ通うことになったわけですね。あのときは嬉しかったなぁ~。」
「ちょっと待って、その好きな子と直接会話できたの?中学の時はほとんど会話がなかった、みたいにさっき言っていたけど。」
「あぁ、直接話さなくても合格したかどうかは分かりますよ。オレの高校…というかほとんどの学校がそうだと思いますけど、合格者はそのまま列に並んで制服の採寸をするんですよ。だから順番待ちの列をよーく見るだけで誰が合格したか、一目で分かっちゃうわけです。さすがに男女で並ぶ列は別でしたけど。」
「そういえばそうだったわね、アタシも言われて思い出したわ。そんなことよりどうだったのよ、雅樹くんの恋路は。」
「結論を言うと彼女、既にその学校の先輩と交際が始まっていたんです。」
「えっ!だってさっき、男子のアプローチは全部断ってたって言ってたじゃない。」
「えぇ。友達から聞いた話ですけど、なんでも『高校受験を無事に合格できたら交際開始する』という約束だったらしいです。その先輩の方も2歳しか年齢が離れていないとは言え、女子中学生と交際というのはさすがに気が引けたんでしょうね。だからオレの初恋は告白することもされることもなく玉砕が確定しました。高校入学早々、泣いたな~家で。」
天井を仰ぐように首を上げながら話す雅樹くん、どことなく目元が潤んでいるような…?でもアタシは気づかないフリをした。
「でも涙が出たってことは、それだけ本気で好きだったってことじゃない?」
「そりゃそうですよ、友人としては小学校のときからの付き合いでしたからね。しかも泣いたのは友達と電話してるときでしたからね~。友達は自分が何か悪いこと言ったんじゃないかと焦ってるし、オレは泣きながら笑ってるし今思い出しても変な感じでしたよ。」
「もしかして、雅樹くん今でもその子を…?」
「いやさすがにそんなに引きずってないですよ、ただダメ元で自分の思いを打ち明けても良かったのかなーとは思いますね。ほらよく言うでしょう、こっぴどくフラれるとしばらくはとても落ち込むけど、時間が経てばスッキリ次に行けるって。オレは思いを伝えることもなく勝手に失恋した感じですから、正直今でも心のどこかに引っかかりは感じていますね。」
雅樹くんはそこまで言うと仕事に戻った。彼の気持ちはアタシにもよく分かる、アタシの恋も思いを打ち明けることなく終わってしまったからね。
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※この話は一部フィクションです。




