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北の書19 ~思春期最大の悩み 占いのタブー~

 自分で自分を占う…正直子供でも思い浮かぶ発想よね、ある意味キラキラした目でまっすぐアタシを見ながら言い放つ今の雅樹くんは本当に小学生みたいだけど。でもね。

 「それはダメなのよ、やってはいけないことなの。占いにおける禁止事項ってやつね。」

 「どうして?」

 「うーんどこから得た情報だったか忘れてしまったのだけど、とにかく占い師が自分で自分を占ってはいけないの。そうすると力を失って、その人の占いには効力が出なくなるんですって。だからアタシ、今まで一回も自分で自分の運勢を占ったことがないのよ。」


 ちぇ、つまんないの。と言いながら腕を組み唇を突き出す雅樹くん。もしアニメだったらかなりギャグタッチの間抜け面で描かれるんでしょうね。

 「どんな職業にもそういうタブーとかルールってあるでしょう?例えば"僧侶は色欲に狂うことなく慎ましく生きよ"とか、"危険な現場作業ではヘルメットと安全靴は必ず着用すべし"みたいな。きっとそんな感じね。まぁいいじゃない、今週末に街コン行くんでしょ?」

 話を戻すとそういえばそうだった、という顔になる雅樹くん。

 「のり子さんの占いでは、ガツガツするながキーワードでしたっけ?気を付けまーす。」

 「本当かしら…どうせその街コン、お酒が出るんでしょ?酔ってアタシのアドバイスなんかすっかり忘れちゃうんじゃない。」

 大丈夫ですって、オレお酒強いから!そう言いながらパソコン作業に戻る雅樹くん。


 「そういえば雅樹くんって学生時代はどうだったのよ?モテたの?」

 ちょうど飲んでいたコーヒーでむせたのか、ゴホッゲホッと大きく咳き込んでいる。大丈夫かしら?

 「な、なんですか急に!」

 「ちょっと汚いわよ。だってアタシの話はしたけど雅樹くんのことはほとんど話題に出なかったから。で、どうなのよ?」


 机やキーボードに飛んだのか今度はアルコールティッシュで周囲を拭きながら答える。

 「もちろんモテモテでしたよ!バレンタインデーなんてそりゃもう周りの男子と個数を競ってもオレが一番もらってたくらいだし!」

 「怪しいわねー、だいたいモテない人ほどそうやって話を盛るって相場が決まっているのよ。どうせチョコくれていたのはお母さんと妹なんでしょ、しかも妹の分は試作品や失敗作ってところかしら。さらに妹がいる雅樹くんは一人っ子や男兄弟しかいない友達より当然有利になるから、入手できる数も友達と比べて多くなる…どうかしら、アタシの推理は?」


 さ、仕事仕事~と言いながらアタシの方を見ようともせずキーボードをせわしなく打ち出す雅樹くん。図星ってことね。


 いつも閲覧・評価ありがとうございます。感想・誤字の指摘などありましたらよろしくお願いいたします。

 ※この話は一部フィクションです。



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