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北の書1 ~訪問者は中学生~

 アタシは川島田のり子、某なんでも屋さんで働く実力派の美女。普段は受付レディを担当しつつ、受けた依頼は持ち前の行動力と頭の回転でスピード解決しているわ!…実際はペットのお散歩代行やベビーシッター、家事代行なんかがほとんどだから、解決って表現だと語弊があるのだけれど。

 家事代行を受ける私は、当然料理も掃除もパーフェクト。依頼料分はキッチリ働かせていただくわ!



 他の依頼はどうかって?そうねぇ…結婚式の替え玉出席とか、街コン一人で行くの恥ずかしいので同行してください!なんて依頼も最近はチラホラあるわね。ちなみに街コンっていうのは「街ぐるみでやる合コン」みたいなものね、詳しく知りたい人は自分で検索してちょうだい。



 それで今日はアタシが事務所で留守番なの。正確には午前中、とある著名人の買っているワンちゃん2匹のお散歩代行を2時間済ませて来たから、遊んでるわけじゃないわよ?

 有名な芸能人やアイドルの人たちって大変よね、ペットの散歩にすら気を使うみたい。実はもう1回夕方にも行くのよ、アタシもワンちゃん達に懐かれちゃって他の依頼がないときはなるべく受けるようにしているわ。



 まぁそんな話は置いておいて今はお昼の時間ね、11月でも日中はまだ温かいわ。アタシはとある人物を待っているの。



 西城愛里ちゃん…以前、とある依頼で知り合った女の子。今でもたまに連絡は取り合っているんだけど、この前彼女の方から相談があると言われてね。メッセージアプリだと文字を打ち込むのが面倒くさいし、せっかくなら直接話しましょうってアタシが誘ったの。



 同僚二人はアタシが夕方のお散歩代行へ行くまで帰ってこないし、ちょうどいいわ。今日は平日で愛理ちゃんは中学生だから普通は授業なんだけど、学校の創立記念日とかで特別にお休みなんだそうよ。まぁ情報通のアタシは当然知ってて誘ったんだけど。



 来る前にお湯でも沸かしておこうかしら、と思った頃足音が聞こえてきたわ。

 「ピンポーン!」





 入口ドアを開けると、約束よりちょっと早めに来ちゃいましたと微笑みながら愛理ちゃんが立っていたわ。この子の笑顔は本当に、天使のようにかわいいのよねのり子は思う。

 それにファッション…上はクリーム色のニットカーディガンに、下は落ち着いたグリーンのロングスカートと栗色のスニーカーね。全体的に秋を象徴する色合いでうまくまとめているみたいね。

 個人的には靴がスニーカーである点が、無理に大人っぽい背伸びをしてない感じで好印象ね。もちろんすぐに事務所に招き入れたわ。



 アタシが先に頼んでおいたピザがほぼ同時に到着すると、私も払います!と言い出す愛理ちゃん。アタシが勝手に頼んだものだからと言っても愛理ちゃんは引き下がらない。だけど大のオトナが中学生に払わせるわけに行かないし、愛理ちゃんが大人になったらカフェ一回奢ってねということで折り合いをつけたわ。やっぱりこの子、中学生ながらかなりしっかりしてるわね。



 そんなしっかり者の愛理ちゃんの相談だからこそ、アタシは全力で力になってあげたいのよね。


 いつも閲覧・評価ありがとうございます。感想・誤字の指摘などありましたらよろしくお願いいたします。

 ※この話は一部フィクションです。



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