北の書10 ~思春期最大の悩み 黒歴史こそ大切~
「でもせっかくの恋バナタイムなのに、どうして黒歴史の話をしたんですか?普通こういうときって胸がキュンとしたエピソードを話したりしません?」
モナカを片手にもっともらしい事を言う愛理ちゃん。一理ある、というか一理しかない。しかしアタシが自ら黒歴史を公開したのにはきちんと理由があるのよね。
「これはあくまでもアタシの持論なんだけど、良い?昔から"失敗は成功の母"とよく言うでしょ。こと他人の話においては、失敗談を聞き出したほうが成功につながるとアタシは思っているの。」
「はぁ…。」
イマイチしっくり来ていない様子の表情を浮かべる愛理ちゃん。
「そうね…じゃあ分かりやすく例を出しましょうか。例えば有名サッカー選手のNがどうやってメジャーリーガーになりましたかと質問されて、『5歳の頃から毎日サッカーボールで3時間は練習してました』なんて答えているインタビューをたまにテレビで見たりしない?」
「そういうインタビューの受け答え、よくありますよね。」
「でもね、同じことを…いえそれ以上のことをしても同じように成功するとは限らないでしょう?3歳の頃から毎日10時間練習していたって、メジャーリーガーになれない人だっている。逆に中学校からサッカーを始めて3年後にはプロ選手にデビューする人だっている。」
「いわゆる才能の差…ですか?」
「あくまで一例だけどね。つまり何が言いたいかというと、成功体験なんか聞いたって何の参考にもならないわ。人は"どうやったら成功するか"を知りたがるけど、本当は"どうやったら大失敗しないか"を知る方が大切だとアタシは思うのよ。これは恋愛にも通じるものがあるわね。」
「うーん、なんとなく分かるような気はしますけど。じゃあ失敗パターンの方はどうなんですか?」
「恋愛のやらかしと言えば、今も昔も浮気・不倫よね。例えばテレビをつければ有名人の不倫なんてほぼ毎日報道されるけど、あれ見てどう思う?」
「え…多額の慰謝料取られて大変だな、とか浮気された側のご家族がかわいそうだなって思います。」
「まぁ当然そのような感想を抱くわよね。じゃあそういう感想を持った愛理ちゃんは、将来不倫してみたいと思う?」
「絶対イヤです!一回の火遊びで慰謝料を何百万円も取られるなんて信じられない!」
大きく頭を左右に振りながら必死に否定する愛理ちゃん。
「でしょ?そういう風に思えるだけでも、"他人の失敗談から貴重な学びを得てる"と言えるんじゃないかしら。それに成功話って自慢にしか聞こえないことも多くて、アタシ自身があまり好きじゃないっていうのもあるわね。」
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※この話は一部フィクションです。




