Reaper
私は、天国と地獄の門番、閻魔を前に緊張していた
「次の者、前へ」手下の鬼の声が響き渡った
1歩前進し鬼に死神の手帳を手渡すと、やがて鬼から閻魔へと
渡された
「お前は、死神の仕事を全うできるか?」閻魔の鋭い眼光に
膝が震えた
「導きは神聖なる仕事、やもえず導く時もやがて出てくるだろう
その時に冷静な判断を下せるか?、情に流される事は、無いか?」
まるで就職の面談を思わせる問いに、つい自分が人間から死神への
変身の立場に立たされてる事実を忘れてしまいそうになる
「それは、分かりません。ついこの前まで人間やってた訳ですし、
多少情に流さ・・・」
「馬鹿門がぁ」私の言い訳地味た話しを閻魔の喝が断ち切った
「この場に居る時点で人間だった事など完全に断ち切れずに居るとは
何たる半端者!」閻魔のただでさえ赤い顔がみるみる更に赤みを増し
てくのが手に取る様に分かった
「良いか、死神に情など無用。使命は導きそれだけだ。人間界には
理不尽な事が渦巻いとる。出くわす度に情に流されておっては、
仕事に支障をきたすのは目に見えておろう。ワシが導きリストを
記しておいた。全てを導く事が出来た時、お前を人間界へ還す事を
約束しよう。」
閻魔から手帳を受け取った鬼から手帳を受け取る。そこにはビッシリ
と導く人名が記されていた
「次の者、前へ」私の後ろで待っていた「受験者」に押し出される
様に私は、その場を後にした
これは、当分人間界には帰れそうに無いわね・・・諦めにも似た
気持ちで下界へ向かう。下界は月に照らされ銀の宇宙の如く
輝いていた
今夜は、月夜なのね。あら?あの病室の男・・ひょっとして?
見覚えあるその男の元へ私は、向かった。
終
はい続編です。「死神に愛を」「月連れし者」の間に入る接続的ネタでした。いつかこんなパターンで物語を書いてみたいと思ってました。
とりあえずこの死神ネタは、これで完結ですがまた何か死神ネタを思い付いたら別の話として書いてみたいと思います。