表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
極東西遊記~古代日本に転生したぽいので建国してみた  作者: 星 武臣
第4章 天下布武(岐阜・滋賀南部編)
99/190

80話 お稲荷様と調味料2 その3

名古屋市が名護屋と表記されて居るのは誤変換では無く仕様です。

熊野歴4月中旬


 ひょんな事から土岐の開発を任された。ココから北に有る中津川・恵那市は以前馬が居ないか探しに行った事が有るが、普通に稲作していたな。木曽川が流れる地域は中流とは言え水量が豊富な為、農業用水の確保が出来ているらしい。


 川を使い杉やヒノキのなどの木材を名護屋方面に流すとして、その集積地や街道の宿場町として繁栄させたいと思う。でも俺の記憶が確かなら土岐に中山道は通って居ない。北の中津川から山を抜けて関市に出るようだ。土岐と言えばウランが取れ原子力研究施設が有ったな。核融合発電が成功したとかしないとかネットのニュースで見た気がする。


 そんなものはこの時代に出来る訳がない。この辺りで鉱山開発はタブーだな死人が出るかもしれない。健康上問題が無ければ矢じりの先端を劣化ウランとかに出来るんだけどな。と言うかこの人達なんでこんな所に住んでいるんだ?


「ねえ、なんでこんな所に住んでるの?」


「ここは焼き物に使う良質な土が取れるずら」


 焼き物か何処の人も土器好きだよね、国土の7割が山と呼ばれて居る日本では木は生え放題だ、くり抜いて器とかにしたら良いのにね。まあ、火に掛けれないから土鍋としての利用価値は有るのだけどな。


 土器の種類増やして見る? ぐい呑みとか作って売れば儲かるかもしれない。多分この辺りの人は草とかを土器に被せて焼く方法を取っているよな、現代だと巨大なオーブンの様な物で作れるが、古典的なやり方だと窯とかの施設が居るな。伊勢に有る炭焼き小屋と同じもので良いとは思うが……


 正直な話、和食の料理人として素焼きの陶器しかないのは気に入らないんだよね。陶磁器を焼くのは凄く面倒だがテコ入れしてみようか。とは言っても陶磁器資料館でやった陶芸体験では型を作ったら後は職員の人がやってくれたからな。ココから先は推理になる、もちろん職業柄陶芸に関して最低限の知識は有るがな。


 陶芸に使う窯は亀の甲羅の様なと言うか、ピザを焼く窯と同じく半円状の窯だな。多分あの形が熱効率の良いのだろう。これを土魔法で作って行こう。焼く時間と温度が問題だよな。時間は一日以上焼くのは確かなんだけどな。こればかり試行錯誤が必要か?


 今回は試作品として素焼きされた壺に、釉薬を塗って焼いてみよう。

 釉薬とは石英や蛍石などガラス状の石を砕いた物を泥状にした土と共に塗って焼く方法だな。銅の錆と一緒に塗ると緑色になると、古田織部を題材にした漫画に描いて有ったから。鉄粉とかを混ぜて色を出すんだと思う。絵付けとかもこれで出来る。


 そう言えばタマは何処に行った?


「なぁ~はっはっ、まだまだ行くのじゃ」


「おお、奇跡だべ。神は我々の前に降臨したずら!!」


 ああ、空き地に食物の苗を生やしているのか。タマはおだてると調子に乗る愛すべきバカだ、連作障害とか植物は水をやらないと枯れるとかの問題を考えていないな。はぁタマの尻ぬぐいも考えないといけないのか頭が痛い。


「ようやく外に出て来たか主様よ。この水晶なのじゃが魔法が込められないのじゃ」


 そう言って手渡されたのは、水晶に似ているが特徴的な六角形の結晶をしておらず表面がザラザラした石だった。


「これは石英かな? コイツは俺が有効利用するよ」


 ガラス質の石は手に入ったが、色も付けたい所だな。伊勢に戻れば辰砂(硫化水銀)が有るんだけどな。とりあえず砂鉄を採取してみよう。最近武器を青銅製にして良かったな。さて電磁石を作ろうか。コイルになるもの物は有るだろうか? 最悪竹にも電気は通るから竹ひごでも良いが槍に巻き安い植物が良いな。蔦状の植物で代用してみようか。


 槍に蔓を巻き魔法で電気を流す。抵抗はかなり有るが何とか通る、それで地面を引きずって見るとなんとか砂鉄が取れた。よかったこの辺りでも砂鉄は取れるんだな。


 これで材料は揃った、早速既に有る土器に釉薬を塗り焼いて見よう。今回は火力が必要だと思われるので油分を含む松の木を使い焼く事にした。土器を大量生産するとしたら轆轤(ろくろ)とかも欲しい所だ。中華料理の回転テーブルの様に誰かに回して貰っても良いが水車とか作った方が楽だよね。


 水車の製作は奈良で猿田彦に頼んでいるが普及するのにはまだ時間が掛かる。今の所は下地だけでも作って置くか、土岐川は少し上流で二つに分岐している。この二つの流れを堰き止めて川幅を広くしてみようか。堰き止めると言っても1m程の土の壁で仕切った物を段階的に設置すると言った物を作る。


 生前、テレビでアメリカのラスベガスが水不足で、その問題をビーバーの作るダムが役に立つので、保護活動を推進していると言うの見た事が有る。それに習い小型のダムを幾つか用意してこの地の水不足を解消しようと言う訳だな。


 しかし、俺の魔法は土木作業が主体になって来ているな。おかげで土魔法は上達したが、もう少しカッコ良い技を覚えたい物だ。まったくドコの八男だよ。いや、アイツは普通に色んな魔法使えるか、羨ましい限りだ。


 上流を土の壁で堰き止めながら、この地域の特産品につて考えて見た。大体の日本の山間部のお土産は栃の実せんべいとかだよな。後は道の駅でキノコが売ってるとかかな。ここから北の中津川市は栗きんとんが有名だから栗の木は生えているだろう。


 キノコか、キノコに電気刺激を与えると地下の菌糸が断裂して、その修復作業でキノコの発育が良くなるらしい。コレは雷が落ちるとキノコが生えて来ると言う民間伝承を科学的に解明したもので、人間の骨が折れた後に強くなる様な物かな。たしか実験に成功したのはシイタケとなめこだったかな。


 おお、たしかこの辺りはシイタケの原木栽培をしていたな。アレは素人が見様見真似でやって成功するだろうか? 少なくとも木を組んでシイタケの生え易い環境を作れば収穫量は増えそうだけどな。理想としては木箱に入れたおが屑とかで室内栽培すれば、丸太に加工した端材の有効利用が出来るし一石二鳥だが……


 キノコの収穫は秋だが仕掛けだけは今のうちからやって置いた方がいいだろう。とは言っても素人に出来る事は藪を払って置くとか間伐して風通しを良くするとかだけどな。陶器が焼きあがるのに時間が掛かるし明日は山を案内して貰うかな。


 土木作業をしながらアレコレ考えて居ると日も暮れてきたな。

 一度集落に戻り明日の山を案内してくれる人を探そうか。


 集落に戻ると大がかりな炊事の煙が上がり人が集落中央の広場に集まっていた。


「タマこれは何かの祭りか?」


「主様よ聞くが良いコレはワシを称える祭りじゃ、村の物が肉を用意してくれたのじゃ」

 そう言えば昼間、神が降臨したとか騒いでいたな。


 村人達が用意したのはツキノワグマだ。どうやら刺身で食べるらしい。

 ツキノワグマは食べた事がないな。


 食べて見ると臭みは有るが甘味が有って意外と旨い。生姜かニンニクのすりおろしが有れば欲しい所だな。


「コレをかじって食べると旨いずら」


 そう言って手渡されたのはワサビだった。この辺りにも有るんだな。さすがにこの時代の人はワサビの美味しい食べ方はしらないか、俺は少しザラザラした石を探しワサビをすりおろした。ワサビやカラシに含まれる辛み成分は酸素と結合する事により辛みが増すんだ。


 今は塩を付けて食べているが醤油が欲しいな。タマが植えた大豆で醤油が作れれば、この地の名物料理は出来そうだな。暫く醤油は伊勢からの輸入品になるだろうが、軌道に乗れば特産品として長野方面に販売できるかもな。


「さあ、皆これを漬けて食べてくれ」


「ぐはっ、鼻がつ~んとする。なんだこれは」


「ワサビだけど、口に合わなかった?」


「これがワサビだと……」


 少しビックリしただけで味は嫌いじゃなさそうだ。村人たちが珍しい味に我先にと集まってきたが、食べ方の違いの問題なのでワサビのおろし方を教えて置いた。そうすると何を期待したのか俺の周りに料理や飲み物が集まって来た。


 飲み物の方は木の実をすり潰した物だと思うが、これアルコール入っているよな。何が原材料か気になったので材料を聞いて見ると材料が目の前に運ばれた。サルナシや木苺に交じって信じられない物がソコにあった。コレどう見てもブドウだよな何故日本にコレが有るんだ?


「これ何?」


「エビヅルずら」


 確かに、エビの目の様に棒状の枝に丸い果実が付いて居るが、何でエビヅルなんだろうか? まあ、川エビ位はこの地にも居るか。


 それはさて置き、味にバラつきが有るな。甘い物だけを選別して育てて行けば、新たな名物になるかもしれない。


「これも食って見てくれ」


「うわ、蜂の子だ」


「ヘボの子ずら」

 

 長野県では食べるとは聞いていたが、この辺りでも食べるのか、なんかまだ動いているヤツもいるし、かなりグロテスクだな。個人的には食べたくないが、養蜂は出来そうだ。


 蜂の子も佃煮を作って瓶詰めして売り出すかな。幸いガラスの材料の石英は取れるし、鋳型を作って流し込めば作れるだろう。


 作って居る陶器が焼き上がったら、水晶や石英の産地の恵那に行って見よう。

補足説明


土岐市は織部焼発祥の地で、陶磁器生産日本一の町です。


少し強引では有りますが植物に電気を通す事は可能です。何万V必要なんだよとかの突っ込みは無しの方向でお願いします。黒い色をつけたければ墨や炭で良かったのかもしれない。


北の中津川市には鉄鉱石の取れる場所が有り、洪水などでその土砂が堆積してできた地形なので恐らく砂鉄は取れる。


シイタケの原木栽培は3年程の期間を必要としますが、菌床栽培と呼ばれるおが屑と米ぬかで育てるタイプの物は年3~4回の収穫が出来ます。


海老の語源がエビヅルに目が似ている事から来ています。


エビヅルと山ぶどうは違う品種ですが、どちらも縄文時代から存在します。作中では見た目が似ているので混同していますが、山ぶどうのみを生産して行く予定です。


土岐市の山の中腹に稲荷神社が有るので、今回タマに頑張ってもらいましたが、熊野神社も複数あるんですよね。何か祭事をとり行うかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ