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極東西遊記~古代日本に転生したぽいので建国してみた  作者: 星 武臣
第3章 そうだ 京都に行こう
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外伝 八咫鴉のその後

熊野暦1月中旬――鞍馬山山中


 俺の名前はヤタロウ誇り高き八咫鴉の特攻隊長だ、

 だが無様にも人間に壁に埋められ身動きが取れなくなっている。

 このまま死ぬのじゃないかと不安になって居ると幼馴染の烏丸(からすま)がやって来た。

 烏丸は族長の娘で時期後継者と言われて居るが残念ながらメスなので、

 一族から後継を疑問視されている厄介な境遇にある。


「おい、ヤタロウ何やってるんだ? 新しい遊びか? ボクも混ぜろよ」

 

「遊びじゃねぇし、早く助けろ」


「う~ん、コレは魔法で作った壁だね。

 しかもかなり頑丈だ、でもボクにかかればお茶の子さいさいだよ。

 風の眷属たる烏丸が求む、激しき旋風よ我が手に宿りて刃と化せ、旋風破岩掌(せんぷうはがんしょう)


 烏丸の手に宿った風は激しく渦を巻き、ガリガリと岩を削って行く。

 こっちに破片が飛んで来て少し痛かったが、暫くすると壁から開放された。


「しかしヤタロウがやられるなんて珍しいね」


「ふん、次はまけん、そんな事より白い狐が現れたぞ」


「口伝で伝えられる、白面金毛の九尾の狐かい?」


「人化していたから体毛までは分からないが、

 伝承に有る狐だとマズい事になる里長に報告せねば」


 すぐさま里に戻り里長に狐の容姿やその時の状況などを事細かく説明した。

 口伝に有る狐は気まぐれに妖怪を襲うが一番仇をなすのが人間に対してであり、

 その人間と共に有るのは不可解だと言っていた。


 見た所人間に使役されて居たように見えるが、

 真名を見破られてあの扇の様な呪術具で縛られていたのだろうか?

 隣の国にはそのような技が有ると聞いた事が有る。

 だとすると危なかった、俺もあの呪術具で叩かれていたからな。


 里長は透視魔法の水鏡の術を使い狐の行くえを探り、

 暫くすると驚愕の声を上げた。


「こっ…… これはまさしく口伝に伝わる白面の狐」


 金毛と九尾は何処に行ったのだろうか?

 話には尾ひれが付くとかそう言う類の物か?


 村長の話では元々烏丸一族は平地に住んでいたが、

 その九尾の狐とやらに住みかを奪われ現在の場所に隠れ住む様になったらしい。

 たしかにあの狐からは只ならぬ存在感を感じていたがそれほどの物だろうか?

 今度合ったら人間共々蹴散らしてくれようぞ。


 だが、あの人間に負けるようでは話にならない、

 以前にも増して鍛錬をつける必要が有りそうだ。


「烏丸、一族秘伝の技を伝授してくれ、俺はまだまだ強くならないといけない」


「ヤタロウ男の子だね~ あの人間に報復するのかい?」


 こっちから手を出すのは里長が許さないだろうが、

 またこっちに来たら話は別だ、目に物見せてくれようぞ。

 


 

――九尾の狐の伝承

 紀元前1000前に殷の紂王の妾と入れ替わり酒池肉林など悪逆の限りを尽くすが、周の太公望に見破られ宝剣で切られると三体に分離して各地に逃げる。

 一つはインドへもう一つは周の12代皇帝の后に化け存在する。

 インドの九尾は残虐だが、中国の狐はそれほど悪い事をしていない。

 後にその中国の九尾が遣唐使船に紛れ込み日本に来たのが、

 日本でよく知られる九尾の狐の玉藻の前で鳥羽上皇に寵愛される事になる。

 自分の子供を皇位に付かせる為に暗躍し宮中を乱し(保元の乱1156年)

 武家政権の台頭を許した。


 のこり一つがこの世界の九尾でありタマの母親ですね。

 その母親は既に他界、エキノコックスにでもやられたのかな?


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