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極東西遊記~古代日本に転生したぽいので建国してみた  作者: 星 武臣
第3章 そうだ 京都に行こう
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外伝 縁の下の力持ち?

メインヒロイン争奪戦開始

熊野暦12月下旬


 どうやら仁達が帰って来たようですね。

 私は或る作戦を遂行するために仁の部屋に忍び込んだのです。

 何故こんな事をしているかと言うと……



 あれは仁が奈良から帰って来る少し前の事です。

 天音様から仁に嫌われているのではないかかと相談されました。


 日記を読む限りそんな事は無いとは思うのですが、少しそっけない態度を取ってじらして見ようと提案したです。天音様は仁が帰って来たら一緒に料理を作りたいとおっしゃってましたが、ここはぐっとこらえて貰いました。


 仁は、所謂朴念仁と言う奴です。

 基本的に周りが知らない人ばかりでも生きて行ける様な気がするです。

 私達が居なくなったら少しは寂しがってくれるですかね?


 今回は、仁の書いた日記を読んでその辺りを確かめようと言う訳ですね。


「ふむふむ、このレシピなら私でも作れるかもです」


 えっ、年末のマグロ漁のドキュメントは12月の話じゃないのですか? 知らなかったです。う~日記を通じて私が手の平の上で遊ばれている感じがするですね。気を取り直して次の日記にいきましょうか。


 「うわっ、魚が喋ってる」

 

 アイツ頭に変な虫でも湧いてるんじゃないですかね?

 そしてなろう作品の愛読者だったのですね、アレは良い物ですがいつもの意趣返しに今度からかってやるです。


 そして「私を甲子園に連れてって」の台詞はきょうび聞かないです、たしか安達なんとかさんの初期の漫画じゃないですかね、もしかしたら仁はサンデ―を購読している可能性が有るですね。そうだとしたらマジうけるんですけど、普通はジャ○プと相場が決まっているです。


 どうやらホンマグロは無理ですがマグロは釣れたようですね。

 御館様は仁に後を継がせたいような事を言っていましたが、漁師をするつもりは無い見たいです。天音様と結婚するには最短の道だと思うのですが意外と頑固ですね。


 最新の日記には奈良のおっぱいお化けの事は書いて無いようですね、少し安心しました。早速持ち帰って天音様に報告するです。


「ゆうなさん、私の事は何か書いて有りました?」

 そんなに気になるなら天音様も一緒に読めば良いのです。


「それが…… 全く書いてないです。でも私達に美味しい食べ物食べさせる事だけは感じ取れたです」


「そっ…… そうですか、でも私達の為に頑張っていたのですね」


 天音様の顔が暗い顔から一転して花が咲いた様な表情になったです、正直じれったいのでお前達さっさとくっ付けと言いたい所ですが、この地方の風習が邪魔をしているですね。


 夜中に男性が女性の寝所に潜り込んで、或る事をする所から交際がスタートするです。これがどうにも邪魔ですね、御館様も娘を目の中に入れても痛くない程に溺愛しているので、中々そこまでは許す気はないようです。


 もう、スッポンでも食べさせて天岩戸に二人きりで閉じ込めてみるですかね。

 天音様の魔力量は大人が数十人がかりでも相手にならない位なので扉を魔法でこじ開けられそうです、奇兵隊の有志を集めて封印して見るのも一つの手ですかね。途中で御館様の妨害が有りそうで怖いですが……


 何故この地域には清い交際が無いのですかね。段々腹が立って来たです。


「天音さん、昼飯が出来ましたよ」


 仁は何食わぬ顔でやってきましたが、私の苦労を知らない事にイライラするです。


 今日の昼食は鶏肉の味噌鍋ですね、鍋が二つ用意されていて片方が普通の味噌でもう一つが赤味噌仕立てですね。


「おい仁、そのドス黒い鍋は本当に食えるのか?」


「名古屋名物の味噌煮込みだよ、熊野さんも騙されたと思って食べてみてよ」


「いや、俺は普通の味噌で良い」

 赤味噌は不人気のようです。食べ慣れると美味しいですけどね。


「しょうがない、ゆうな二人で食べるぞ」


 馬鹿仁、空気を読めです、さっきから天音様の視線が痛いです。

 でも味噌煮込みに罪はないので食べるとしますですか。

 懐かしい味がします、濃厚な味噌の香りと出汁の効いた深い味わいがマッチしているです。


「ゆうな灌水を使った固めのうどんと言うか沖縄そばが有るんだが入れていいか?」


「はっ……早く入れるです、茹で方はバリカタでお願いするです」


「ああ、解かってるよ」


 やはり味噌煮込みには固めの麺が良く合うです。今日の夜は忘年会が有るのについ食べ過ぎてしまいそうですね。しまったです、久しぶりの地元の味に我を忘れてしまいました。天音様が仲間になりたそうに、こちらをチラチラ見ているです。


「天音様も一口どうですか?」


「それではいただきます…… 私はおうどんは柔らかいほうが良いですね」


 残念ながら天音様の口には合わなかった様ですね。

 でもそこは恋の力で美味しいと言うべきです。

 少なくとも味の好みの問題で、不味い味付けにはなって無いと思うのですが……


「なあ、ゆうな食用油の目処が付きそうなんだが串カツを作ったら味噌ダレに漬けて食べるか? 俺は名古屋人じゃないから詳しくないが、縁日の串カツを隣で煮ている土手煮に漬けて食べたのが発祥なんだろ?」


「へぇ、そうなんですね。言われてみれば縁日で串カツを好きなだけ食べて最後に串の本数で会計するタイプの屋台は、冬場には串カツが冷めてるのでよく隣の土手煮に漬けて食べてたです。良く知って居たですね」


「矢場○んの看板にそう書いて有ったぞ」


「ちょっと待つです、矢○とんの味を出せるですか?」


「コッチの世界に来る前に既に研究済みだ、多分出来るぞ」


「今すぐ作るです、ハリーハリーハリーです」


「まあ、落ち着けって伊賀で飼育しているオークの品種改良がまだだ、今の所どんぐりだけを食べさせているがそれで味が良かったら試してみようぜ」


 いつもはヘタレですが今日の仁は少しだけカッコ良く見えたです。

 そしてまた我を忘れてしまいました。また天音様の視線が気になります。


 天音様の引っ込み思案な所を矯正しないと二人の仲を取り持つのは厳しい所ですね。

 この地方では美人の定義が違うのも関係していそうです、骨太で良く働く健康的なポッチャリさんが人気の的ですが、天音様は痩せ型なのを気にしているようです。


 しかも食べても太らない体質をしていますし、私と変って欲しい位ですが自分に自信が持てない感じがします。美人なのにもったいないです。


 成功体験を積んで行くのが良いと思うのですが、現人神と崇められる天音様をデートに誘う勇者は仁しか居ないですし、仁は最近何かと忙しいので時間が取れないです。もう八方ふさがりなんじゃないですかね。交換日記から始めさせるですか?


 いやいや小学生じゃ無いんですよ、でもその位から始めないと駄目そうですね。



 昼食の後、私は忘年会の準備を手伝うと言う天音様を引きとめて作戦会議を開きました。


「天音様まずは交換日記から始めるです」


「交換日記ですか?」


 自己主張の苦手な天音様には、まずはその日にあった事の軽い日記から初めて行き徐々に天音様の本音をさらけ出して行く方向で話しを進めるです。


「そうです、天音様の胸の中にある思いを書き綴って下さい。いきなりは無理でしょから少しずつ気になる事を書いて行くです」


「私は、仁さんがゆうなさんの事が好きなのかもと言うのが気になります」


「ふえっ?」 変な声が出たです、あの馬鹿はお調子物でどうしようも無い奴ですが、少なくとも天音様に一途なはずです。


「先ほど、あんなに楽しそうに会話してたでは有りませんか」


「いいですか、仁はヘタレです。意中の相手には緊張して上手く喋れないです」


「そうなんですね、何となくその気持ちは解かります」


「上手く伝えられない思いを文章で伝える作戦なのです」


 天音様の発言には少しビックリしましたが、仁が私の事を好きだなんて……

 やっぱり無いです。ありえないです。


 そんな事を言われたら変に意識してしまうじゃないですか……




 全員が主人公万歳みたいなハーレムは白けるので、否定的なソフトツンのキャラはツッコミ役として必要かもしれませんね。


 このまま行くとゆうなの方が先にくっつきそうなのが怖いですね。

 

 「仁と天音のチョメチョメが終わるまで天岩戸を死守しろ!!」のミッションは面白そうですが、4章のボスは熊野さんvs伊勢市のみなさんのレイド戦もアリなのかな?



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