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極東西遊記~古代日本に転生したぽいので建国してみた  作者: 星 武臣
第3章 そうだ 京都に行こう
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58話(1/2) 黒いダイヤを狙え

3000文字と短いですが切が良いのでアップしときます。

熊野暦12月下旬


 俺が伊勢に戻って来て奈良で書いた日記を纏めようとしたら、以前に書いた部分が赤字で訂正されていた。くそっ、この字はゆうなだな、人の日記を読むなんて今度公衆の面前で鼻フックでもしてやろうかと考えていたら、一枚の紙が挟んで有って「奈良に入り浸らずたまには帰って来い」と書いて有った。


 ゆうなは、かまってちゃんなのか? まあ、ギャアギャアうるさい女は寂しがりだと言うしそんな物か? 今回は大目に見てやろう。


 取り合えず熊野神社に顔を出し帰って来た事を伝えると、今日の晩御飯は何だと言われた。あれ? 俺の価値ってソコ? もう少し愛されてると思って居たのに、少しショックだ。


 奈良で取って塩付けにした鱒の卵(筋子)にアルコールを飛ばしたみりんと酒を1対1で漬け込んだ物を取り出し腹膜に覆われた卵を一つ一つ取って行く。


「イクラは完成品しか買った事が無かったが、自分で作ると大変だな」

 ロシア人が泣きながら作って居るのだろうか? んな訳ないか。


 鱒の身の方は幽庵漬けにして有る。これは江戸時代の茶人、北村幽庵が考案したものだと言われている。琵琶湖周辺で「鮒が大量にとれたがどうしよう」と相談され、醤油・酒・味醂で漬け込み保存したらどうだと提案したらしい。


 基本的なレシピは各同じ分量だが、現代では塩分の過剰摂取が問題視され薄味となっている。今回作った物も酒4:味醂1:醤油1で一日漬け込んだ物だ。正直な話産卵期の魚は卵に栄養が行く為、それほど旨くない、美味しく食べるには一工夫必要だな。


 間違っても産卵期の鯛を桜鯛とか言って有り難がって食べるなよ。あれは春先に浅瀬に産卵しに来るからよく釣れるだけで旬は秋口から冬だからな。


 ついでに野鳥の味噌漬けも出そう、今回手に入れたのは(がん)だな、生類哀れみの令が発端だったか忘れたが、何らかの理由で食べられなくなった時にどうしても食べたくなって雁欺き(がんもどき)が出来たと言う逸話が有る位旨い鳥だな。一説によると鳥肉をミンチ状にして丸めた物を(がん)と言いこちらでは無いかとも言われている。


 それはさて置き調理を進めていこう、とは言っても仕込みは奈良でして来たから後は焼くだけなんだけどな。


「お~い、みんな夕食が出来たぞ~」


「待ってたです、お腹ペコペコです。なんでイクラが有るですか?」


「ああ、それ鱒子だから」


「鱒の卵はこんな綺麗な色をしているのですね」

 鮭の近類種なので少し粒が小さいが見た目はイクラとほぼ同じだ。


「熊野さんコッチでは鱒子は食べないんですか?」


「鱒は川の上流で産卵するだろ、遡上するのは長良川だ、何処で取れると思う?」

 岐阜と福井の県境位かな、長野県の方に川が流れている可能性もあるな。


「取り合えず山奥で取れる事だけは理解したよ」


「鱒子は恋しいが、飛騨地方の開発はまだまだ先になりそうだな」


「陸封型のアマゴやイワナの子供で我慢するしかないですね」


 この二つの種は海に出ると大きく成長しサクラマスやサツキマスと呼ばれる。今回取って来たのはどちらか解からないがそれの卵だ。


「正直な話鮭が食いたいが……」


「まあ、鮭はロシア近海(アラスカの方)の寒い地域に居て産卵期には北海道や東北の暖かい時期に遡上して来ますからね。子供の為にいい環境をと危険を冒して川を遡上してくるなんて、母の愛を感じますね…… こら、うずめお茶碗が真っ赤になるまでイクラを入れるんじゃない」


「え~、だって美味しいんだもん」


「仁さんの話を聞いていたんですか? もっと大事にして食べないとダメですよ」 そう言う天音さんもほっぺにイクラ付いてるけどな、掻き込まないとそんな所にイクラは付かない。人の業と言う物はかくも深い物なのか?


 初めての食べ物でテンションが上がるのは良いが俺の分は残して置いてくれよ。


 ゆうなとくくりは箸を上手に使い、海苔でプチ軍艦巻きを作って食べていた。そういえば先行して養殖されていた海苔を使った板海苔が出来たんだった。どこぞの海苔のCMでは紙作りをヒントに海苔を作ったと言っていたが、元々漁師だった熊野さんは海苔作りを知っており、その知識を生かして紙を作ったのがこちらの起源になるな。


 実際には紙が出来たのが先だから、後にはCM通りの言い伝えになるのかもしれない。


 そうだ、海苔が出来たから今年の忘年会には巻き寿司を出そうとしてたんだった。


「熊野さん、マグロを捕まえようよ」


「お前、ホンマグロの生態を知ってるのか?」


「いや、欲を言わずにキハダかメバチマグロで良いから……」


 黒マグロは春先に沖縄辺りで産卵し、エサを求めて北上して行く和歌山沖に現れるのは5月頃だ、カツオやサンマを追って北海道に行き、エサでであるカツオたちが南下し始めると一緒に帰って行くが、「せっかく此処まできたら青森か函館でイカ食って行かね?」「お~ いいね~」 と津軽海峡に集まるようだが、12月を境に南下して行く、正月頃の特番でやってるドキュメント(再放送しか見た事がない)はこの時期の話だな、まさか生放送だと思っている奴はいないよな。


 一応、正月でも残っている奴は居るので200kg超級のホンマグロが上がると初競りでは億単位の値が付く、その位レアなんだ。んで、そのホンマグロは今何処に居るかと言うと絶賛南下中だ。一応三重県でも上がるが、漁獲量は日本海側が多い様だな。


 キハダやメバチはたまに上がるな、ソシャゲで言うなら☆5がホンマグロで何だ雑魚かと言いたくなるのがキハダ達だな、だが腐ってもマグロ☆4位の価値はあるぞ。そのマグロガチャを狙え無いかと言う訳だな。


「まあ、メバチマグロなら可能性は有るか、下手な鉄砲数打ちゃ当たると言うから、戸部の所も巻き込んで延縄漁法でも試してみるか」


 名草さんの所も参加するのか☆5の確率が上がるな、期待は膨らむばかりだ。


 翌日、伊勢を出発して勝浦に寄り名草さんに話をつけると心よい返事をくれた。伊勢~志摩の街道整備で出た木材(伊勢杉)で作られた船は10隻有る。大きさは10m程で、和歌山と伊勢で5隻ずつ所有しているな。代金は栽培を頼んだ、桜・梅・桃・橘などのフルーツで分割払いで支払う事になって居るが、鉱物資源が豊富らしいので、今後そちらに切り替わるかもしれない。


「名草さん、この辺りに金鉱脈が有ると朱里さんが言ってましたね」


「砂金は取れるんやけどな、この山の中から探し出すのは至難の業やで」


「仁、何とかならないのか、帝大のねえちゃんが言うんだからここに有るのは間違い無いんだろ?」


 熊野さんは、軍隊に居た時の上司が帝大出身だとかで朱里さんの事を手放しで信頼しているらしいが、聞いた事無い大学だな。俺の物心つく前に少子化で経営破たんでもしたのだろうか?


 温泉を探し当てた時のダウジングが使えるな、砂金が取れると言う話なので振り子の先端に砂金を貼り付け、この辺りの地図の上で揺らした。そうすると那智勝浦から北西の場所で振り子の運動がピタリと止まった。


「詳しい場所は特定できませんがこの辺りに有るみたいですね、後は近くで同じ事をしてもらうしかないですね」


「そこまで分かれば十分や、後はコッチでなんとかするわ」


 その日は延縄に使う素焼きの陶器で作る浮きと仕掛けを作るのに一日を使い翌日出発する事になったが、逸る気持ちを押さえ切れなかった。黒いダイヤが俺を待って居る、必ず捕まえてやるからな。


 

 


ゆうなはギャアギャア煩いと言うより仁にギャアギャア言わされてる感じですね。反応が面白いのでついイジってしまいたくなる感じですかね。


長良川の源流は岐阜県郡上八幡市の山奥です、高山市の隣に隣接しており徹夜踊りで名が知られる場所ですね。


ロシアでは魚卵全般をイクラ~と呼びます、ばらした筋子の名称が解からない為、便宜上イクラと表記しています。


キハダマグロとメバチマグロは海外でマグロ漁をしていますが、北緯35度周辺に広く分布しています。日本地図で言うと伊豆半島か和歌山周辺になりますね。漁獲量が多く回転寿司のトロがこのマグロです。ホンマグロの大トロは一貫2000円と高値ですね、回転寿司の大トロが二貫で600円だとすると約7倍の価値が有ります。レア度もその位でしょう。


朱里さんは京都大学の理学部地球惑星学部の学生と言う設定。地球がどうやって出来たかと言う学問で鉱物に詳しい。仁は旧帝国大学の現在の名称を知らない、縁が無さそうだし当然か?


次回はマグロピックアップガチャ開始ですね、☆5の確立は1%未満の鬼畜使用、見事釣り上げる事が出来るのか?


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