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26話 尾張 岐阜地区の開発

 熊野暦4月下旬


 俺は奇兵隊の連中と供に牛を連れてあゆちの里に向かっていた、牛を連れているため徒歩だちょうど一年前にこの道を通ったと思うと感慨深い物があるな。


「兄貴と叔父貴は何でこの辺りを三重って呼ぶんだ?」


「昔、日本武(やまとたける)と言う人がココを通った時、足が三重に曲がるほど疲れたと言ったらしい」


「軟弱な野郎ですね」

 お前ら山猿と皇太子殿下を一緒にするな、皇族が矢面に立って戦うのはありえない多分お飾りの指揮官(お神輿)だったのだろう、この逸話の時点で馬が居ない事に気付いて居れば俺の心のダメージは幾分軽減されただろう。


()()が語源になってるとも言うな」

 前者の方がネタとしては面白いが……


 桑名の村からあゆちの里は船で向かう、最近桑名は岐阜とあゆちの里との交易で栄えて来た市への昇格も近い将来されるだろう、北畠への定期便も作ってもらおうかなそのためには港を作らないといけないな。


 将来あの場所が津と呼ばれるのは避けたい、大体津とは港の事だぞ普通頭に何か付くだろう?

 昔は津港が存在したとか、最近は流石にマズイと思ったのか津・松坂港になっている。


 安濃川周辺に港を作って安濃津(あのうつ)(明治までの名前)にしよう。


【今後、自分の領地可愛さに奈良京都への輸入に安濃津を使い、津といえばあそこだよねと言う理由から、三重県の県庁所在地が津と呼ばれる事になる事を仁はまだ知らない】


 桑名からあゆちの里へは七里(約30km)2時間ほどの船旅だ、目の前海だから気づかなかったけどあゆちの里は熱田神宮周辺だよな、後ろの高台は金山から栄に続く感じだしココが発展したら、大津通りが名古屋城周辺まで伸びるかもしれないな。


「おっ、にいちゃん、今日はあのべっぴんさんは居ないのか?」


「今日は男ばかりだ、相談が有るんだが近隣の村の住人を集めてくれないか」


 今現尾張地区の在人口密集地帯は沿岸部に集中している。この辺りの人も米だけ食ってる訳じゃないからな、それで米を作っている所は洪水の被害を受け易いこの問題を解決しないといけない。


 基本的には洪水の被害の少ない地域である中区や千種区あたりで米を作ってもらい、庄内川を挟んだ一宮市・小牧市・長久手市、天白川を挟んだ東海市・大府市などにも開拓村を設置したい、魚とかのおかずになる食材の行商は奇兵隊が担う事になる。


戦国時代の東海三県の米の生産量は120万石だ、実りの多い現代米を使い現代式の田植えを実践したら300万石も夢じゃない。熊野米は東海地方の特産物として暫くこの地方を支えてくれるだろう、米だけに直ぐパクられる可能性は有るが、交易路が発達すればわざわざココ以外で米を作ろうとは思わないかもしれない、発展の助走をつけれれば良いのでそれはどちらに転んでもいい。


 治水もやっていく方針だが、川の底や端を掘ったりするのが限界だ。堤防などはまだ先の話だ、多分現代の川にするには魔法を使っても数百年の歳月を要するだろうから焦らず行こう。


 俺は近隣の村人の代表者を集め概要を説明した。去年あゆちの里周辺では俺の提案した現代式の田植えを実践して収穫量が倍に増えたので、村人達は興味深々だ。それで俺は名古屋市周辺の大雑把な地図を書き説明した。


「大体この辺りで米を生産したら洪水の被害も無く安全に生活できるだろう、俺が確実にこの地に衣食住の安定と富をもたらす事を約束する」


 この地はそこら中がら湧き水が出ているので農業用水に困ることは無い、逆に地下水脈が飽和状態なのが痛い位だ、地盤沈下しない程度だったらじゃんじゃん使うべきだ


「それはかまいませんが、若様が音頭をとっていただけるので?」

 かなり痛い所を突くな、奈良まで後すこしと言う所なのにな。


「誰か、我こそはと言う奴はいないか?」

 場に静寂が訪れる、なんと日本人的な事かまあ会議で良案は出ないと言うし時間の無駄か


「今年は俺が面倒見よう、来年の頭までに代表者を決めてくれでなければ伊勢から人を派遣する」

 問題の先送りは日本のお家芸か俺も人の事を悪く言えないな。


「所で行商を担当する奇兵隊も増員したいと思っている、70人程を予定しているが隣の岐阜も合わせてだこちらの方も検討して置いてくれ」


 後は牛を何処で飼育するかだな、水場のある鶴舞や千種周辺で良いと思うがそれは現地の人に任せよう。


 それから俺は岐阜に寄り領主の耕一さんに似たような提案をした、違う点は桑名で行なっている養蚕と紙の生産、揖斐川を越えた大垣地区での柿の生産の提案と、養老・多度地区の開発の許可(主に酒の製造)を貰いに来た。


「これで米が不作でも何とか食べて行けそうです」


「柿は収穫まで8年掛かるから軌道に乗るまでは、有事の際の食料支援は任せてくれ」


「ありがとうございます」

 養老・多度地区は未開発地帯なので好きにしてもいいそうだ。酒も仕込む事だし酒場を作って猟師(ハンター)ギルドでも作るかな、俺の家業は料理屋だし何とかなるだろう。


 しかし日本でギルドは無いな協会か? ハンター協会と言うと別な何かに聞こえるし、猟師協会と言うと語感が悪いな。狩猟組合かな獲物を求めて旅をする流れの猟師にも適性価格で取引する組織は必要だろう、食事と宿を提供する冒険宿だある程度の需要は有るはずだ、未開地域の斥候として公認の専業猟師を雇っても良い、俗に言うクエストだな。


 物々交換だとかさ張るので何とか貨幣経済にしたいが、それは偽造防止の問題が有るから今後の課題だな。


 さて今回の用事も済んだ事だし帰るとするか、これは余談だが今頃和歌山県では熊野さんと名草さんが主体となり、三重県紀宝町と和歌山県新宮市で試験農場が作られている両者の国境線(県境)熊野川(新宮川)を境で手が打たれたそうだ。天音さんも奉納舞の実証とかで熊野さんに付き添ってお仕事中だ。




 おまけ 「猿田彦再び」(古事記の二人の出会いを忠実に再現してみた)


 次の日の朝うずめが北畠に遊びに来た。

「今日は朝早くからどうしたんだ?」


「おとうさんとおねえちゃんが、お仕事で家に誰もいないの~」

 うずめがそこらの男より強いとは言え放任主義すぎだろ、2番目の子供はそうなり易いと聞くが長男の俺には理解できんな。


「んで、暇だから遊びに来たと」


「そ~」


「しょうがないな」


 奇兵隊の連中も連れてこの前見つけた温泉にでも行くか、隊員には結構無理させてるからな福利厚生もしっつかりしないとな、山道を鉈で切開き少し道を広くしながら温泉を目指すこと2時間ようやく目的地に着いた。


「わ~、おっきなお風呂だ~」

 おや誰か先客が居るようだ。


「うずめ、知らない人に有ったらちゃんと挨拶するんだぞ」


「うん、わかった~」

 うずめは勢いよく駆けて行き、服を脱ぎ捨て勢いよく湯船に飛びこんだ。


「あ~、お風呂場のマナー決めないとな」


「兄貴、誰が居るか解らないところに子供一人で生かせて大丈夫か?」


「うずめは人見知りしない性格だし、どこか人を引き付ける魅力が有る多少の事は許されるだろう」


「変態野朗だったらどうする?」


「殺す、具体的に言うと土魔法で足を固めて魚のエサだ」


「えげつねえな、熊野の叔父貴に発想が似てきてねぇか?」



「わっ、誰だって、う、うずめ様。だ、ダメですこっちに来ては……」

 あの声は猿田彦だな。


「あははは、おもしろ~い、おじちゃんだ~れ~」

 どうやらうずめの変なスイッチが入ったようだ。


「ちょ、なんでこっちに来るんですか」


「ねぇ、だぁ~れ~」


「さ、猿田彦です」

 猿田彦はラッキースケベ耐性は無しと……


「わ~、おさるのおじちゃんだ~」


「だ~か~ら~、なんでこっちに来るんですか~」


「悪い猿田彦、家のうずめが……」

 猿田彦はうずめに抱きつかれ顔が真っ赤になっていた。


「猿田彦うずめに不埒な事をしたらどうなるか解るな」


「し…… しませんよ、熊野様にも殺される」

 熊野さんが居たらこの状況もアウトだな、運がいいな猿田彦。


 古事記によると、アメノウズメはほぼ全裸であざけ笑いながら猿田彦に名前を聞いたそうです。もちろん場所はお風呂場では無いし、うずめも幼女じゃ有りませんどんな状況なのか理解に苦しみます。


 仁の元ネタの人もこの現場にいたのですが、うずめの性格について語ったのはアマテラス大神ですね、あんたウズメの露出癖知ってるだろ何故行かした……


補足説明

 本作品の冒険者ギルドの前身は、狩猟組合と言い狩と採取が基本である、縄文人にアピールするため店先に縄文式土器が置かれるが、獣人も居ると解ったらそれが信楽焼きの狸に変わる、現在でも居酒屋の前にたまに見かけるのはその名残である。と言う設定


組合組織なのである程度の自由と発言(政治批判など)が許されるが運営するのはその国の諜報機関だ過激な発言は控えた方が賢明かと思われる、もちろん有りがたいお説教なら真摯に受け止めるためお忍びで領主様きてるんじゃないかと言う噂も有るとか

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