22話 魔法の練習
どうでもいい豆知識 北畠(津市)にウラン鉱脈がある。
やったね仁くん核開発が出来るよ。核融合を利用して擬似太陽を生み出す魔法、アマテラスは地域的に美味しいですが、そこまでインフレしないんじゃないかな?
熊野暦3月中旬
第3回オーク討伐戦が始まった。田植えの始まる5月までの期間を予定している。
うずめをお炊き上げしようとしてたので、オークの中に何らかの宗教や文化が存在し群れて行動する習性が見られた為だ。100匹単位のオークの群れが餌を求めて田畑を荒らすのは悪夢以外の何者でも無いと、猟師のほかに農家も混じっての大規模な山狩りが行なわれることになった。
今回は北畠や松坂市周辺から名張に抜けるルートが取られた。ちなみに前回俺達が帰って来たのもこのルートだ、討伐戦と言っても特に何事も無く順調に進んでいる。
おそらく熊野さんの殺ったオークのミイラや白骨死体がコレがお前達の未来だと言わんばかりに木に縫いとめられている為だと思われる。若干引く位の量のオークがその状態だ、流石に4桁は行ってないと思いたいがその可能性は捨てきれない。
「俺 熊野さんを倒さないと天音さんと結婚できないのか……」
「兄貴、それ無理じゃないか?」
「だよね~」
奇兵隊の連中は、俺の口から出た天音さんと付き合う第一条件?にドン引きしていた。
聞く話によるとこの辺りでは、夜中に男が女性の寝室まで行き一夜を供にする所からお付き合いが始まるらしい、俺の場合はその寝室まで行くのが最大の難関と言う訳だ。
万難を排して弓やボウガンによる遠距離攻撃に徹した為、何事も無く今回のオーク討伐戦は終了した。
名張・伊賀地区は今の所未開発地域だけど結構な土地が広がっていた。戦国時代に米の生産があまり出来なかった為、この付近の住人は傭兵として戦争に駆り出されていた経緯が在るので、米の栽培には適さないのかもしれないが、現代のこの地域は普通に稲作してるよな?
連作障害とかそう言う物の影響だと思われる。川の氾濫で栄誉豊富な土砂が定期的に流れて来ると言う大自然のチートを使っている尾張地区が異常なだけで日本全国似たり寄ったりかもしれない。海に面さない地域の人は海産物が取れないから大変だな。
熊野姉妹の奉納舞による豊作の恩恵を受けたい所だけど、今の所三重県全域ではなく沿岸部周辺しか恩恵を受けていない。街道整備が出来ればこの地区まで天音さんを引っ張ってこれるかもしれないけどまだ先の話だ。この地域で養蜂を行なうのは決定してるので今度レンゲ草でも植えて連作障害対策をしよう。
よくわからないがレンゲ草が生成する窒素酸化物が稲作するのに良いらしいと、転生物の小説に書いて有ったので試してみようと思う。
この地域を安定させたらもうすぐ奈良県だ。伊賀市の端から奈良市までは15~20km、山道を切開くのは骨が折れるが今年中に行けたら良いな。
翌日、俺は熊野神社の敷地にくくりとゆうなの様子を見に行った。熊野さんが男気が気に入ったと言って耕太もここに居る。今は主に幸村の世話をして貰っている。 うずめが乗ってるのは忠勝だな。
「仁様、お早う御座います」
くくりが出迎えてくれた、最近熊野姉妹の側使えの様な事をしている。麻繊維以外の生地が手に入ったらメイド服でも作ってやろう、米の生産がイマイチだった美濃・土岐地区(便宜上岐阜と呼んでいる地域)のくくりは着物が似合いそうな痩せ型だ。顔は日本人形見たいな顔をしている「いっぺん死んでみる?」とか言いそうな顔だな。
逆に伊勢周辺の人はポッチャリさんが多い。
俺は日課の魔法の練習を天音さんと一緒にする為に来たと、くくりに伝え呼んで着て貰う事にした。
「仁、また来たですか? お姉さまに変な事をしたら承知しないです」
ゆうなお前は呼んでないぞ、それに此処に毎日来るのは解ってるだろ。
ゆうなは○○女学院と言う男の妄想を掻き立てられそうな学校の中等部の生徒だ。
13歳とか言っていたな。天音さんの事をお姉さまと呼ぶのは別に百合とかではなく、様式美だそうだ。コイツとは旨い酒が飲めそうな気がするが、お酒は20歳になってからだな。今度うずめに二人でアニソンでも教えるかな。
今熊野家では演歌が流行っている。いつぞや熊野さんに「他の歌は無いのか?」と聞かれ、鳥羽出身の演歌歌手の兄弟の船がどうとかと言う歌をうずめに歌って貰った所、熊野さんは号泣していた。
やはり演歌は昭和の人間の心を揺さぶる何かがあるようだ。それと昭和の歌姫と言われた歌手の歌が、うずめのレパートリーになっている。その中で、川の流れがどうとかと言う歌は熊野さんだけではなく俺の心も鷲づかみにした。
いつか熊野うずめコンサートを開催したいと思う。娯楽の少ないこの世界で娯楽を提供するのも支配者の務めだ。ローマの偉い人も国民にはパンとサーカスをと言っていたな。人気がないと後ろから刺さるかもしれない。そうならないよう気をつけよう。
「仁さん、今日は早いですね」
おや、天音さんがきたようだ
くくり・ゆうな・俺の3人で魔法の練習をする。
何時ぞややった水瓶の水をお湯に変える魔法を使用した。
神社の境内でやるにはちょうど良い修行だな、土魔法で敷地をボコボコにするとあと片付けが大変だ。
最近俺も水を40℃以上に上げられる様になったぞ、ゆうなはまだ苦戦している見たいだが、くくりは俺より上達が早かった。解せぬ……
練習も一段落付き、ちょうどお湯も沸いたので女性陣は風呂に入るそうだ。
俺は五右衛門風呂の火の管理を任された。
混浴イベントとか有るのかと思ったが無かった。
海ではほぼ素っ裸だったから行けると思ったが、現代人のゆうなが居るから駄目だった。
くそっ、もう少し早く仕掛けをしとけばチャンスは有ったのにな。
「仁、覗いたらコレで蜂の巣にしてやるです」
ゆうなは青銅製の鏃を見せて俺に言った。
「それは俺に覗けと言うフリか?」
「ばっ 馬鹿、どうしたらそうなるですか」
様式美に拘る癖にそれは駄目らしい、これが世代の差と言うやつか?
しょうがないから与えられた仕事を粛々とこなすとしよう。
風呂場からゆうな様胸が有って羨ましいとか、お姉さま少し大きくなりました?とか聞こえるが無視だ。
一応、諜報部隊(奇兵隊)の長として情報だけは心に刻んでおくが覗きはしないぞ。まだ死にたく無いからな。
「仁さん、少し火を入れて貰えませんか?」
「この位で良いですか?」
「ええ 良い湯加減です」
この生殺しの状況に股間のオットセイが反応し始めたので何か気を紛らわすことにした。
俺の事をヘタレと呼ぶなよ、紳士と呼んで欲しい。
覗きはしない、ラッキースケベに期待してくれ。
炭を手ごろな大きさに叩き割る作業が有ったので、右手に持った炭に魔力を通して堅さを強化してみた。
「さて何本割れるかな」
少年漫画にこんな修行方法が有ったような気がする。
結果は100本ほど割っても右手の炭は割れなかった。
コレを応用すれば竹槍の攻撃力が上がるな。
次に炭に含まれる炭素と空気中の酸素を結合させ炭を起こそうとしたが、かなりの時間を必要とした。
土魔法の展開速度からもう少し早く火が付きそうだが不思議だ、もしかしたら炎系の適性が無いのかも知れない。
そんな事をして暇つぶしして居たら、天音さんが風呂から上がって来たので、交代で風呂をいただく事にした。先ほど炭を触っていたから手が真っ黒だ。
「仁、私達の出汁が入ったお湯に漬かれるなんて、光栄に思うです」
ゆうな天音さんが反応に困ってるぞ、それは男のセリフで有って女のお前が言うべきではない。
「人間から出汁が出たら、マッドな奴が試して料理史に残っとるわっ」
今の所聞いた事がないので多分不味かったのだろう。
「の、飲んだりしないで下さいね」
天音さんの中の俺のイメージはどうなってるか激しく気になる。
「そんな不衛生な事はしません」
「全く、仁は様式美と言う物が解ってない」
「なんだ今のはフリか? だったら全力で飲ませてもらう」
「お、お願いですからやめて下さいっ」
なんか平和だな、ずっとこんな感じで時が過ぎたらいいな。
忘れがちな設定
その1 主人公はなろう小説の愛読者
その2 野生動物がデカイ、ネズミが1mだったら猪はどの位になるだろうか?
ちなみにこの前倒したのはオークリーダー的なやつ
本編には関係しませんが、名古屋市に○○女学園は一つしか無かった気がするので、適当な女子中学校の好きな制服をゆうなの制服でイメージしてください




