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初恋は実らない  作者: 花
2/2

私と彼があまり会話をしない理由

すごく久しぶりに書きました。

コメントくれた人がいて、この小説の続きを書こうと思いました。


「哉太!」

私がそう声をかけると、彼はこちらを振り向き、少し驚いた様な顔をした。

それもそうだろう。

彼とは中学校へ入学してから、あまり話していないのだから。

でも、それには理由がある。


1. クラスが一度も同じにならなかったから。

この歳になると、特に用もなく異性に会いに別のクラスへ行くと、好奇の目に晒される。

初めの頃は、よく哉太のクラスに行っていたが、その度同じクラスの女子に、「凛ちゃんと哉太君って付き合ってるの?」や、「凛ちゃんって、哉太君のこと好きなの?」と聞かれるので、私はいつの間にか彼を避ける様になっていた。


2. 哉太が人気者だから。

え?理由になってない?いや、十分な理由なんだなこれが・・・。

というかこの場合、人気者で済ませていいのか分からない。ファンクラブがあるくらい

それがもう恐ろしいのなんのって。

例えば、哉太と二人で話した女子(委員会や日直などは例外)は、ファンクラブの幹部から校舎裏に呼び出しを受け、「哉太君に色目使わないでくれない?」と、笑顔で言われる。

その笑顔は、とても可愛らしいのだけれど、目が笑っていない。それが逆に恐ろしい。

けれど、例外で呼び出しを免れた女子には、ファンクラブメンバーに、哉太とどの様な時間を過ごしたか (どれほど哉太が素晴らしいか)を細かく語る義務があった。

おかげで哉太は中学校三年間、必要以上に親しくなれた女子は居らず、一度も彼女が出来ことがない。それどころか女子と遊びに行ったことなど皆無な、残念系イケメン男子へと成長した。

モテるが故に彼女が出来ないなんて、どこかのギャグ漫画だよ・・・。

ここまでくると、男子も

「これに嫉妬するのも・・・なあ?」って感じだった。

それに、男子が哉太をあまり妬ましく思われていないのは、


ーーー自分は女子に嫌われてる


という哉太の致命的な勘違いのためだろう。


・・・。

何故そうなった?


そう思ったそこのあなた!

哉太の立場になって、よーく考えて欲しい。


例えば、廊下を歩くと、まるで自分を避けるかのように、一斉に女子が壁際へと寄る。

そして、時々こちらを見ながら、コソコソと何かを話す。

それが気になって、周りをチラリと見ると、偶々目があった女子に、ガバッと勢いよく視線を逸らされる。


哉太からしてみれば、女子から嫌われてると感じるのは、当たり前だろう。


まあ、実際はーーー


「哉太君が廊下を通るわよ!」

「壁際へ寄って!彼の姿をじっくり見たい!」


。。。。。


「きゃー!すれ違った時、すごくいい香りがした〜!」

「カッコイイー!」


。。。。。


「ちょっと待って!?今一瞬目があった!カッコ良すぎて直視出来ないよ!」



というやり取りが行われているのだけど、哉太がそれを知るはずもない。


男子は、哉太の勘違いを知ってるから、それを面白がっている。

イケメンが、女子に嫌われてると思って「俺、女子になんかしたのかな?」と本気で悩む姿は、さぞかし笑えるだろう。実際は全くの逆なのに。

(何こいつ、イケメンなのにめっちゃ残念。)

というのが、男子の哉太に対する共通の評価である。

でも、哉太が女子にモテモテなのに変わりはない。

私が哉太の幼馴染だと知られた時は、女子からの闇討ちを警戒した。

けれど、最近私が哉太とあまり話していないのと、小さい頃の哉太の写真 を引き渡す(哉太に「これを女子に渡さなかったら私は殺される!幼馴染が殺されてもいいの!!??」と言って強引に了承してもらった)を引き渡すことによって、制裁は免れた。

うん、女子って怖い。


まあ、そんな理由もあって、私が哉太と話すのは本当に久しぶりなのである。





だから哉太も予想してなかったはずだ。

私の口から


「今日一緒に帰らない?」


なんて言葉が飛び出すなんて。

不定期更新です。

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