874/900
流浪
私は男に与みするの?
それとも女に与みするの?
もしくはどちらとも敵対するの?
そもそも私は男なのか女なのか
精力だけが男の証明ならば
私 女に生まれれば良かったな
移り変わっていく車窓風景
ビールの缶をプシュと開けて
ただぼんやりと未来を思っていた
19の冬 幼すぎてどう生きればなんて
全然分からないまま流浪していた
今 思い返してみて間違っていなかったなんて
とてもじゃないけど言えない
今だって未だに後悔する事の方が多い
心残りと言うのは判断を鈍らせる
常に全力でやるべきなんだ 君を壊しても
この街で生きて来て この街で死ぬ事に感傷なんて無い
しつこいほど虚無が襲ってくる 歳を取り過ぎた
それも言い訳に過ぎない 自分を愛せと言われましても
自信が無いのだ いつも不安なのだ
3・6のキャバクラでしこたま呑んで喋って
8階から見下ろした地面は 私の自殺衝動をかきたてたよ
真冬に 千鳥足で 彷徨っていた 混沌と愛憎渦巻いてた
あの頃のように無心に遊びたいけれど 今は そうだな
心穏やかに 殺し合いを続けるのが正解か 何も変わっちゃいねえ




