白き灰の降る街で僕等は出会った
白き灰の降る街で僕等は出会った
家々は窓を閉ざして静寂に包まれていた
どこからかラタトゥイユの匂いがするけれど
それは深い森の中でフォトンを感じるような
微弱な物で もしかしたら幻臭だったかもしれない
酷く寒い 軽いめまいを覚え君を抱き締めた
氷の様に冷たい手を合わせて倒れるのを堪えた
きっと世界の終末なのだろう
かつて見た作者不詳の絵画 灰が舞い散る暗いタッチで描かれた
フランソワーズメランコリック
君が泣くから抱き締めてキスをした
満たされない心 別にメチルで死んでもいいけど
満ちるお酒はワインが良い
潜り抜けて来た僕の命は誰かの命の代替物だから
始まりでも終わりでもいい 世界は白い
白き灰の降る街で僕等は出会った
まるで遥か昔から恋人であったかのように
あったかい温もりを感じていた
残された僕等は 何処に行くとも知らず 手を繋いで歩き出した
到着する為の離陸 こう着状態の孤立 でも世界は輝きを取り戻す事
それも予定調和 戦争の果ての 人類の手引きだったのだ
僕等は愛を知った もう何も怖くない
人形が踊る仮初めの世界でも 生きていける
僕等は白き灰の降る街で出会い 赤い薔薇の降る街で結ばれた
二人だけが真実を白日の下に曝すのを恐れていた
愛は秘め事 語るのは禁忌だから




