31
部活が終わって、光太郎とソニアは二人並んで帰路についていた。
光太郎が情けない表情でソニアに話しかける。
「…僕、やっぱり心配だよ。いきなり中級ダンジョンなんて…」
「はぁ、情けないわね。部長も大丈夫だって言っていたし、それに試合に勝つ必要もないんだから。もっとゆったりと構えなさいよ」
「それはそうだけど…」
ソニアはため息を吐いて言葉を続ける。
「私もサポートするから…そんなに心配しないで」
光太郎は、眼をうるうるとさせソニアにすり寄る。
「あ、ありがとうソニア」
ソニアは寄る光太郎から離れつつ、
「あぁ気持ち悪いからこっちに寄らないでよ」
「あっ、ごめん…」
「…まぁ、今までの基礎を踏まえて、ただダンジョンを攻略することだけを考えていればいいのよ、わかった?」
「うん、わかったよ」
二人は話し込んでいるうちに別れ道についた。
「それじゃ、また明日」
と、光太郎が言う。
「えぇ、さようなら」
ソニアは手を上げて去って行く。
光太郎は不安な表情が残ったまま家路についた。
翌週、親善試合当日。
部室で準備をする三人。
光太郎は緊張のあまり、膝ががくがくと震えていた。
ソニアがそんな光太郎の様子を見てため息を吐く。
「あんた、緊張しすぎだって…。私たちがサポートするから大丈夫だって言ってるでしょうに」
「あ、あぁ。それはわかっているんだけど…」
梨宇洲が困り顔で光太郎に話しかける。
「光太郎君、適度な緊張は必要だけど、そこまでカチコチだとちょっとね…」
「はい、すみません…」
光太郎はスティールソードを腰に装着すると、顔をばしばし叩いて気合を入れた。
「…大丈夫、シミュレーション通りにやれば…基礎をしっかり守っていいれば」
光太郎は呪文のようにぶつぶつと繰り返した。
ソニアと梨宇洲は目を合わせて、困ったような笑顔をした。
梨宇洲が先頭に立って、部室を出る。
「それじゃあ、行くわよ。みんな」
「は、はいっ」
「はい」




