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翌日、朝。

光太郎は全身筋肉痛になっていった。

「いててて…」

光太郎は痛む体を押して、学園へ向かっていた。

すると、ちょうど登校していたソニアに遇った。

「あ、おはよう」

光太郎は手を上げて挨拶した。

「…おはよ」

と、ソニアはちらりと光太郎を見て答えた。

光太郎がソニアの横に駆け寄ってくる。

「一緒に登校してもいいかな?」

ソニアは前を向いたまま答える。

「…別にいいけど。わざわざ聞かなくてもいいでしょう」

つんとして言い放った。

光太郎は苦笑いしながら並んで歩いた。


教室についた光太郎は、前の席の友人、円藤正晴に声を掛けられた。

「よっ、おはよ、光太郎」

「おはよう、円藤君」

正晴は春明の返事を聞くと頭を振る。

「名前で呼んでくれよ」

「あ、うん、正晴君、おはよう」

「君もつけなくていいんだけどな、ま、いいけど」

正晴は身を乗り出して、光太郎に囁く。

「今朝さ、俺見たんだけどさ、天野と宗方が一緒に登校してるの」

光太郎はびくりと身体を反応させた。

なぜだか恥ずかしい気持ちになり慌てて答える。

「いやソニアとは、部活が同じなだけで…今朝はたまたま…」

正晴が驚愕した顔で言う。

「ソニアって、女子に対して名前で呼んでるのか…」

光太郎はあたふたとして答える。

「それは本人がそう言えって言ったから…」

光太郎はちらちらとソニアの席を見る。

ソニアの席には女子達が群がって黄色い声を上げている。

正晴が思い出したように言う。

「そういえば、お前牧歌部っていう新しく作られた部活に入っているんだったな」

光太郎はソニアから視線を戻して答える。

「あ、うん。そうだけど…」

「実際どうなんだ?ちゃんと活動してるのか?」

光太郎は少し誇らしげになって言う。

「うん、ちゃんと活動してるよ。昨日もダンジョンに行ったよ」

正晴は心底驚いたように、顔を引いて目を見開いた。

「ダンジョンに!すげぇなぁ…」

光太郎はハッと何かを思いついて正晴に尋ねた。

「そうだ、正晴君って何か部活に入っている?」

「いや、どこにも入ってないよ。帰宅部よ帰宅部」

 光太郎は身を乗り出して熱気の籠った声で言う。

 「入らない?牧歌部。正晴君もリピーターだったよね」

 「あ~…」

 正晴は気まずそうな表情をして鼻の頭をぽりぽりと掻いた。

 「俺の前世の話、してなかったけか?」

 「うん、まだ聞いたこと無いよ」

 「そっか、実はな俺、前世ではなんの変哲もないただの農民だったんだよな」

 「へぇ、そうだったんだ」

 「だからさ、記憶があっても戦闘の知識とかなんもないし、勿論特殊能力なんてものもないんだよなぁ」

 「そんなの僕だって、戦闘知識無いけど転生部に入ったし関係ないんじゃないかな」

 正晴は難しい顔になってむむむっと唸る。

「う~ん、そもそもダンジョンにも戦闘にも魅力を感じないんだよな。それにリピーター皆が皆、転生部に入る訳でもないし」

光太郎は残念そうに表情を曇らせた。

「そっか、それならしょうがないよね」

正晴はにししっと歯を見せて、光太郎の肩を叩く。

「でも、ダンジョンの話を聞くのは楽しいぜ。だからちょくちょく俺に話してくれよな、牧歌部のこと」

光太郎はがらりと表情を明るくして、勢いよく答える。

「うん!もちろんだよ」

光太郎も誰かにダンジョンの事を話すのは、つまり自分の活躍を話すことは気持ちよかったので快諾した。

つと、よく通る落ち着いた声が教室に響く。

「おぉい、ホームルーム始めるぞ、席につけよぉ」

担任の近藤翔子が教室に入って来た。

 正晴は光太郎の肩をまたぽんぽんと叩くと、椅子を戻して前を向いた。

光太郎は友人との仲の進展が嬉しく、自然と笑みがこぼれた。



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