22
翌日、朝。牧歌部、ダンジョントレーニング決行日。
教室に入った光太郎は、まずソニアの席に向かった。
「お、おはよう」
「…おはよう」
ソニアは頬杖をつきながら答えた。
「いよいよ、今日だね…」
光太郎はかちこちに固まった所作で、頭を掻いた。
「…そうね。てか緊張しすぎ、キモ」
「我ながらビビりだと思う」
ソニアは大きくため息を吐いた。
「先輩も大丈夫だって言ってるんだから、もっちょとしっかりしなさいよね」
「わ、わかってる」
光太郎はそう言って、自分の席に向かった。
その歩き方は、ちぐはぐだった。
放課後、光太郎とソニアは部室へと向かった。
二人のいでたちは体操着だった。
部室に入った二人を梨宇洲は笑顔で迎えた。
梨宇洲は二人の服装を見て、
「あぁ、着替えてきたんだ。そうだね汚れるかもしれないからねぇ」
そういう梨宇洲の服装は、普段の制服だった。
「私は後衛だし、ソーサラーだから、いつも制服でダンジョンに行くんだ」
「そうなんですか」
答えた光太郎の声は固かった。
梨宇洲は光太郎に歩み寄って、背中をバンバンと叩く。
「いてっ!」
「あんちゃん、緊張しなさんな。お姉さんがついてるから」
「は、はぁ」
光太郎は背中をさすりながら答えた。
「ソニアちゃんもついてるからね」
そう言って梨宇洲はソニアにウィンクした。
ソニアはぷいっと顔を背けた。
光太郎はロッカーからスティールソードを取り出すと、腰に装着した。
ソニアも同じく、短剣を腰につけた。
梨宇洲は、魔術師らしく、先端に紫色の丸い石がついたロッドを持った。
梨宇洲が先陣を切って、
「それじゃダンジョン棟に出発」
と、ロッドを高く掲げた。




